2022年10月31日月曜日

続12VHPWRコネクタートラブル

 前回書いた12VHPWRコネクターの問題ですが、更に新事実が判明!! 

電線の接続にハンダ付けが使われてました。

アンフェノールのコネクターにはハンダ付け用コンタクトというのは存在しないので、
全く別のメーカー製なんでしょうね。

分解写真を見る限り、非常に汚いハンダ付け。
ハンダ不良による発熱の可能性も有りそうです。

そもそも今回のトラブル、端っこの線が切れたというトラブルが多いと耳にしてました。
それも分解写真を見て納得。
この構造じゃ、コンタクトが折れても不思議じゃありません。
ケーブルに加わる力が、コンタクトの1点に集中するからです。
アンフェノールの技術者なら当然気付くでしょうから、
このコンタクトの設計は どっかわけわからんメーカーなのでしょうね。

アンフェノールのコンタクトのように圧着接続されていたならば、
今回のトラブルは少なかった可能性があります。
こういうトラブルも含めて、ハンダ付けよりも圧着の方が信頼性高いです。
(正規の圧着加工がされてるという前提ですが)

こんないい加減なケーブル、中国製品ではまま見かけますが、
まさかnVIDIA純正品で見ることになるとは・・・・・・・
トホホな世の中になってしまいましたな(;;

ちなみにアンフェノール製コネクターを正規圧着で使用していたら、
今回のトラブルは発生しなかったか?というと、ゼロでは無かったかも。
前回書いたとおり、12VHPWRの仕様上、コネクターの電流容量に無理があるので、
時間が経つとトラブルが発生した可能性は有ると思います。

2022年10月27日木曜日

12VHPWRコネクター溶解トラブル

Geforce GTX4090にて、電源供給の12VHPWRコネクターが溶解するトラブルが起きてる件、
既にご存知の方もいらっしゃるかと。

Geforce GTX4090はバリバリ最新のハイパフォーマンスビデオカード。
それに関わるトラブルなので、パソコンユーザー以外には関係無さそう、
と思ってる方も多いのでは?と思って、ここに書くことにしました。

そもそも今回のトラブルを簡単に言えば、コネクター部を流れる大電流により
コネクターの端子部から発熱したことにより、コネクターが溶けた、という代物。

これ、別にパソコンに限った話ではないのは お解かり頂けるかと。
でも、過去に類似のトラブルはほとんど耳にしないので、少し調べてみました。

結論から言うと、規格に無理が有り過ぎ。

この規格を作った人、ほんとにハード屋なのでしょうか?

12VHPWRコネクターって、最大で600Wもの電力を供給するそうです。
電圧は12Vですから、電流値50Aにもなります。

で、12VHPWRに使われているコネクターを調べてみました。
中国製の出所がわからない代物も見つかりましたが、
アンフェノール製の真っ当な製品を発見。
そのデーターシートを見てみると、1ピンの最大電流は9.5Aとなってます。 

6ピン束ねれば9.5×6で、57Aまでいけるってことか、と思った方、
それは素人考えなのです。

コネクターの端子部には接触抵抗が存在するので、
各ピンの電流値が単純に均等にはならないのです。

なので、どれかのピンが1つでも異常発熱したとすると、
そのピンの接続状態がどんどん悪化し、電流値が低下。
するとその分、他のピンの電流負担が増えるわけで、
2番目に接続状態の悪いピンが異常発熱しだします。

とまぁこんな感じ、コネクターが溶解に至っちゃうわけですね。

上の方で計算した57Aという値から勘案すると、
このコネクターで安全に流せるのは40A位じゃないかと。
なので、Geforce GTX3090の時には問題が出なかったと思われます。

逆に言えば、50Aも流す必要有るのであれば、
もっとゴツい別なコネクターを選ぶのが筋という話。
ほんと、いったい誰がこのコネクター選定したのでしょうね。