2017年1月31日火曜日

TG5021モジュールRevC続編3

注文していたTIのSN74AUP1T14が入荷してきました。

念のために書いておくと、1ゲートのシュミットインバーターという石で、
入力のスレッショルドレベルが低いという石。
74HCシリーズで例えるなら、74HCTシリーズに相当するという代物。
ただこの石が凄いのは、電源電圧が決め撃ちじゃないという点。
下は2.3Vから上は3.6Vまで使用可能なのです。

さて本題に戻りまして、今テスト中のRevC基板を3.3V電源で動かすには、
FETの次段のバッファーをSN74AUP1T14に変えればOKなので、
早速テストしてみることにしました。

結果はまぁ予想通り、快調に動作しております。

前回の記事でいじったR2はそのままの状態が以下の波形。

















インバーターのON時間が長くなっているのは予想通り。
とは言え、そんなに酷いデューティ比ではないですね。

では今度はR2を1KΩに換えて見ると・・・・・・・
















まだわずかにインバーターON時間が長いのですが、これなら許容範囲。
むしろ、この状態の方が長期的には好ましいので、3.3V時は1KΩで良さそうですね。
たぶん1.1KΩくらいでデューティ比が50%になるような気はしますが、
今回は ここで切り上げることにします。

ところでこの波形ですが、アンダーシュートはともかく、オーバーシュートは抑え目で、
なかなかいい具合の波形ですね。
電源電圧が低いとは言え、SN74AUP1T14は高速な石なので、
TC7SET04より波形が汚い可能性も考えておりました。
しかしなかなかどうして、いいですねこの石。

おまけとして、この次段のTC7W74の出力波形も載せておきます。
















こちらも電源電圧が下がったため、オーバーシュートとアンダーシュートが減って、
きれいな波形になってますね。

2017年1月30日月曜日

TG-5021モジュールRevC続編2

新たな部品も購入してきたりしまして、前回の続きでございます。

前回の最後に思いついたFET出力のプルアップ抵抗の元電源変更、早速試してみました。
TCXO用に搭載している2.85Vのレギュレーター出力から、
プルアップの電源を頂くという作戦です。
これならモジュールへの供給電源電圧が変わっても影響受けないわけですね。

電圧が下がるので抵抗値は小さくしてやる必要があるはずなので、
まずは1KΩから試してみました。
















前回同様、黄色の波形がFET出力で、青の波形がTC7SET04の出力。
黄色の波形が凄い形になってて、TC7SET04の出力のデューティ比がダメダメですね。

次は約690Ωの際の波形。

















さっきより少しマシになってきた感じですね。

更に470Ωにしてみると・・・・・・・
















TC7SET04出力のデューティ比が逆転しちゃいました。
インバーターON時間の方が長くなってます。
ということは、470Ωだと減らしすぎということのようですね。
最適値は560Ωくらいなのかな?

ということで新たに抵抗を用意して、テストの続きです。
ところが、なんとここで、うっかりミスに気づきました。

TC7SET04の出力だけプローブを繋いで波形見ると、様子が違ったのです。
そこでハッと気が付きました。
プローブの負荷のために、FET出力部の波形が変わってしまっていた模様。
つまり上の載せた写真3つは、基板単体動作時とは異なっている波形だったわけです。
うーーん、プローブの負荷が こんなにも重いとは・・・・・・

ということで、FET出力の波形は見ず、
TC7SET04の出力波形だけを見て抵抗値を調整することにします。

で、まず最初は約690Ωの場合の波形。
















繋ぐプローブを変えたので、上の写真では青色だった波形が、
今回は黄色の波形で表示されています。
前の写真の690Ωの場合よりは、かなりいい感じになっていますね。
よーく見ると、インバーターのON時間の方が若干長いので、もっと抵抗値を上げた方がいい模様。

今度は1KΩにしてみました。















インバーターのON時間が短くなりすぎちゃった感じです。
もう少し抵抗値を落としてみましょう。

今度は約825Ω。

いい感じになりましたね。
デューティ比も ほぼ50%くらいの模様。

これならば、プルアップ抵抗の元電源にレギュレーター出力を使っても良さそうです。
ということで、次のリビジョンでは回路変更いたします。

抵抗値は また再調整が必要ですね。
本番ではTC7SET04は使わず、他の石に変える予定です。

話は変わりまして、10MHzを生成する分周用の石ですが、
TC7W74が手には入れましたので交換してみました。

今まで載ってたTC7WH74の出力波形がこれ。

















で、TC7W74に換えた波形がこれです。
















みごとにオーバーシュートとアンダーシュートが減ってますね。
これならば出力のダンピング抵抗を挿入しなくても いけそうな感じ。

やっぱ、速けりゃいいというわけではないですね。

たたちょっと悩みどころが1点ありまして、TC7W74は互換品が無いのですよ。
TC7WH74ならば、テキサスとかで互換品が存在するのですが、TC7W74には無し。
もしかしたら昔は作っていたけど、今は辞めてしまったというパターンかもしれませんが、
もしそうだとしたら、TC7W74の入手性にも暗雲が・・・・・・・ (;;

2017年1月29日日曜日

TG5021モジュール RevC続編

引き続き、RevC基板のテストを続けております。

TC7SH14を代えないと動作テストにならないので、
早速TC7SET14へ交換しようと思ったわけですが・・・・・・
TC7SET14を購入していないことに気づきました。
秋葉原のお店を検索してみても在庫してるところは見つからず。
仕方無いので、とりあえずTC7SET04に交換してみることに。
入力波形がブロードなのでちょっと心配は有るものの、問題無く動いてる模様。
TC7SET14が手に入るまでは、これでテストすることにしましょう。

次にTCXOの出力を受けてるMOSFETの波形を見てみると、なんか汚い。
オシロで見てても安定しないのです。
これはもしかして・・・・・・・発振しかけてる?

MOSFETの入力に抵抗噛ますのは定石なのですが、
前の基板でテストした際には問題なかったのと、
ドレインの電荷抜きの為に入れてる抵抗が問題になるので、
あえて無しのままにしてました。
しかし今回はどうやら、抵抗入れないとアカン模様。
さすが20MHzの信号。
今後のバージョンは抵抗を挿入して、電荷抜きの抵抗は削除することに。
ちなみにその電荷抜きの抵抗ですが、値が大きめなこともあり、
結果的にはほとんど効果無かった模様。(笑)

ということで、計算は後回しで適当に抵抗を入れてみました。
最初 KΩ単位の抵抗を入れてみたら20MHzのパルスが全く通らず。(笑)
抵抗値をどんどん減らしていって、120Ωで落ち着きました。

















上記が120Ω抵抗挿入後の、MOSFETの入出力波形。
計算してみたら、もう少々抵抗値を減らしてもいいくらいの模様。
でもその辺りの抵抗のストックが無いので、とりあえずこれでテスト続行します。

次に気になったのは、MOSFETの入力スレッショルドレベルについて。
波形的に どうこうというわけではないのですが、温度を気にしてみたのです。

MOSFETの入力スレッショルドレベルって、温度が関与するんですね。
今回使用しているRU1J002YNでも、温度が下がるとスレッショルドレベルが上がります。
スレッショルドレベルが上がるということは、TCXOの出力を拾えなくなる可能性が?!

こういう場合、本来ならば恒温槽で冷やしながらテストするんでしょうけど、
当然のことながら? うちには恒温槽なぞありません。 キッパリ
そこで、基板を冷凍庫でガッチリ冷やしまして、取り出してすぐにテスト。
結論としては、問題無く動きました。
家庭用の冷凍庫ですから、マイナス10℃も行ってないかもしれませんが、
そもそもそんな厳しい環境で使うことを想定してる基板ではないので、この程度でも十分かと。

ただこの方法、梅雨時期とかだと基板が結露してダメージ喰らう場合あるので要注意かな?

さて次はMOSFETの出力(ドレイン)に入れてるプルアップ抵抗を見てみようかと。
ご存知のようにMOSFETは0Vに引っ張るだけなので、
波形の立ち上がりはプルアップ抵抗のお仕事。
MOSFETのデーターシートを見ると、250Ω辺りを使っていて、
ドレインに結構な電流を流しています。
出力パルスの波形をキレイにしたいのなら、それくらいの抵抗を使いたいとこですが、
今回の基板では無理なのでございます。

ゲートの入力電圧が限られることから、ドレインを流れる電流も制限喰らいます。
そうなると、小さめのプルアップ抵抗を使うとMOSFETがONした際に、
出力波形があんまり下がらないという事態になるわけですね。
なので、このプルアップ抵抗値も、カット&トライで決めるのが良さそうです。

まず最初は1KΩの波形。
















電圧スケールを拡大するため、0V位置を下側に持ってきてるので
波形が重なってて ちょっと見づらいかもしれませんがご容赦を。

黄色の波形がMOSFETの出力で、
青色の波形がそれを受けてるTC7SET04の出力波形です。
MOSFETの出力波形が、上の方に載せた写真よりも汚いのですが、
これはプローブを繋いでる場所の違いかと。

では今度は、プルアップ抵抗を500Ωに減らしてみます。
















比較しやすいように、オシロのスケール設定は同じにしているので、
黄色の波形の上側が切れちゃってますね。(笑)
プルアップ抵抗の効力で、電圧が上昇してるわけです。
MOSFETがONしている際の電圧も全体的に上昇しています。
その為、TC7SET04がONする時間が長くなった為、その出力波形が すんごいことに。(笑)
これは完全にアカンですね。
1つ前の波形画像ですら、インバーターのON時間が長めですから、
プルアップ抵抗を1KΩよりも減らすのは まずいという結論に。

では今度は、プルアップ抵抗値を上げてみましょう。
とりあえず、倍の2.2KΩへ。

















今度は一転して、インバーターのOFF時間が延びましたね。
ではもう少しプルアップ抵抗を減らしてみましょう。
4.7KΩの抵抗をパラレルに繋いで、約1.5KΩにしてみると・・・・・・
















かなりいい感じですね。
TC7SET04の出力デューティ比も揃ってる感じ。
今までの中から選ぶなら、1.5KΩがベスト ということになるのでしょうが・・・・・

上記の波形には、以下の要素が絡みます。
①プルアップ抵抗値
②電源電圧
③インバーターの入力スレッショルド
④MOSFETのゲート電圧波形

④については変化する要素は無いので無視するとして、
②と③は変わる可能性があるわけですね。

③に関しては、現状は仮にTC7SET04を使ってるわけですので、
TC7SET14やSN74AUP1T14に換えれば、当然変わってくるわけです。

②も3.3V電源使用を想定していますから、その場合も要検証なわけです。

そう考えると、プルアップ抵抗の供給電圧源にTCXO用のレギュレーター出力を
使うという案もあるのかな?
ちょっとこれも試してみようと思います。

2017年1月28日土曜日

TG5021モジュールのRevC基板

TG5021モジュールの新しい基板が到着しました。
今度のリビジョンはCです。
TCXOの出力をMOSFETで受けてるタイプです。
下に構成図を載せますね。









OUT1がメイン出力で、TCXOの20MHzをTC7WH74で分周した10MHzが出できます。
おまけとして分周前の20MHzもOUT2として出力しています。

基本は5V電源で動作する代物なのですが、
レギュレーターをパイパスさせることで、3.3V電源でも動くかも?

いざ、部品を実装して動作テストしてみたところ、
10MHzも20MHzもクロックは出力されてきたので問題無いかなと思いましたが、
色々解析しだしてから問題が出てきました。

バッファー2のTC7SH14の動きを調べる為、
入出力にオシロスコープのプローブを繋いで波形を観測しようとしたら、
なんと入力側にプローブを繋ぐとTC7SH14がクロックを拾えなくなる事態に。

プローブを繋ぐことで電圧レベルが下がって、
TC7SH14のスレッショルドレベルを下回ってしまうということなんでしょうね。
うーーーん、そんなに微妙なレベルで動いてるとなると、
安定動作の観点から疑問符が付いてしまいますね。

ということで、このTC7SH14はTC7SET14に変更するしかなさそうです。

TC7SET14は電源電圧が5V指定なので、
このモジュールを3.3Vで動作させることは不可になってしまいます。

3.3V動作は、SN74AUP1T14を使用するリビジョンD基板までお預けかな?
と思ったら、TC7SH14の代わりにSN74AUP1T14を載せれば、3.3V動作できちゃうのか。
むむむむむ

2017年1月26日木曜日

さすがfhanaというところか

今期のアニメの曲、一押しは「青空のラプソティ」でございます。
小林さんちのメイドラゴンのOP曲でございます。

本編のアニメも それなりに面白いのでございますが、
なんと言ってもOP曲が いい。d

どうしようかちょっと迷ったものの、結局ポチってしまいました。(笑)
そしたらなんと、発売日の前日だったというオチ。
無事本日届いたわけでございますが、CDでフルコーラス聴くと、
やっぱ買って良かったと改めて感じ次第。

fhanaすげー

2017年1月25日水曜日

やっぱ、カケホーダイは必須でした。

今月はピンチなので、携帯電話料金を切り詰める為、
カケホーダイのコースを止めて、通常課金のコースに変更してみました。
通常課金と言っても、2000円分の通話料が含まれているので、
まぁ、これだけあれば足りるべ、と思ったのです。

で、このコース変更により、750円ほど安くなるはずだったのですが・・・・・

今日、今月の通話料金の状況を確認してみたら、
既に2880円分通話していることが判明。
仕事でも使っているので、使わないという選択肢は取れないわけでして・・・(;;

2880円分から、無料通話の2000円分を差し引いて、880円が通話料金として請求来ます。
ということは、コース変更の差額750円を既に上回ってしまってるわけでして、
カケホーダイコースのままの方が安く済んだというオチ。
しょんぼり

楽天市場の使いにくさ

最近、私事で とても共感できる記事がありました。

楽天市場の「絶望的な使いにくさ」に隠された意図~ 

これでございます。

私自身は楽天市場をほとんど利用しないので、あまり関係無い話だったのですが、
私の親が猫缶を探していた際、楽天市場で見つけまして、
では購入してみようと話になったのです。

私の親はブラウジングとメールでパソコンを利用していますが、
ネット通販は利用したことがありません。

私から電話でアドバイスを受けながら、通販申込にトライしてみたわけですが・・・・・・ 
結局、1時間近く格闘してみたものの、ギブアップしたという結果。

欲しい商品をカートに入れるだけで一騒ぎ。
決済処理しようとすると、楽天会員のログインを求められるわけですが、
実は私の親、楽天の会員登録があるのです。
(私が代行してセキュリティソフトをオンライン購入した為)
ログインパスワードがわからなくて、再設定の画面と格闘したものの、そこで断念。

なんというか、画面のわかりづらさと入力方法の複雑さに問題があるみたい。
物を売る立場として、どうなのかなぁと思った次第です。

2017年1月23日月曜日

TG5021モジュールその後

ぼちぼちと進めております。

RU1J002YNを使うタイプの基板を発注していたのですが、春節前に工場を発ったそうな。
今月中には私の手元に届きそうな感じです。

部品は既に確保済みなので、基板が届き次第、実装してテスト。
10MHzならばFETでも追いつくのは確認できましたが、
はたして20MHzだと どうでしょうねぇ。

それとは別に、以前書きましたSN74AUP1T14を使うタイプも研究してました。
詳しくは また改めて書きますが、電源構成がすごいことになるもんで、
FETバージョンで問題無ければ、そっちの方が実用的なのですが、
もしもの意味も含めて、とりあえず試作してみることにした次第。

こちらの基板は昨日注文したばかりなのですが、既に春節に突入。
来月中に手元に届くかすら怪しい感じです。

2017年1月21日土曜日

醤油メシ?

先日の話、冷や飯と卵が有ったので、チャーハンでも作ろうと思い立ち、
卵を炒ってご飯を投入。
適当に炒めたところで、チャーハンの素を投入・・・・・・・・・
と思ったら、チャーハンの素を切らしていたことを忘れてた。!!

どうしようかと一瞬目眩がしたものの、醤油で味付けた炒めご飯という代物が
あるという話が脳内に浮かびました。
この際だから試してみるかってことで、レシピなんかも判らず、
適当に味の素と塩コショウと醤油で炒めてみた。

そしたらなんと、普通においしくてビックリ。
またチャーハンの素が切れたら試してみることにしよう。

2017年1月20日金曜日

パルス長計測

気が付いたら しばらく書いていなかったのですねぇ。

さて、やっと1件片付きました。

超低周波を測定する案件でごさいます。

実はこれも、二転三転ありまして、
今週の17日のこと、東京都立産業技術研究センターへ行って来たのです。

ここは名前の通り、東京都の施設なのですが、
色んな機器が ごっそり揃っておりまして、それを有料で利用できるのです。

今回はその中から、キーサイトの53132Aというユニバーサルカウンターを利用しました。
今回私の目的は周波数カウンターの校正なので、基準発振器の精度がネックになるわけですが、
産業技術研究センターに在る53132Aには、010というオプションのタイムベースユニットが、
装備されているのです。

このタイムベースユニットは大変高精度でして、
私の周波数カウンターより2桁精度が上という代物。
こんなに いい装置なのに、2時間で2千円も かかりませんでした。
東京都、様様でございます。

かくして、周波数カウンターの校正は完了したのですが、
時間に余裕があるので、課題事項だった超低周波のパルス長測定も行ってしまいました。

私の周波数カウンターと異なり、トリガー条件が細かく設定できる為、
4秒くらいカウントも余裕でした。
(ただ、AUTO設定だとうまくトリガーがかからず、手動設定が必要でしたが)

これで超低周波測定の案件も終了かと思いきや、
その後、再度測定する必要が出てしまいまして、
改めて測定環境を用意することになってしまいました。

で、用意したのは、PICマイコンを使った測定治具です。

パルス長を測るだけならば、単純なカウンター機能だけで事足ります。
ベースとなるクロックには それなりの精度が必要となりますが、
今回校正してきた周波数カウンターには、OCXOのクロック出力機能がありますので、
それを利用すれば十分な精度のクロック源が用意できます。

ということで、まずはPICのマニュアルを ざっと眺めてみました。
今回使用するのはPIC16F1938です。
このTimer1なのですが、T1CKI端子からクロックを入力してやり、
T1G端子から測定信号を入れ、ゲート機能を利用すれば、
まんまパルス長の測定システムじゃないですか!!

正直、ここまでハードで機能が揃ってるとはビックリしました。

ただ、Timer1は16ビットのカウンターですので、
これ自体では65535までしかカウントできません。
カウント用の基準クロックが10MHzの場合、6553.5μsまでということになります。

今回は超低周波の測定が目的ですから、もちろんこれでは足りませんので、
ソフトウェアで桁数を増やしてやります。
具体的には、Timer1のオーバーフロー割込を使って、
2バイトほど桁を増やしました。
トータルで4バイト長ですので、4294967295までカウントできます。
10MHzの基準クロックで、400秒以上測れるわけです。

これだけの桁数となると、表示はLCDユニットを使ってしまうのが簡単ですね。
LCDユニットが繋がったPICが、なんと手元に余っていたのでした。
某案件用の冶具として準備したものの、必要なくなってしまったという悲しい代物。

図面を確認すると、T1CKIとT1Gが丁度利用できます。
ならば、これを流用するのが簡単。d

流用するにあたり、クロックと測定信号の入力部だけは追加する必要があります。
ということで、以下のようなアダプター基板を用意しました。































何ら難しいことはしておりません。
74HCT14で、基準クロックと測定信号を受け、PICへ渡すだけです。

74HC74も載っておりますが、入力信号を分周したい場合に備えたのですが、
結論としては 全く必要ありませんでした。(;;

これが、余っていた冶具の一部。
















左下に見えるヘッダーピンがPICに繋がっており、
スイッチ等がケーブルで接続されるという仕様なのですが、
ここに今回作成したアダプター基板を繋いでしまうというわけです。

ただこのヘッダーピンには電源が出ていない為、急遽別なコネクターを追加しました。
(8ピンのICソケットの左側に在る4ピンのコネクター)

この電源コネクターは、わざとメス側にしてあります。
+の電源が出ている為、ショート事故対策というわけです。

これにアダプター基板を裏返しで装着。

















まず、手始めにGPS受信機の1秒パルスを測定してみました。















最上位のゼロが表示されたままですが、これは わざと残してあります。
この方が、上の方の桁が見やすい感じしたもので。
まぁ、好みの問題ですね。(笑)

最下位の桁は0.1μs単位となります。
基準クロックが10MHzですから、これ以上細かくは測れないわけです。

表示値ですが、最下位桁が0と1の間をゆっくり ふらつく感じです。
デジタルの測定器では最下位桁の表示はアテにならないというのがお約束ですが、
予想以上に安定感があって、私もビックリ。
基準クロックの精度と、GPS信号の精度の成せる業ということでしょうか。

そしていよいよ本番。
















ある基板にて、PICとクリスタルで32.768KHzを発振させ、
それを基に4秒の信号を出力している代物を測っております。

この基板では、3216サイズのクリスタルを使用しているのですが、
そのクリスタルの指定コンデンサー容量は12.5pF。
ところが、12.5pFでは かなり周波数がずれておりまして、
写真の測定値は22pFのコンデンサーを実装しております。
(これでもまだ容量が不足している模様)

場合よっては時間のカウントが短くなっちゃうと、
クレームが発生する可能性がある案件なので、念のために測っておきましたが、
やっぱ、測ってみて正解だったなぁと感じたのでした。

2017年1月15日日曜日

周波数カウンターと格闘中

前の記事の続きでございます。

ノイズフィルターを噛ます等で、ノイズを除去するのではなく、
ロジックICを1段噛ますだけでいいんじゃないかと気づいた次第。

そこで、以下のようなアダプターを作ってみました。













74HCT14のインバーターを1個噛ますだけの回路。
以前の繋ぎと同じになる様、100Ωの終端抵抗も組み込んでしまいました。

なんとなくACアダプター等からのノイズを避けたくて、
たまたま手元に転がっていた006Pを電源にしてみましたが、
なぜかロードロップのレギュレーターがストックに無かったので、
普通の78L05を入れてます。

で、これを使った結果は・・・・・・・・

オーバーシュート/アンダーシュートが増えてる。

以前の状態でも、波形を拡大すればオーバーシュートとアンダーシュートは
確認することができました。
とは言っても、普通ならば問題にならないであろうレベル。

でも、今回作ったアダプターを噛ませると、
以前よりも数倍大きなオーバーシュートとアンダーシュートができちゃいます。
うーーん、74ACならともかく74HCなのになぁ・・・・・・・

まぁ普通のロジック回路ならば問題にならないレベルなので、
石自体に問題があるわけではないのですが、
せっかく手を加えたのに、むしろ結果が悪化するとは・・・・・・ね。(笑)

うーーん、また別な手段を考えますか。

GPS受信機キットを試してみた

最近、たまに話題に上げていた周波数カウンター、
部品のオーバーホールは完了させたわけですが、
肝心要であるOCXOが手付かずでした。

OCXOの精度=周波数カウンターの精度なので、
これの周波数校正は非常に重要なわけですが、
アマチュアが安価に校正するのは大変なのでございます。

いよいよになったら専門業者に依頼することも検討しますが、
やはり数万円かかってしまうので、なかなかね・・・・・・・(笑)

そんな状況下、秋月のホームページを見てて、GPS受信機キットが目に留まりました。

GPSから1秒の信号が取り出せるという話は、薄々耳にしていましたが、
周波数カウンターに必要なのは10MHzなので、無縁だと思っていたのです。

でも、以前書いた超低周波測定の方法を使えば、
1秒パルスでOCXOの校正も可能なのでは?と思いついたのです。

早速、必要な部品を手配し、ユニットを組みました。
回路図は こんな感じ。
















秋月のGPS受信機キットに5Vを繋ぐだけで、1PPSのパルスは出てくるものの、
100msのパルスが1秒間隔で出てくるという仕様のため、
今回目的とする周波数カウンター測定には使えません。
デューティー比が正確に50%じゃないと無理だからです。

そこで、受信機キットから出てくる1PPS信号を2分周しています。

このユニットは衛星電波受信の為、窓際に置く必要があることから、
出力信号をケーブルでダラダラと引っ張ってこなければなりません。
その為、75Ωの同軸ケーブルを繋ぐように47Ωの抵抗を挟んでピンジャックで出力してます。
47Ωの抵抗は もっと大きくしたいところですが、丁度いい手持ちが無かったでした。

2分周はお約束のDフリップフロップ回路です。
今回は74ACT74を使っています。
これは以下の3つの理由から。
  ①GYSFDMAXBの出力が3.3Vレベルであることから、
   余裕を見てTTLレベル入力にしておきたい。
  ②75Ω出力ドライバーを兼ねたい。
  ③パルスのばらつき精度を向上させたいので、なるべく高速なデバイスにしたい。

ということで、ストックも有ることから、74ACT74にしたのでした。

②については、出力電流がデバイスの規定をオーバーしております。
今回の場合だと、5V ÷ (47Ω+75Ω) で約40mという計算になりますが
パルス出力であることと、1チップ内で1本しか出力してないことから、
実力的には 行けてしまいます。

余談ですが、今回使ったのは東芝製の74ACT74です。
東芝製の74ロジックは高速動作向けなので、ノイズには要注意なのですよ。
今回は扱うクロックが めっさ低速なので ほぼ問題にはなりませんが、
高速クロック回路だと しっかりノイズ対策しておかないと 痛い目に遭うのです。

話は戻りまして、上記の回路図を基に組んだ基板がこれです。
































写真では わからないかと思いますが、秋月のGPS受信機キットの基板のビス穴、
M3ビス用の穴が開いてるくせに、ベタパターンがビスを避ける分だけ空いていません。
なので、樹脂のビスを使うか樹脂のワッシャーを挟むか、という対策が必要になります。
(今回は樹脂ワッシャーで対応してます)

このGPS受信機キットですが、裏面にCR2032の電池ホルダーが付けられるようになっています。
電池を繋ぐことでセンテンス情報を保持できるのだそうな。
しかし今回のユニットではGPS受信機キットを外せるようにしていないので、
電池交換ができないことから、CR2032は付けておりません。
その為、電源投入時に初期設定からのコールドスタートとなりまして、
起動に若干時間がかかりますが、実用上は支障ありません。

では早速試してみることにしましょう。

このユニットを窓際に置き、秋月のACアダプターで5Vを供給。

AV用映像信号ケーブルを出力端子に接続し、周波数カウンターまで引っ張ってきます。
今回繋いでるケーブルは5m長のもの。

精度が うんぬんとか言ってる割に、AV用信号ケーブルとかピンジャックとか使ってて、
BNCコネクターじゃないんかよツッコミを受けそうですが、
この程度の低周波信号だと、この方が色々と便利なんですよね。

最近はピンジャックとBNCコネクターの変換アダプターも安価で手に入りますから、
周波数カウンター等の接続も問題になりませんし。

周波数カウンター部では、75Ωの終端抵抗で信号を受けつつ、
パラレルにカウンターを接続。
の予定でしたが(笑)、75Ωの抵抗が無かったので100Ωの抵抗で代用。

75Ωの終端抵抗で、真っ先に頭に浮かんだのがアンテナシステム用の終端抵抗器。
丁度、DXアンテナのDFD-75Sのストックが有ったので、これを使おうと思ったら、
これ、電流カット型なのでした。

電流カット型ということは、低周波~直流領域ではハイインピーダンスになっちゃいますので、
今回のように超低周波信号の終端抵抗としては使用不可なのです。(;;
なので今回は普通の金被抵抗を使ってます。

その終端抵抗の両端電圧波形がこれ。















予定通り0.5Hzの方形波になっていますね。

タイムレンジを変更してエッジ部を確認してみましたが、
オーバーシュートもアンダーシュートも無く、いい感じでございます。

いざ、肝心のカウンター値は・・・・・・・・・・・・















あっれーーー??
なんか、変な値になってますねぇ。

どうやら、カウンターの取り込みエッジの問題っぽい。

このカウンターの泣き所は、取り込みトリガーについて、
何も設定をいじれない点なんですね。

そもそもの仕様として、ゲート長測定の場合、測定可能範囲が100ms以下となっているので、
1秒というのは 正しく処理できなくても 仕方ないのかもしれませんが・・・・・・

でも以前、32.768KHzと格闘した際は1秒のパルスも測れてたので、
入力信号の微小なノイズが悪さをしている可能性もありえますね。

ということで、次回は波形のノイズ除去を試してみようと思います。

2017年1月14日土曜日

74AUP1Tシリーズだとぉぉぉぉぉ

TG-5021関連のお話です。

以前の記事で、TG-5021の出力をどうやって拾おうと悩んだ件を書きました。

結果的に③の線でテストを重ねてきたわけですが、
別件でテキサスのホームページを眺めていたときに、
74AUP1TシリーズというICを見つけました。
その中の74AUP1T14を調べてみると・・・・・・

あれ?これってTG-5021の出力を受けられるじゃね?

と気が付いたのでした。
電源電圧2.5V時だと、入力のハイレベルしきい値が1.1Vとなっています。
TG-5021の規定出力はmin0.8Vですから、
ワーストケースだとハイレベルに届かない場合もあるのでは?
という懸念も出てきますが、TG-5021の出力に重い負荷を掛けない限り、
経験上ほぼ大丈夫だと思われます。

ただ電源電圧3.3V時はハイレベルしきい値が約1.2Vになってしまうので、
ちょっと危うい感じがします。

電源をTG-5021と共通の2.85Vに出来るならベターなのですが、
その際のハイレベルしきい値が どうなるか・・・・・・・

ともあれこれは検討してみる価値がありそうですね。

ちなみにこの石、チップワンストップに在庫ありましたので、
入手性も問題ありませんでした。

唯一気がかりなのは、ロームのRU1J002YNを既に100個発注済みなんだよなぁ。
これで74AUP1T14の方がベストという結果になったら、
RU1J002YNはデッドストックに・・・・・・・ (;;

2017年1月13日金曜日

TS-130 ⑩

ついにTS-130絡みの記事も10回目になっちゃいました。
いやほんと、色々とネタを提供してくれてありがとうございましたという感じ。

さてその後ですが、途中で見切りを付けてチップ抵抗を付けました。
千石さんが せっかく送ってくださったのですからね。

で、その後またエージングを再開したわけですが、
延べ72時間は監視したものの不具合は再発せず。
もぅここらで見切りつけていいかなと思い、全ての作業を終了させました。

結局、Q21の2SC1815が原因だったという事のようですね。

しかしこの機会に あちこち見直して手を加えられたので良かったかな。
バンド切替用のロータリースイッチが接触不良を起こしていた件、
なぜか再現しなくなっちゃいました。

単に、しばらく使っていなかった為に起こった症状なんでしょうか?

ともあれ、このロータリースイッチの清掃は ものすごく大変なので、
いよいよ清掃が必要になるまでは様子見したいと思います。

というわけで、これにて完了です。



2017年1月11日水曜日

TG5021モジュールの話

色々試行錯誤(迷走とも言う)しながら進めております。

東芝のSSM3K62は やはり入手が難しいようなので、
代わりになるものが無いか、探してみました。

入手性も加味するなら、通販サイトで探した方が早いってわけで、
まずRSコンポーネンツから物色してみたものの・・・・・・・

FETの品種が多すぎ!

一応、絞りこみ検索機能は付いているものの、全体数が非常に多いので、
絞込み条件をいくつも重ねて、数十点くらいまで なんとか絞ったものの、
絞込み条件が多すぎると、サーバーのプログラムが不安定になるんですよね。
エラーを吐いてクリアーされちゃう事が頻発して、とてもじっくり調べられません。(;;

仕方無いので、今度はメーカーサイトから調べることにしてみました。
そうなると、海外メーカーは ちょっと手が回りきらないので、
国内メーカーだけを対象にしてみたわけですが、ルネサスもパナソニックも該当品は無し。
唯一、ロームで似たような製品が見つかりました。
RU1J002YNという製品。

細かく見ていくと、SSM3K62とは特性が異なるのですが、
今回ネックになるのは高速応答性。
その点で見ると、むしろRU1J002YNの方が良さそうな感じ。

出力のスイッチングタイミングの時間も短いようだし、
ゲートの入力容量も少ないようなのです。

まぁでも、SSM3K62のように また手に入らないんだろうなぁと思ったら・・・・・・
あっさりチップワンストップ他で見つかりました。
ちょっとビックリ。

マウザーやDigi-keyだと送料が高いので、チップワンストップは助かるかも。

良さげなFETが あっさり見つかったことで気を良くして、
今度はクロック分周回路をについて検討始めました。

デューティー比改善の為、20MHzのクロックを2分周してみたいと思ったわけです。

まずはクロックを2分周するだけの単機能ICが無いかなぁと、
さらっと探してみましたが、やはり見つかりませんでした。
有れば それなりに便利だと思うのですが、需要がそこまで多くはないかなぁ。

そんなわけで、Dフリップフロップを使って分周することにした次第。
東芝好きっ子の私としては74VHC74が頭に浮かんだわけですが、
フリップフロップは1個で足りるので、74ロジックだと もったいないと思いまして、
東芝のサイトでTC7SHシリーズを眺めてみると・・・・・・
単純なゲートしかラインナップされていません。
考えてみれば、Dフリップフロップを1個だけIC化しても、8ピン必要になってしまうわけですから、
ワンゲート化する恩恵は薄いのかなぁと 勝手に思ってしまったのでした。
(実は私の勘違いだったのですが)

仕方無いので74VHC74で回路図を引き、基板のアートワークも進めました。
並行して部品の調達も調べたのですが、案外、74VHC74のSSOP版って手に入りづらいのですね。
結構ゴロゴロしてるかと思ったら、そうでもありませんでした。
やっぱ、74ロジック自体の需要が減ってるからなんですかねぇ?

一応、RSコンポーネンツで見つけたわけですが、
その後、まさかと思うけど念のため秋月も見ておくかとサイトを見てみたら・・・・・・・
TC7WH74というICを発見。

これ、Dフリップフロップが1個だけ入ってるロジックICでございます。
まさに、私が東芝のサイトで探した石でございます。
まさか7WHシリーズに入っていたとは・・・・・・・ orz

この辺はどうやら、パッケージの種類でシリーズ分けしてる感じですね。
7SHシリーズは5ピンのパッケージ。
7WHシリーズは8ピンのパッケージらしい。

7WHシリーズは、複数個のゲートが入ってるシリーズだと勘違いしていたので、
そっちは探さなかったわけです。
うーーん、まだまだ勉強不足ですかのぉ。

ともかく、このTC7WH74の威力は絶大。
74VHC14より ずっと小さい上に、クロック分周用の回路が引きやすいピン配置になってます。
基板のアートワークが めっさ楽ちん。
しかも秋月で調達可能ですから、入手も簡単で安いときてます。

ほんと、久々に面食らいましたわ。(笑)

2017年1月10日火曜日

TS-130 ⑨

千石が袋詰めの際にミスったチップ抵抗、わざわざ宅急便で送ってきてくださいました。
たかだか50円程度の代物ですから普通郵便で構わないと申したのですが・・・・・・
むしろ恐縮しちゃいます。

さてそのチップ抵抗、まだ取り付けておりません。
振動に対する強化の為、基板裏付けになっている1/4Wのカーボン抵抗を
置き換える為に購入した代物なので、
換えなくても現状の動作に支障が無いからです。

TS-130は前回の作業後ずっとエージング中でして、既に24時間以上経過しております。
BL信号線にデジタルオシロを繋ぎ、ワンショットトリガーモードで監視しております。
もし例の不具合が出れば、トリガーが掛かって記録に残るわけですが、
現時点では問題無く動作中。

やはりQ21の2SC1815が原因だったということでしょうか?

とりあえずもう暫く放置して様子を見てみることにします。

ところで、去年Windowsを再インストールしたおかけで、
IMEの辞書学習が初期状態に戻ってしまいました。
そのせいで、「基板」と打ちたいのに「基盤」が先に候補で出てくる始末。
困惑しております。(;;

2017年1月9日月曜日

TG-5021モジュールの続き

今度はTG-5021関連の話の続きです。

前回はTG-5021の出力レベルの低さが問題で話が終わりました。
それをどうやって持ち上げるか・・・・・・・・

ざっと考え付くのはこんな感じ。

①低電圧ロジックICで、順次レベルを上げていく。
②プルアップ抵抗を噛ませて、Hレベル時の電圧を上に引っ張る。
③トランジスターもしくはFETでとプルアップ抵抗でHレベルの電圧を上げる。
④トランジスターもしくはFETでアナログ増幅回路を組んで、TCXO出力を増幅。
⑤オペアンプによる増幅。

①については、最終的に欲しい出力が方形波であることを考えると一番妥当なところ。
 この方法で行ければベストだと思うのですが、低電圧ロジックで一番電圧が低いのは1.8V品。
 例として、ワンゲートロジックの東芝TC7SZ14で話を進めます。
 この石、電源電圧は1.65VからOKとなっておりますが、ネックは入力の しきい値。
 入力のしきい値は電源電圧に依存するわけですが、
 1.65V電源の際、Hレベルのしきい値は0.6V~1.4Vとなっています。
 これだと、ワーストケースでTG-5021のHレベル電圧が足りません。(;;

②はTG-5021の出力にプルアップ抵抗を噛ませて、電源電圧(2.85V)まで釣る方法です。
 TG-5021のデーターシートには、プルアップ抵抗の可否が記載されていません。
 単なるロジック出力ならば問題無いはずですが、
 そもそももしそういう出力回路ならば、もっと出力電圧が高いはず。
 なので、この方式も避けた方が良さそう。

③はTG-5021にトランジスターかFETを繋ぎ、
 その出力のプルアップ抵抗で釣り、出力を取り出すというもの。
 図にするとこんな代物。












 トランジスターのベース抵抗は記載を省いています。
 FETの場合は、単純にトランジスターと置き換えるだけです。

 トランジスターもしくはFETを単純にスイッチとして動作させるので、

 飽和に近い動作までもっていく必要があるわけですが、
 TG-5021の出力電圧で足りるかが懸念点ですね。

④は技術的には問題は無いと思いますが、めちゃくちゃ回路が複雑になります。
 たかがクロック出力の為に、ここまでやるのは どうかと思うわけでして・・・・・・

⑤も④と似たコンセプトですね。
 ディスクリートで回路を組むか、オペアンプで回路を組むかの違い。
  ただこの場合ネックになるのは以下の点。
    ・高速オペアンプが必要。
    ・電源電圧に制約を受ける。
    ・入力にレールtoレールの性能が必要。
 これを勘案すると、お手軽ではないかもしれませんね。


で、この中からまず選んだのが③の方法。
トランジスターだと、TG-5021に出力電流の負担をかけることになるので、
まずはFETで行ってみることにしました。
ちなみにTG-5021の出力は10KΩの抵抗負荷までOKとのことなので、
約1V÷10KΩで、約0.1mAまで取り出せるようですが、
この電流値でトランジスターを飽和動作させるのは ちょっと際どいところ。

FETの場合、ON-OFFのしきい値が石固有のデーターになってしまうので、
ゲート電圧が約1VでONする石がみつかるかどうかが 最初のネック。
とりあえず東芝で探してみると、確かに存在してました。
SSM3K62TU辺りが そうですね。
しかし次に問題になるのは入手性。
石が存在してても手に入らなければ絵に描いた餅なわけですが・・・・・
うーーん、やはり在庫が見つかりません。(;;

近い石で探してみると、SSM3K36TUをRSコンポーネンツで発見。
まぁこれだけでも見つかればラッキーかな?

しかし3連休に突入しちゃってますから、RSはお休み中。
秋葉で手に入るものは無いかなと物色してみたら、
秋月でRUE002N02を発見!!
うーーん、秋月恐るべしですねぇ・・・・・・・(笑)

データー上はSSM3K62の方が優秀。
SSM3K36とは ほぼ同等な感じ。
これならばSSM3S36の出番はないですねぇ。
ということで、TS-130の部品と共に購入してきました。

IC用のパターンを利用して、無理やりRUE002N02を実装しました。
外付け基板にすれば もっと簡単だったのですが、
10MHzの信号線を引き回すのは負荷容量の点から好ましくないもので・・・・

FETの後ろのプルアップ抵抗の値をどうしましょうかねぇ。
とりあえず、まずは4.7KΩで始めてみます。
電源電圧が5Vとすると、FETのドレイン電流が1mAになる計算。


早速電源を繋いでテスト開始。
FETの出力(ドレイン)の波形を見てみると・・・・・・・・
















FET自体は ちゃんとスイッチング動作していますね。
しかし、電圧振幅が1Vくらいしかありません。
これじゃ、TG-5021の出力と大差無いですね。orz

これは単純にプルアップ抵抗が大きいという結論。
そのせいで、FETがOFFした後の立ち上がりに時間がかかってしまい、
十分電圧が上がらないうちにまたFETがONしてしまっているわけですね。

ではプルアップ抵抗を一気に1KΩにしてみましょう。
FETのドレイン電流が5mAになってしまいますが、やむをえません。
で、その結果がこれ。















みごとに立ち上がっていますね。
電圧振幅が約4Vですから、十分な値。

立下りよりも立ち上がりに時間かかってる感じですから、
更にプルアップ抵抗を減らしてもいいかもしれませんが、
今回は これでOKとしましょう。

実は話はここで終わらないのでありまして、
実はこの信号を更にワンゲートロジックに入れて、方形波に整形しているのです。
使っているのは東芝のTC7SET04FU。
その出力がこれ。
















しっかり5V近い振幅になりましたが、デューティー比が50%じゃないですね。

このTC7SET04は、本番ではTC7SH14に変わる予定。
それでもデューティー比は あまり変化無いんじゃないかな。
デューティー比が問題になるようなシステムの場合だと、
20MHzのTCXOを2分周かければ解決しますが、
FET出力が追いつくのかなぁ・・・・・・・・・・
やっぱ、SSM3K62が欲しい感じです。

TS-130 ⑧

今日は幕張に用事が有ったので、途中、秋葉に寄って部品を購入してきました。

目的地は千石と秋月電子でしたが、千石で購入予定の74LS00が売り切れだったので、
急遽マルツにて購入。
マルツに置いてあって良かったぁ。(;;

しかし最近の千石、かなり欠品が見受けられます。
模様替えの影響なんでしょうかねぇ??

千石ではチップ抵抗だけ購入してきたのですが、3種類購入したのに、
帰宅して袋を開けると2種類しか入ってません。
レシートには載ってるので、袋詰めの際のミスかと。
とりあえず、営業時間帯になったら店に電話してみます。


それはさておき、これでTS-130の部品が揃ったので、手をつけてみることに。
前回の記事で不良疑いの2SC1815、ストックが有るので交換してみました。

74LS00も予防交換。
マルツで入手した74LS00も日立製だったのですが、
さすがに現在手に入るやつは大丈夫ですよね????

それと、一部で話題になっているSN16913Pも交換しておきました。
この石も足の腐食によるトラブルが起きるそうな。

外した74LS00とSN16913Pの写真が こちら。















足が なかなかいい色しているのが お解かりになるかと・・・・・・

あと、電解コンデンサーも一通り交換。

残る懸念点は2SC460。
PLLユニットには11個も載っているのですよ。(;;
予防交換したいのは やまやまですが、高周波アナログ回路なので、
安易に違う石に載せ換えるのはリスクが高いわけでして・・・・・

1個や2個なら、カット&トライで やってみるのも有りですが、
さすがに11個ともなるとねぇ・・・・・・・(笑)
そんなわけで、2SC460は目をつぶる事にしました。

ちなみに、足の色を見てみると、普通の銀色をしています。
問題の2SC460って、足が塗装で黒っぽくなってるらしいので、
この2SC460は新しいタイプの方なのかな??
もしそうなら腐食の心配は無用、劣化によるhfeの低下だけが懸念事項です。

ついでに、IF基板にも手をつけてみました。
PLL基板と同様、TS-130の底面側に位置しているので、手を加えるならこの機会。

IF基板は電解コンデンサーの交換が主目的。
やっかいだったのはC62とC63。
低背型の電解コンデンサーが使われています。
低背型の電解コン自体は入手できないこともないのですが、
長寿命品のような高性能タイプとなると難しいです。
そもそもラインナップが存在しないのでね。

かと言って、ここだけ残すのも片手落ちな感じです。
幸いC62とC63はパラレル接続されています。
なので2個を纏めて、1個の電解コンデンサーに置換することにしました。
置き換えたのはルビコンのZLHなので、元の2個時よりも性能的には良いはずです。

IF基板には他に、製造中止品のリレーLZN403と、
要注意トランジスター2SC460が3個載ってます。
LZN403はどうしようもないので このままに。
2SC460も動いているうちは 手をつけないでおきましょう。

ところで、以前の記事でAF-GEN基板のハンダ付けの品質に疑問を呈しましたが、
今まで手をつけた基板全てに同様の傾向が見受けられました。
これが どこかの怪しいメーカー品ならともかく、
あのトリオさんなのですから、これがこの当時のハンダ付け品質の限界なのかも。
まぁ、気づいたら補修していくしかないですね、こればっかりは。

ただその中でも1つだけ、これはアカンというのが有りました。

マイカコンデンサーのハンダ付けなのですが、見た目に何か違和感を感じました。
イモってるわけではなく、ちゃんと富士山型になっているし、
目玉ができてるわけでもないのですが、ハンダパッドの中央に、
コンデンサーの足だと思われる茶色の丸が見えます。
こんな状態のハンダは今まで見たことがありません。

なんか気になったので、とりあえずコテで加熱してみると・・・・・・・
目玉になりました!! 
その後は どんなに頑張っても、ちゃんとハンダが付いてくれません。

さすがに変なので、一旦部品を外してみると・・・・・・・
足の部分に被膜のコーティングが付いたままだ!!

これが件のマイカコンの写真です。
 














問題が起きたのは左側の足。
この写真では 既に被膜を剥がした後なので、銀色に光ってますが、
部品を外したときには、こげ茶色の被膜が薄く被っていたのでした。

マイカコンの製造時、リードを上にして被膜の液に漬ける方法のはずなので、
何らかの拍子にリード部分に被膜の液が付着してしまう事は有り得ます。

もしその場合はハンダ付けの際にその被膜を除去する必要があるわけですが、
そのまんまハンダ付けしてしまっていました。
完全な目玉になってれば、検査で すぐ判ったんでしょうけど、
あの見た目ならば仕方ないかもなぁ・・・・・・・・

あと、手を付けていないのはVFOユニットとFINALユニットのみとなりました。
VFOユニットは故障が起きるまで開けたくないですし、
FINALユニットは分解するのが面倒。(ヲィ

書き忘れていましたが、VFOの目盛とSメーターのバックライトをLEDに置き換えました。
Sメーターの方は完全に切れていましたし、VFOの目盛の方は なぜかすごく暗い。
使っている電球が電圧違いなのかもしれません。

電球交換は 結構楽に行える構造になっています。
青緑色のゴムの電球ホルダーに電球が差し込んであるだけです。
ちなみに電球は こんな感じ。
















リード線ごと引っ張れば すぽっと抜けてくるので、交換は簡単ですね。

最初、3φのLEDに置き換えればいいだけかと思ってたら、
この電球、直径がφ4.5くらいなんですね。
3φのLEDだけだと、電球ホルダー内で遊びまくり。
なので、秋月で売ってる拡散キャップを被せてみたら、割といい感じになりました。

置き換えるLEDも秋月で調達しました。
色選択に少し悩みましたが、元々が電球ですから無難に電球色にしましょう。
ということで選んだのがOSM5YK3131A

そんなに輝度は必要無いだろうと思い、
OSM54K3131Aではなく、こっちにしたのですが、
結論としてはOSM54K3131Aの方が良かったかも・・・・・・

明るさの調整はカット&トライで行う必要があります。
電球への供給電圧は13.8V。
噛ませる抵抗値は最初4.7KΩから初めたのですが、結局1KΩで落ち着きました。
これだと約9mAくらい流れている計算になりますね。
これでも定格で光らせているわけではありませんが、
OSM54K3131Aならば 半分以下の電流値で足りたような気がします。



そんなこんなで、ロータリースイッチの接触不良以外は これで一段落。
これでまた暫くエージング運転を行って、症状が出ないか監視することにしましょう。

2017年1月8日日曜日

スイッチサイエンスさんから基板到着

先月発注していた基板が、やっと届きました。
中国の工場からは去年の内に発送されていたようですが、
通関やらスイッチサイエンスさんの業務やら年末年始で止まっていた為、
届くのが ちょっと遅れてしまった模様。
時期柄、仕方ないですよね。

届いた箱を開けて、いの一番に目に入ったのがこれ。















お正月気分が感じられて、なかなか面白いですねぇ。
これで何か得するわけではないのですが、ネタとして好きです。

さて、今回届いた基板はこれ。
















お気づきかと思いますが、同じ基板を4枚面付けしております。
個々の基板のサイズは19mm×24mm。
これを4枚面付けし、50mm×41mmに収めています。

これをどうやって個々にバラすか・・・・・
商業ベースの基板であれば、個々の基板の分断線にVカットという切り込みを入れ、
そこから割ればOKなのですが、趣味の基板はコスト優先の為、Vカットは使いません。

そこで登場するのが、これ。
ミニサーキュラソウテーブルEX

見かけは小型の丸のこ盤。
実際、そういう使い方も主目的なのですが、
複数存在する替え刃の1つに、ダイヤモンドプレートというのが有ります。
切るというより削るという方が正解な刃なのですが、
これを使うと基板がキレイに切断できるのですね。

余談ですが、ホーザンでもPCBカッターという製品を販売しています。
見てわかるように、色以外は上記のミニサーキュラソウテーブルEXにそっくり。
実はホーザンで売ってるのはOEM品なのでした。
しかしホーザンの方は基板の切断を目的に売ってることから、
ダイヤモンドプレートが標準装備されております。

プロクソンの製品だとダイヤモンドプレートは別途購入する必要があるので、
総額は似た感じになってしまいますね。

話は戻りまして、スイッチサイエンスから届いた基板、
よくよく見ると、1枚だけ外形が おかしな物が入っています。
















左手前が欠けてしまってますね。
基板の切り出し工程のミスの様ですが、気づかずに出荷されてしまった模様。
銅のパターンまで達してしまっているので、左手前の1枚は使えませんが、
そもそも今回の基板は試作品で、大量の余りが出る予定なので実害無し。
でも、スイッチサイエンスさんに、不良品出荷の事実だけは伝えておいたほうがいいので、
一応メールしておきました。

さて、ミニサーキャラソウテーブルEXで切り分けた基板がこれです。
















これ、何なのかと言いますと、セイコーエプソンのTG-5021というTCXOが載る代物。
リンクでお解かりのように、秋月電子で購入可能なので、安価で高精度なクロック源です。

ところが、電源電圧も ちょっと低いし、出力波形も謎。
そんなわけでお手軽に利用できるモジュールにしたいと思って基板化してみることにしました。

IC1には、秋月で販売しているVISHAYのSI91841DT-285を載せ、2.85Vを作成してます。

とりあえず試作1号機を組み立てて、TG-5021の出力を見てみると・・・・・・
















キレイな方形波になっていませんね。
何より やっかいなのは、出力電圧レベル。
データーシートには最小0.8Vとだけ記載が有りますが、
ほんとに1Vくらいしか出てこないとは・・・・・・・

この電圧レベルのままだと汎用性が無いので、
少なくとも3Vくらいまでは持ち上げてやる必要があります。
さて、どうしてやりましょうか・・・・・・・

2017年1月7日土曜日

TS-130⑦

来た来た、来ましたよーーー!!
持ち主から申告のあった不具合が再現されましたぁぁぁ。(喜んでいいのか?)

AF-GENユニットとCOUNTERユニットを仕上げ、暫くエージングかけていたら、
突然周波数表示が不規則に明滅しだしました。

あのまま作業終了しなくて良かったです。

持ち主曰く、PLLのアンロックだろうと言ってますが、
何か調べたわけでもない話なので、一通り原因を調べる必要があります。

とは言えこの症状、それほど再現率が高くなく追いかけるのが大変。
見たい信号にオシロを繋いで、症状が出るのをひたすら待つ。 orz

とりあえず判ったことは、この症状は送信/受信に関係無く発症します。
送信中に症状が出た際は送信出力も止まります。

上記から察すると、AF-GENユニット、COUNTERユニット、PLLユニットの
3箇所に絞られる模様。

PLLユニットを目視で点検してみると、74LS00の足が怪しい色をしています。
COUNTERユニットに載ってた74LS90と同様、日立製です。
ということは、この時期の日立のLSロジックはヤバイのかも??

COUNTERユニットの74LS90は かなりの加熱を受けたのは間違いないですが、
PLLユニットの74LS00は加熱されませんし、
すぐ傍の74LS163やMC4044の足はキレイ。
そうなると、日立の製造上の問題と考えて間違い無さそう。
ということで、この74LS00は交換決定ですね。
それ以外は特に問題無いようなので、順繰り信号を見ていくことに。

PLLユニットとCOUNTERユニットは信号が行ったり来たりしており、
まずは回路図を眺めて仕組みを理解するところから。

そこで、「BL」という信号線に注目。
これはPLLユニットからCOUNTERユニットへ行ってる信号なのですが、
これがGNDレベルに落ちると周波数カウンターの動作が停止し、表示が消灯します。
それだけでなく、PLLユニット内で高周波信号出力にミュートがかけられ、
送受信とも停止する仕組み。

早速ここにオシロスコープを繋いで、症状を待ちます。
すると、ビンゴ!!

症状が出た時、BL信号線が約2Vくらいに落ちてしまいます。

このBL信号をドライブしているのはQ21というトランジスター。
ありきたりな2SC1815(Y)です。
そのQ21を制御しているのは、足の色がやばい(笑)74LS00。
今度は74LS00の出力を監視してみると・・・・・・・

おや? 症状が出ても、74LS00の出力は変化無し。(LOWのまま)
つまり、74LS00がドライブされてQ21がONしたわけではないということ。
さて、だんだんと絞り込めてきた感じです。

この先はPLLユニットの基板を本体から外さないと、信号が追えません。
部品が密集している為、表からプローブが繋げないのです。(;;

ということで、ここで一旦小休止です。

2017年1月6日金曜日

そそられる電源発見

うちにある電源は5Aくらいしか出力できないもんで、
TS-130Sの送信時、5Wも出せません。

そもそも手持ちのダミーロードが10W用だから妥当かと思っていたら、
うちにあるダミーロード、間欠入力ならば100Wも耐えられることに今頃気づきました。(笑)

それならば もっと大電流出せる電源有ってもいいなぁとWEBを覗いてみたら・・・・・・

こんなの見つけちゃいました。
 https://www.amazon.co.jp/%E7%9B%B4%E6%B5%81%E5%AE%89%E5%AE%9A%E5%8C%96%E9%9B%BB%E6%BA%90-DC12V-30A-360W-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0%E9%9B%BB%E6%BA%90-%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%99%A8-%E5%A4%89%E5%9C%A7%E5%99%A8-%E5%A4%A7%E5%AE%B9%E9%87%8F%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC-%E6%94%BE%E7%86%B1%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E4%BB%98-%E4%B8%A6%E8%A1%8C%E8%BC%B8%E5%85%A5%E5%93%81/dp/0101708890/ref=zg_bs_387489011_5?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8WT4B1NKX64V553F46EK

容量の割に値段が とんでもなく安い、あからさまに怪しい一品。(笑)

この30A品の他、10A品や20A品も存在する模様。
どれも質は似たり寄ったりの様ですが。

レビューを見た感じだと、たぶんこの商品、
メーカーの製造ラインで、不良としてハネられた代物を、
適当に修復して販売しているという物のように見受けられます。

昔の日本でも、こういう代物はジャンク品として秋葉とかで流通していたもんです。
まともに動く完成品として期待し購入するのは止めたほうがいいと思いますが、
自分で手を入れれば動くかもしれないジャンク品として購入するなら、
面白そうな香りがプンプンする一品。

うーーん、悩みますねぇ、これは。(笑)

2017年1月5日木曜日

TS-130⑥

いよいよRSコンポーネンツからの部品も到着。
それに合わせ、秋葉で部品も購入して参りました。
ということで、作業再開です。

まず、一番最初に手を付けたAF-GENユニット、
1つだけ未交換だったC4(50V0.47μF)を交換。
秋月で購入した100V0.47μのMPコンへ換えました。
電解コンデンサーの場合、加電圧に対して耐圧の高すぎる物を使うと、
容量抜けを起こしてしまう懸念があるので、むやみに耐圧を上げたくないわけですが、
フィルムコンデンサーならば その心配は無用。
更に電解コンデンサーの様な寿命劣化も無し。

しかし電解コンとフィルムコンはサイズが違いすぎて、置き換えが難しかったのですが、
この秋月で売ってる代物は積層構造のおかげでコンパクトですね。
なんとか今回の電解コンと置き換えできました。

あと、以前の記事で要検討としていたμPC14305M。
ついでなので交換しちゃうことにしました。
交換するのは東芝のTA7805S。

TA7805Sはフルモールドタイプなので、放熱板とは絶縁されてしまいますが、
このシャーシはビス穴の所で基板と繋がっているので問題無し。
むしろ、ノイズ対策の観点では好ましいかも?

μPC14305Mを取り外すと、シャーシとの間に放熱グリスの形跡があります。
以前、AF-GENユニットに手を加えた方、グリスを塗らずに再組立したらしい。

ところでこのμPC14305Mですが、WEB上に載ってるトラブルとして、
基板のスルーホールが破損しちゃうケースが有りました。
μPC14305M自体はシャーシにガッチリ留められている為、
基板が たわんだりすると、スルーホールに無理がかかってしまうらしい。
μPC14305Mの近辺に、シャーシと基板を留める箇所が無いので、
確かに これは心配ですね。

どうしようか考えた結果、こうしてみました。

















シャーシと7805の間に放熱シートを噛ませ、ビスで固定。
ビスも通常よりは軽く締め、ネジロックで固定。
どれだけ効果あるかは未知数ですが、これでシャーシと7805が動く余裕があるかも?
放熱についてはシートの能力でちゃんと熱伝導されております。
ビスを軽く締めたと言っても、ちゃんと密着するレベルですので。

7805の周りをざっと眺めてみると、すぐ近辺にあるはずの発振防止コンデンサーが無い??
よーく見てみると、パターンで伸びた先に、それらしいのが存在してます。
部品番号C12とC14ですね。

出力側のC14は ともかく、入力側のC12は ちょっと容量不足かなぁ。
それ以前に見た目で3~5cmくらいパターンを伸ばした先に繋いでも、
ちゃんと働いてくれるか 甚だ疑問です。

ということで、別にコンデンサーを追加することにしました。
例の如くOSコンでございます。
で、こんな感じに。

















7805の足の部分に、OSコンを直付けしております。
入力側が30V品で出力側は16V品です。

参考までにC12とC14の位置も記入しておきました。
このC14の位置はダメじゃないかと思います。 orz

ともあれ、AF-GENユニットについては これで全て完了かと。

 

お次はCOUNTERユニット。

まずは74LS90から。
この基板、両面スルーホールとは言え、この時期の基板は要注意。
慎重にハンダを除去したものの、1ヵ所だけパッドで取れてしまいました。
しかし表面のバッドとスルーホール自体は健在なので、実用上は支障無し。

それにしても、お世辞にもキレイな基板だとは言いがたいです。
イモハンダ疑いは数箇所ありましたので、再ハンダ付けで補修。

スルーホール基板にもかかわらず、ほとんどは表面までハンダが届いていません。
更に、表面に塗ってるものの影響でしょうか?
スルーホールにハンダ付けすると、何かがハンダの中から蒸発してきます。
途中で加熱を止めると、スルーホール内のハンダが発泡状態になってしまいますから、
全て出し切りたいところですが、いつまでも加熱したままだと、部品が壊れちゃいます。
その加減が難しいですね。

更にビックリしたのがこれ。

















以前書いた、超発熱する5V生成部。
ツェナーダイオードの上方に、糸くずみたいなものが見えますよね。
これなんと、金属くずでした。 orz

どこから出たものかは不明ですが、よく今まで無事だったものです。
今回見つかった良かったですが、なんとも不安な基板。

74LS90は無事交換後、上記の5V生成部に手を加えることにしました。
抵抗ドロップによる発熱が気になったので、
結局、78L05に置き換えてしまいました。
















この78L05、秋月で10個\100で処分売りされていた物。
東芝の78L05のストックが有るものの、
78L05は使用頻度が高いので、安売り品を見つけたら購入しちゃいます。(笑)

74LS90のパスコン(0.047μのセラコン)が見当たりませんが、
この78L05の回路の下側に、チップコンで実装してます。

こういう置き換え改造の際、5Vの電流容量が78L05で足りるか?
という点が問題になるわけですが、
以前の記事で書いたとおり、元の回路で抵抗に流れる電流値は約60mA。
ということは それ以上に消費されることは無いという話。

78L05に置き換えることで、常時60mAも流れることが無くなるので、
この箇所の消費電力は減少し、発熱も激減です。

余談ですが、上の写真でOSコンは基板から浮いてる状態なので、
写真を撮った後にシリコンコーキング剤で固定してます。

あとは電解コンデンサーを全て交換し、COUNTERユニットも完了です。
ところで以前の記事にて、T1周りのDC/DCコンバーターが
275Hzで発振してると書きましたが、おもいっきり間違っておりました。orz

実際の発振周波数は約13KHzでした。
C50の波形として載せた写真も、実はC51の写真だっというオチ。
なんとも恥ずかしい話。

ではC51の写真に出てた275Hzの波形は何だったんだろうと考えると、
たぶん表示器の動作に伴う電源の電圧変動じゃないかと。

C50の波形も撮りたかったのですが、
オシロスコープのトリガーが掛かりませんでした。
リップル成分よりも、その他のノイズの影響が でかいみたいです。
ということで それは断念。

余談ですが、COUNTERユニットに付いてる表示器、
TS-130では6桁しか表示されていませんが、実は9桁の表示器でした。
左端2桁と右端1桁を使っていない状態。

何か特別な機会に6桁以上使うのかな?とも思いましたが、
ドライブしているIC(TC5070P)が6桁までしか表示できないので、
完全に3桁分は死んでおります。
他の機種と部品を揃えているんでしょうね、きっと。

2017年1月4日水曜日

G2E用の変換基板って需要あるかな?

廃止になってしまったオムロンのG2Eリレー、
代替推奨品のG5V-1と取り付けサイズが異なるのは以前書きましたが、
試しに変換基板を引いてみると、物になりそうな雰囲気。

ネックになるとすれば、トータルの高さで、元のG2Eよりも5mmくらい高くなってしまうこと。
まぁこの程度ならば、問題になるケースは少ないとは思いますが・・・・・・

需要が有るようなら作ってもいいかなと思っているとこですが、
はたして需要はあるのかな?

0.1μの積セラは万能選手?

あっという間に4日になりました。
ああ、正月休みも もう終わりか、と思われてる方々も多いかと。

私にとっての正月明けは部品屋さんの営業開始。(笑)
やっと今日からRSコンポーネンツが営業始めました。
ということで、早速電解コンデンサーを注文。
標準品ならともかく、ルビコンのZLHとかになると、秋葉での調達は難しいし、
単価も高くついちゃうんですね。
ただ、一部の品は秋月電子で扱っているので、お勧めです。

TS-130で要検討だったμPC18305について、WEBで調べていると、
たまたま3端子レギュレーターでトラブった、あるOMさんの記事を発見。

メンテの為、78シリーズの3端子レギュレーターを他メーカー品に換えたところ、
発振を起こしたという記事。
68μFの電解コンデンサーを追加したら治ったというオチで終わっていました。

この装置、元々その方が作った代物でして、
3端子レギュレーターの両端に、0.1μFのセラコンが付けられています。
そのOMさん曰く、「ちゃんと0.1μのコンデンサー入れてあるのになぁ」と
おっしゃているのですが、こういう誤解されてる方、多いのでしょうか?

3端子レギュレーターの両端には、発振防止の為にコンデンサーが必要なのは、
皆さんご存知かと思います。
しかし78シリーズの場合、0.1μFでOKとは書かれていないのです。
この辺は、ちゃんとデーターシートを確認しているかどうかの違いでしょうか?

そのOMさんのケースも、発振するかしないかのギリギリの環境で動いていて、
メーカーを変えたことで、発振する側に振れてしまったという話。

ちなみに私の場合、78シリーズの両端には1μFのOSコンを付ける事が多いです。
この場合のネックは、OSコンの耐圧。
電解コンデンサーの仲間として考えると、OSコンは耐圧が低めなんですね。
だいたい20Vくらいが上限。
78シリーズの出力側なら、あまり問題にならないと思いますが、
入力側は ちょっと引っかかるケースが出てくるかと。
そういう場合はMPコン(メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー)がお勧め。

積層セラミックコンデンサーも もちろん使用可能ですが、
78シリーズはMHz領域で動作するICではないので、セラコンの高周波性能は生きません。
セラコンの場合、荷電圧と温度により容量変化を起こしますから、
それも考慮する必要があります。

まぁともかく、3端子レギュレーターと言えども、データーシートは きちんと目を通しましょう。d

TS-130の修理⑤

前回、リレーの話が中途半端で終わった感じでした。

あの後、G6A-474Pのデーターを見ていたら、
HF帯くらいなら それなりに使えるっぽいことに気づきました。

高周波リレーならばUHF~SHFくらいでも使えるわけですが、
現在オムロンで出してる高周波リレーはG6K-2F-RFのみ。
このリレー、もちろん周波数特性は良好なわけですが、
100Wもの電力を通せるような代物ではないのでした。

なので、オムロンの言うとおり、G6A-474Pで代用するしかないようですが、
データーを見るとG6A-474Pでも100Wの電力を通すのは ちょっと不安があります。
この辺は後日改めて考えることにしましょう。
現時点ではまだLZN403が生きてるので、すぐに交換する必要も無いので。

さて、AF-GENユニットの電解コンデンサーを交換したので、
とりあえず動作確認を行ってみることに。

SWR-200とダミーロードを繋ぎ、TS-130の電源をON。
受信は問題無さそうですが、送信すると出力が出ない?!

なんかやっちゃったかなぁと不安になりつつ、調査開始。
と、その最中、振動で出力が出たり出なかったりするのに気づきました。
なんとバンド切替のロータリースイッチに接触不良発生です。
前回までは14MHzでテストしていたのですが、
今回は21MHzでテストしていたので、症状が露見したのでした。

確かにロータリースイッチの接触不良は この手のリグでは懸念事項の1つ。
避けられない不具合なので、後日せこせこと清掃することにします。

ともあれ、ちゃんと送信出力も出ましたので、AF-GENユニットは問題無い模様。
さて、次の獲物はと・・・・・・(なんか目的が変わってきてる?)

とりあえず、メーターの照明電球が切れてしまっていますね。
これは後で、VFOの目盛照明共々、LEDに交換することにしましょう。
色も含め、あとで検討します。

回路図も眺めていると、COUNTERユニットの一角に気になる回路が。
トランス T1の周辺です。
これはDC/DCコンバーターでは?

最近よく見かける回路と比べると、かなり簡素な回路ですが、
これでも立派なDC/DCコンバーターでした。
ここでマイナス電源を生成しております。
測ってみると、DC/DCコンバーターの出力は-24V。
それを表示器の駆動回路へ使用しつつ、ツェナーダイオードで-6Vも作成してます。

ちなみにC50の波形をオシロで見てのが これ。
















最近のDC/DCコンバーターからは考えられないような周波数で発振してますねー。
約275Hzとは。

とは言え、C50とC51にはリップル電流が流れ続けるわけですから、
ここは交換しておくべきですね。
ざっと見た感じ、一般の電解コンデンサーを使ってるようなので、
時間の問題で寿命が尽きます。

上記を調べる為、COUNTERユニットの基板を一旦外したときに気づいたのですが、
基板の下のシャーシに、なにやら焦げたような跡が。















なんだろうと思ったら、原因は こいつでした。













裏側にコンデンサーと抵抗が付けられてます。
















これ、改造とではなく、ちゃんと回路図に載ってる部品なのでした。
ちょっとビックリ。

回路図と照らし合わせながら確認すると、ツェナーダイオードD39、
ソリッド抵抗R68、コンデンサーC62でした。

C62は74LS90に対するパスコンなのでスルーするとして、
R68とD39を使って、+13.8Vから+5Vを生成しているのでした。

しかしここ、それなりに発熱しますね。
R68の両端の電圧差は約9V。
抵抗値が150Ωですから、電流値は約60mA。
60mA×9Vで、約540mWを常時消費します。
部品表を見ると、このソリッド抵抗、1/2W品なんですけど・・・・・・

一般的には、抵抗の電力容量って2倍以上の余裕を見るもんなのですが、
そもそもオーバーしちゃってるとは!!
しかもここ、風通しが悪いので熱が篭ってしまいます。
なので、シャーシに跡が残るくらい、加熱しちゃったんでしょうねぇ。

簡易的な対策としては、放熱グリスを山盛りにして、
抵抗とシャーシをグリスで繋いでしまう手があります。
見た感じ、隙間は1mmくらいのようなので、この手は使えそうです。
ただ、それ以前にソリッド抵抗自体が大丈夫かという懸念はありますが・・・・・

実は、問題は これだけで済みませんでした。
シャーシに跡が残るくらいですから、そもそも基板も 相当加熱されていたはず。
と、表側を見てみると・・・・・・・・

















この抵抗の上側に居る74LS90が焼けてます。(;;
銀メッキの劣化と見間違えそうですが、この時期のLSロジックの足に
銀メッキが掛けられていたという話は耳にしたことがないので、
これは単純にオーバーヒートで石が焼けていると見て間違いないかと。
さすがに この74LS90は交換するべきですね。
そこで問題は入手性。
RSコンポーネンツで、一応在庫はあるものの、1個約270円の5個セット売り。
ここ1ヵ所交換の為に約1400円は ちょっとためらいますね。
秋葉で探してみるべきか??