2022年5月22日日曜日

フィールドテストにトライ

 ちと進歩が遅れ気味の仮設水位発信機ですが、
フィールドテストの準備をちまちま進めておりました。

そして先日、ついにフィールドテストへ出かけることに。

場所は静岡県内の某所。
そこそこ大きめの川で、すぐ近くに宿泊施設が有る場所となると、
なかなか選定が難しいんですよね。

これがフィールドテスト機。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

センサー部を支えてるブームは もっと伸ばせる設計になっているのですが、
現地の状況では これで十分でした。

これを仮置きし、データー採取開始。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下防止のため、ヒモを付けていますが、
重心が本体側に有るので全く安定しています。
もしセンサーのブームを伸ばした場合は重心が前に出てしまうので、
何らかの対策が必要になります。

センサーから値は取れているものの、水面ではなく川底の値の模様。
時間が経過しても値が変わりません。
というのも、このテストを行っている間、水位は数十cm変化しているのです。
水面が測れているならば、確実に測定値に現れるはず。

川を覗いてみると・・・・・・・












 

写真の色具合のせいで、泥っぽい色にも見えてしまいますが、
実際には 水が非常に澄んでいます。
川底がキレイに見える状態なのです。
泳いでいる魚もクッキリ解ります。
さすがにこの状態だと厳しい模様。

もっと水位が有れば少しは状況が変わるのかもしれませんが、
前日に雨が降ったにも関わらず、たぶん50cmくらいしか水位ありません。

これはまた後日リトライですね。

2022年5月16日月曜日

図面のトラブル

 先日請けた組配案件にて、支給された板金ケースでトラブルが有りました。
その内容というのが単なるポカではなく、改めて周知した方が良さそうだったもので、
あえて記載することにした次第。

もちろんオリジナルの図面は載せられないので、
以下の図面は要点だけ解るように、仮で私が書いたものです。

まず、1つ目の図面をご覧ください。










板材に各穴1つと丸穴2つが開いてる代物。
こんな図面自体はポピュラーなもので、特に珍しくはないですよね。

さてでは2つ目の図面をご覧ください。


 









何が違うか、お気づきでしょうか?
実は丸穴2つが、1mmだけ左にズレています。

とは言え、丸穴の横位置が寸法値で指定されているわけではないので、
これでも1つ目の図面と同解釈しなければなりません。

と・こ・ろ・が、今回のトラブルというのは、
板金屋が2つ目の図面を元に、穴を横にズラして加工してきたのです。
でも上の図面だけならば、具体的にズレ値が解らないわけで、
加工できないはずですよね。

実はPDFの図面の他に、DWGの図面も一緒に渡していたのです。
DWGであれば具体的な値を拾うことが出来るので、
どれだけズレているかを正確に把握することが出来ます。

さぁこの場合、どちら側に問題有ると思いますか??

結論から申し上げると、7割方、板金屋さんの方がアウトなのです。

7割方と申し上げるのは、もちろん例外も有るからでして、
これから述べるのは、割と業界で一般的な解釈に基づく話です。

この問題の根っこを掘り下げると、図面とデーター、
どっちを優先するべき?という話になります。
データーを優先するべきならば、DWGファイル通りに作った板金屋が正しいことになります。

ところがですね、DWGは寸法が取れると言っても、基本的には図面を表すもの
なので、記載内容を無視して別途採寸する使い方は誤りなのです。

では、DWGファイルではなく3次元CADのデーターだった場合は??

3次元CADデーター上で、上のように丸穴がズレていた場合、
その通りにズラすのが正解でしょう。
つまり図面が間違い(正確には寸法記載不足)と解釈することになります。

なのでその場合には板金屋ではなく、図面を出した客側がアウトという判断になります。

DWGファイルと3次元CADデーターの扱いの違い、ご理解頂けたでしょうか?

上のようなトラブルが起こりえるので、2次元図面は注意が必要なのです。

脳内3D科が無事終了

 勉強会イベント「脳内3D科」が無事終了しました。

初開催だったので、色々不安要素もありましたが、
皆さんのお力で第1回目は幕を閉じました。

このイベントのメインは「小川先生のお話」なわけですが、
今回の内容はほんとに冒頭の部分という感じ。
今後の展開が楽しみなところです。

この小川先生のお話ですが、この後ビデオ編集を行い、
Youtubeで公開する予定。
そちらの作業も ぼちぼち進めねば、ですね。

今後、3Dプリンター界隈との絡みも有りそうな状況です。
多方面で役に立てるイベントに育つといいなぁ。

2022年5月5日木曜日

3Dプリンターの電気代を測定

 Sermoon D1の導入以来、ガシガシと出力を続けてきたわけですが、
ふと考えると結構な電気代が発生いるような気がします。
なにせ300Wクラスの電源を搭載し、高温を扱い装置の割に、
特に断熱遮蔽を考慮されているわけではありませんので、
結構な電気を長時間消費すると思われるわけです。

趣味の範疇であれば大して気にすることもないかもしれませんが、
3Dプリンター出力品を業務の一部として出荷するような際には、
当然ながら原価の一部として考慮する必要があるかもしれません。

ということでこの機会に実測してみることにしました。

当方ではAC電源のモニターを行う物として、
「V/Aプローブ」というユニットをリリースしております。
確かにこれで電圧と電流値をモニターできるわけですが、
今回問題である消費電力量については別途計算処理が必要になります。
なのでお手軽さに欠けてしまいます。

そこで今回は市販の測定/表示器を使うことにしました。

該当機種はそれなりに沢山存在すると思いますが、
今回は入手性の点から以下の2機種を選定。

・サンワサプライ TAP-TST8N
・ELPA  EC-03EB

どちらも民生用製品ですので、産業用測定器ほど高価で高精度ではありませんが、
今回は目安を知りたいだけなので これで十分です。

いつものようにヨドバシへ発注すると すぐに届きました。
さすがですねぇ。
ちなみにどちらも価格は大差無く、3千円しませんでした。
非常にリーズナブルだと思います。

パッケージは以下のような感じ。


















左側がサンワサプライのTAP-TST8Nで、
右側がELPAのEC-03EBです。

どちらもコンセントに直挿しする様、本体とプラグが一体構造です。
被測定を繋ぐ出力コンセントが製品底面に有るのも同一構造。
パッケージのサイズは ほぼ同じですが、
製品本体のサイズはTAP-TST8Nの方がコンバクトです。

外観で違う点としてはEC-03EBの方には電源スイッチが存在します。
これは元のコンセントから供給電源ラインに入っているようで、
電源スイッチをOFFにすると、この電力計のみならず、
繋がっている機器の電源も切れます。
これはちと便利かと思いきや、容量に余裕が無いスイッチを使っているようで、
日常的にこのスイッチで接続機器の電源ON/OFFを行うなと、
説明書に記載されています。
実際のところ、このスイッチの出番は少ないかもしれません。
そうなると、TAP-TST8Nに電源スイッチが無い点はマイナス点ではなくなりそうです。

表示部を見てみると、TAP-TST8Nは2行表示、
EC-03EBは1行表示という違いがあります。
いらない表示がゴチャゴチャ出ているのは感心しませんが、
これに関してはTAP-TST8Nの勝ちかと。
実際、この2行表示は便利です。

どちらの製品も、電源はACコンセントから取っています。
電池等は使われていません。
その為、コンセントから抜いて電源が切れると、
それまでの測定結果は全て消えてしまいます。
この点も簡易測定器という観点から仕方無いところですね。

マニュアルを見ていて気付いたのですが、
EC-03EBには電気料金の設定機能が有りません。
1KWh当り幾ら、という設定値の話です。

どちらの製品も、使った電力量から電気代を計算して表示する、
という目的の製品なわけですが、すると当然、電気料金が重要な項目になります。

この電気料金ですが、実は結構面倒な話がありまして、
簡単に言えば、たくさん電気を使うと電気料金が上がる仕組みになっています。
普通、たくさん商品を買うと単価は安くなることが多いですが、
電気については逆になっているという話です。

今回の製品2つとも、電気料金はデフォルト値が設定されていますが、
どちらも1KWh約22円になっています。
ところがうちは結構電気を使っているので、一番高いランクに達しています。
すると1KWh約33円くらいなんですね。
さすがにこれだけ異なると概算とはいえ誤差レベルでは済みません。
なので電気料金の設定変更が出来ないEC-03EBは
うちでは実用するのは難しいと言わざるを得ません。(;;

とは言えせっかく購入したのですから、実際に2つとも動かしてみることにします。










上記のように、2機種を直列に接続し、Sermoon D1に繋ぎます。
どちらの機種も液晶にバックライトが無い為、
フラッシュを炊いて写真撮ると、表示がよく見えません。(;;

この状態で約20時間ほどかかるABS品の出力を開始します。
TAP-TST8Nの方は電気料金を1KWh33円に設定済みです。
なおこの設定ですが、電源を切るとリセットされてしまうそうなので、
毎度設定する必要があるのは残念なところ。

そして出力終了時点での表示が以下。









 

上側がTAP-TST8Nで、下側がEC-03EBです。
TAP-TST8Nは上段に電気代、下段に電力量が表示されています。
3.86KWh消費し電気代が129円という結果。

EC-03EBは1行表示なので電力量のみ表示していますが、3.89KWhという結果。
TAP-TST8Nと若干値が異なっていますが、誤差範囲でしょう。
そもそもどちらも誤差を含んでいるわけなので、
どっちが正解に近いかは判断が付きません(笑)
ちなみにカタログスペック上はTAP-TST8Nの方が誤差少ないことになっています。
EC-03EBを実用する場合は、この測定値に電気料金を掛けて、
自分で電気代を算出する使い方になると思われます。
3.89KWh×33.5円で、約130円という結果ですね。

ちなみにEC-03EBの表示を切換、料金表示にしてみたのが以下。










約86円ですから、上の計算結果と5割くらい異なっていますね。

そんなわけで、EC-03EBはお蔵入りし、TAP-TST8Nを常用することにします。 


追記

書き忘れてました。
どちらの機種も消費電力を表示する機能があります。
3Dプリント中に消費電力も見ていましたが、
一番電気を食っていたのはヒートベッドがONした直後でした。

投入直後は一気に400W近くまで!!
この3Dプリンターは400Wも出せるスイッチング電源を積んでるんですね。
その後だんだんと下がっていき350Wを切るくらいまでになりました。
ヒートベッドの昇温中は この状態を維持。
温度が上がりきると、制御がかかって半分くらいに下がりました。

その後、3Dプリント出力がスタートするわけですが、
出力中は160~170Wくらいを維持してました。

2022年5月1日日曜日

フィラメントが絡むトラブル

 先月末に格闘していたトラブルの話です。

いつものようにABSでパーツを出力していたところ、
気が付いたらノズルから溶けたフィラメントが出てこないまま、
プリンターが稼動する状態になってました。

よく見ると、フィラメントがリール内で絡まり、引っ張っても出てこない状況。
エクストルーダー部ではフィラメントをガシガシ削ってる状況でした。

今まで起きたことがない状況だったので、たまたま起きてトラブル?
程度の認識で再出力を開始したものの、ほどなくまた同じトラブル発生。
手でほぐしながらプリンター出力を行えばいいのですが、
それだと常時プリンターに張りついていなければなりません。
12時間ずっととか無理無理(笑)

そんなわけで改めて本腰入れて対策を考えることに。

このトラブルの発生原因の1番はフィラメントの巻きグセでした。

新品フィラメントを開封して使い始めた頃だと、
リールの外周部を使っているわけですが、
その辺りのフィラメントは巻きグセが付いてると言っても、
自然状態でリールより膨らむ感じになるので、
絡みが発生することはありませんでした。

ところがフィラメントを消費していき、リールの中心部近くになっていくと、
巻きグセが非常に強くなっていきまして、
リールから膨らむ方向ではなく、リールよりも小さく丸まる方向に力がかかるんです。
これが最大の問題点

そして、 プリンターに装着されているリール台は、回らない単なる棒。
この棒の上をリールが滑るように回るわけですが、
特に滑りが良いように工夫されているわけでもないので、
エクストルーダーの動作でフィラメントが引っ張られると、
リールには相応のテンションが発生することになります。
それによりリール上で巻き締まりという現象が起きるんですね。
これが2つ目の問題点

上記2つの問題が相まって、たまたまリール上でフィラメントが引っかかったりすると、
そのまま ぎゅうぅぅっと締まっていき、絡み状態の完成と相成るわけです。

試しにリール台の棒に滑りを良くするテープを巻いてみましたが、解決には至らず。

他にも色々検討してみたものの、根本的な解決策は見つかりませんでした。

結局、リールからフィラメントをガッツリ引き出して
床の上に展開することで、なんとか長時間の出力に対処できるようになりました。
しかしこれ、床の上のコイル状になったフィラメントが走ってる状況なので、
油断すると足を引っ掛けてしまう危険な状態。
できれば避けたいところです。
なので現在も対策を模索中です。

お金に物を言わせるのなら、
半分くらいまで減った時点で新品リールを開封して入れ替える、
なんて手もありますけど、現実的ではありませんね(笑)