2019年5月29日水曜日

ユニチカのフィラメント

うちの3DプリンターではPolymaker社のフィラメントが具合良い旨は以前書きました。

冶具作成用に特売で購入したフィラメントが切れたので、
デッドストック状態だった三菱バーベイタムのフィラメントを出してみたものの、
やはり使い物になりませんでした。(;;

Polymakerのフィラメントを冶具作成用に追加購入を考えてた最中、
三菱バーベイタムと同時に購入したユニチカのフィラメントも残ってることに気付きました。

このユニチカのフィラメントは半透明タイプで、見た目が綺麗。
Polymakerのフィラメントに比べると、出来上がり具合は やや落ちるものの、
バーベイタムのフィラメントと比べたら 完全に実用域に達する代物。

ただ、グラム単価が高いので 今までずっと温存してきたわけです。

とは言え、このままいつまでも温存してて品質的に大丈夫なのか?という疑問が湧きまして、
この際、少しずつ消費していくのも有りかなぁと思い出した次第。

半透明で綺麗と書きましたが、良くも悪くもPLAなので硬いんですね。
なのでPolymakerと比べると脆さが出てくるんです。
バーベイタムより遥かにマシと言っても、Polymakerよりは積層面の状態が落ちるので、
積層面に沿って割れる可能性が出てしまいます。
使いどころを選ぶフィラメントという感じですね。

なんてことも含めたら、やはり冶具用フィラメントをPolymakerから買っておくべきなのだろうか・・・

2019年5月25日土曜日

また基板を発注しました

「かんたんスマートモニター」のデジタル出力基板の新型を発注しました。
デジタル出力基板というのは、単にON/OFF信号を出力する為のオプション基板です。

プロトタイプは ずっと前に出来ていたのですが、無電圧接点を出力するという代物、
今回、ジャンパー設定により有電圧出力も可能にしました。

「かんたんスマートモニター」の大口のお客様は、
AC220Vの動力盤に使用するケースが多いんですね。
大規模な盤だと、制御用に24Vくらいの低電圧を用意し、
それでシーケンス回路を動かすことが多いんですが、
先のお客様の盤はそこまで大規模ではない為、AC220Vで制御してます。

なのでAC220Vを操作する必要があるわけですが、
まさか「かんたんスマートモニター」内に直接AC220Vを入れるわけにはいきません。
なので、オムロン等のSSRを噛ませているわけでして、
そうすると、「かんたんスマートモニター」から有電圧で信号が出ると、
配線が減るのでございます。

配線量ダウンというのは、納期・コストはもちろんのこと、
配線間違えの減少にも繋がるので、いいことづくめ。

他にもコストダウンできることはないか、常に模索しておりまする。

2019年5月23日木曜日

ついにEXT-LEDボックスをリリース


















やっと公開することが出来ました。

既にリリース済みの「Sakura.IOレベルチェッカー」用のオプションユニットです。
レベルチェッカー本体に付いてる表示LEDを外に引き出すことができる代物。

なので、これ単体では何もできません。(笑)

使用時はこのように、 「Sakura.IOレベルチェッカー」に繋ぎます。
















ぱっと見、何の意味があるんだか解らないかもしれませんが、
密閉されたボックス内の電波状況を見たい場合に、絶大な威力を発揮するんですね。

プロトタイプを試用されたお客さんが絶賛頂きまして、製品化が決定したという流れ。
実は設計までは完了してたものの、製品化は見送り予定だったんです、これ。

「Sakura.IOレベルチェッカー」本体は防水ではありませんが、
この「EXT-LEDボックス」は防水仕様になっているので、雨中でも使用可能。
その為、機能に比べてお値段が張ってしまっているのが難点。(;;

余談ですがこのプラスチックケース、発注してから納品まで5ヶ月くらいかかっちゃいました。
なので本来ならばもっと早く発表できた代物なんですけどねぇ・・・・・・・・
表面シートの発注でも一悶着有ったし、このメーカーさんは要注意です。

2019年5月18日土曜日

抵抗値の選定

前回は抵抗を合成する話を書きましたが、
その際に結構参考にさせて頂いてるサイトがここ

欲しい抵抗値を入力すると、それを合成するのに必要な抵抗を計算してくれます。
これは便利!!

E24系列くらいならば使用頻度も高いので値を覚えているものの、
E48系列やE96系列となると、値を覚えていらません。(;;
なので、その中から選定して組み合わせてくれる上記サイトが助かるんです。

ただ、注意点もございまして、E48やE96系列を選択した場合、
E24系列の抵抗を使ってくれないんですね。

E24系列からE96系列に向かって、抵抗値は細かくなっていくわけですが、
E96系列の中にE24系列の値が全て含まれているわけではないのです。

なので、E24とE96の抵抗を組み合わせれば目的値がピッタリ作れるところ、
E96系列を選択するとE96だけで計算しちゃうので、近似値になったりします。

あと、選択する抵抗値がなるへく近い値になるよう、選別するようでして、
これもまた一長一短。

たとえば、10.24KΩという抵抗値が欲しい場合、
E24系列を指定すると5.1KΩの2本直列という結果を提示してきます。
これだと10.2KΩですので、微妙にズレてる値ですね。

ところが10KΩと240Ωを使用すれば10.24KΩが正確に作れるわけです。
2本の抵抗値が離れている為、選択から外されてしまう仕様のようです。

確かに2本の抵抗値が近い方がいいか、離れてる方がいいかは、ケースバイケース。
温度による抵抗値変化を気にする場合は近い方が良いのですが、
高価な超高精度抵抗を使用する場合は、離れている方がコスト的に有利。
なぜならば、合成抵抗値の精度は2本の抵抗のうち、高抵抗の方が支配するからです。
10KΩと240Ωの組み合わせの例ですと、 10KΩに0.01%品を使った場合、
240Ωの方は0.25%品で足りちゃうんです。
このコストの差は非常に大きい!!

なおその場合、10KΩ側の電力負担が大きいので、
流れる電流が多いと発熱が多くなっちゃう為、その点はご注意を。

2019年5月16日木曜日

高精度のチップ抵抗

アナログ回路をいじってると、高精度な抵抗が必要になる時があります。

ディスクリート部品全盛の頃だと、5%精度のカーボン抵抗がノーマルで、
1%品が高精度、それ以上が超精度って感じでしたが、
チップ抵抗が主流になった現状だと、1%精度が普通になっちゃいました。

すると、0.1%品が高精度で、それ以上が超高精度って感覚ですね。

0.1%の精度が有れば、普通は十分じゃないかと思いきや、
実際に計算してみると そんなに甘くないんですよね(;;

半固定抵抗を付けて調整可能にすれば ある程度は解決できるわけですが、
量産品は なるべく無調整化したいのが私の方針。

そこで高精度抵抗の出番となるわけですが、
Digi-key等の通販業者の登場で、ニッチな部品の入手性もかなり改善されました。

しかし、全てが揃うかと言うと、まだちょっと難が有るようでして・・・・・・

抵抗値等の系列でE24とかE96とかっていうのはご存知と思います。
Digi-key等で探すと、E48までは難無く揃っているのですが、それ以上となると・・・・・・・
E96は稀に有りますが、E192は皆無という感じ。

なので、E96やE192系列の抵抗値が欲しい場合は、抵抗を2つ以上合成して設計。
実装コストが上がるというデメリットが有るものの、
組み合わせる抵抗の値をなるべく離すことで、全部に超高精度品を投入せずに済む
というメリットも出てきます。

そんな感じで抵抗値の選択を開始すると、今度は別な問題に直面。
超高精度品としては0.05%くらいを使いたいと思っても、
E24系列じゃないと入手性が悪いというオチに。

E48系列以上だと、0.1%品が限界という感じ。

E48とE96の組み合わせだと、結構細かく合成値を作れるんですが、
E24をベースにするとなると、ちと面倒でございまする。

2019年5月12日日曜日

基板発注

既に1週間も経ってしまっているわけですが、今年のゴールデンウィークは長かったですね。
おかげさまで私も、溜まってた作業が捗りました。

ゴールデンウィーク開始早々に届いた試作基板の動作も無事確認完了。
これで本作基板に手を付けられるわけです。

その他に「かんたんスマートモニター」の関連基板を複数種類設計しておりました。
その中で、センサー用のサージ保護基板を昨日発注かけた次第。

「かんたんスマートモニター」の大口のお客さんは、
4―20mA出力のセンサーを使われることが多いので、
それを「かんたんスマートモニター」のアナログ入力に繋ぐことになります。

このセンサーのケーブルというのが、結構長くなるケースが多い上に、
郊外に設置されることが多いんですね。
そんなわけで誘導雷の影響を受ける可能性が少なくない!!

「かんたんスマートモニター」は民生用ですので、誘導雷対策なんて標準装備しておりません。
そこで、誘導雷対策のサージ保護基板を噛ますことにしました。

アナログ出力のセンサーは、4―20mA出力型の他、
単なる電圧出力型というのも存在しますので、
それぞれサージ保護基板の設計が異なります。
ですので、今回はその2種類を発注。

他にもゴールデンウィーク中に設計した基板は残っているので、
それらも順次発注を進めていきますよー。

2019年5月2日木曜日

計装アンプが いい感じ

以前から計装アンプという物が気になっていたものの、
オペアンプ回路で なんかなっていたので、手を出さずにおりました。

計装アンプについての解説は、アナログデバイセズのサイトを参照して頂くとして、
パッと見は、オペアンプと大差無い感じを受けたもんでした。

今回、「かんたんスマートモニター」用の試作基板を設計してて、
計装アンプを使用したタイプというのも作ってみたんです。

最初は まぁこんなもんかな?って感じで、
やはりオペアンプとの差別化が出来なかった次第。
なので、お蔵入りしそうな流れの回路でした。

と・こ・ろが、試作回路を色々カスタマイズしていくと、
計装アンプを使った方が回路がスマートになるという事に気付きました。

今回の事例ですと、引き算回路+増幅回路というケースなのですが、
オペアンプで組んだ場合、オペアンプが2~3個位必要になるわけですが、
計装アンプだと1個で済んじゃうんですね。

コスト面でも有利ですが、基板面積を抑えられるのが助かりました。

今回使用している計装アンプはAD8237という製品。
使いやすい製品だと思っておりますが、難点は入力インピーダンスかな?
私が通常使っている高精度オペアンプと比べて、入力インピータンスが2桁以上低い模様。
とは言え、100MΩくらいは有りそうですので、気をつけて設計すればいいだけとも。

あと、出力ドライブ能力も 小さめな印象。
これも設計時には要注意かと。

ともあれ、計装アンプは気に入ったので、今後は更に応用拡大したいところです。

2019年5月1日水曜日

アナログ回路の抵抗定数

試作基板のテストを行っている話を前回書きましたが、
定数の変更が必要になったというところで話が終わってました。

その後、定数の検討を始めたわけですが、これがなかなか難儀な代物。

抵抗分圧で電圧を落とす際に、
その先のオペアンプの入力インピーダンスが無視できないんですね。











上記の図だと、10KΩの抵抗で分圧してからオペアンプに入力。
オペアンプの入力インピーダンスが100MΩだと仮定すると、
計算上0.0025%のズレが出ちゃうんですね。

え?その程度?と思われるかもしれませんが、
16bitのA/Dコンバーターなんか使うと、この値は決して大きくないんです。

16bitのA/Dコンバーターの分解能は65535ですから、1LSBは1/65535。
これを%に変換したら、1LSB= 約0.0015%なんです。
0.0025%って、1LSB以上のズレになっちゃうわけ。

ちなみに10bitのA/Dコンバーターだと分解能は1024なので、1LSB=約 0.1%。
16bitに比べたら全然楽ちんですね。

というわけで、オペアンプの入力インピーダンスを考えたら、
分圧抵抗を更に低抵抗可したいところですが、そうすると また別な問題が。
前段のオペアンプの出力能力がネックになっちゃうんです。

実は10KΩの抵抗ですら、ちょっと負担が大きい感じで、
できれば100KΩくらいに上げたいところ。










ところがこの状態だとズレが0.025%にもなっちゃうんです。
10bitのA/Dコンバーターだと問題にならない値ですが、
16bitのA/Dコンバーターだと、まずいレベルですね。

ただ、オペアンプの出力能力の点は、レールtoレールの振幅をどこまで使うか次第。
電源電圧5Vで、5V近くまでの出力振幅が必要な場合には、
負荷抵抗をできるだけ上げる必要があるわけですが、
出力振幅が4V程度で足りるのならば、10KΩくらいの負荷でも余裕。
この辺は、回路全体のレベルバランスの設定になりますね。

とまぁ。そんな感じで色々唸っている状況です。