2022年12月18日日曜日

新価値創造展2022終了。

 デザインオフィス・シィ様のご好意で、今年も新価値創造展へ出展いたしました。
うちのような弱小は単独での展示会出展なんか厳しいもんで、
間借りさせて頂けるのは大変助かるのです。









今回の新価値創造展では「防災」のジャンルが無くなった為、
「測定分析・試験」というジャンルで出展することになりました。
正直、なんで「防災」ジャンルを無くしたのか、非常に疑問なところ。
このジャンルは注目度高かったんですけどね。
防災向け製品を出してた某会社さんも防災ジャンルが無くなってしまった為に、
よくわからんジャンルに振り返られてしまい、閑古鳥鳴いてたそうな。
決して製品が悪かったとは思えないので、展示会主催者側の問題だと感じた次第。

それはさておき、うちも現時点で即売可能な製品は少なくて、
「かんたんスマートモニター」と「V/Aプローブ」くらいなのですが、
ジャンルから外れてはいないものの、完全に噛み合ってるとも言いがたい感じ。
特に「V/Aプローブ」はターゲットユーザーがニッチなもので、
あんま前面に出しても仕方無い感じでして。

そんなわけで今回の主役も「仮設水位発信機」。
今回は機能実証試験機の実物を展示しました。


 

 

 

 

 

 

 

左側奥が機能実証試験機

製品ではないのでデザインも垢抜けない代物なので、
お客さんの目を引かないのが難点。
そもそも仮設水位発信機という製品概念が世の中に無いので、
デカデカのパネルを掲げていても皆さんスルーするわけです。

ところがいざ製品について説明差し上げると、皆さん非常に興味を持って頂けるんですね。
パっと見で判りづらい展示という点はマイナス要素だと思うので、
今後は要改善の必要がありますね。

2022年11月21日月曜日

LT③「アクティブ接触ソルバ」の紹介

 第2回「脳内3D科」にて私が発表したLTの本題がこれです。

 







 

これを実際に動かしてみたのが以下の動画。
マウスで先端部をドラッグし、ぐりぐりと伸縮させてます。 


アクティブ接触ソルバを使用しない状態だと有り得ない状態まで動かせちゃう!


 
 
でもアクティブ接触ソルバを有効にすると・・・・・

 
このように可動範囲内で停まるようなります。
 
アクティブ接触ソルバは必要以上に動かないようにする為の機能??
そんな疑問に答える為、更に動画を用意してみました。

上の動画は可動部の先端をマウスでドラッグしてましたが、
別にブロック状の物体を用意し、それをマウスでドラッグしてみます。
 

まずはアクティブ接触ソルバを使用していない状態。
このようにブロックが重なってしまいますが・・・・・・

アクティブ接触ソルバをONにすると


 このようにブロックを介して可動部が押されます。
ブロックと可動部間には拘束は存在していません。
なので、ブロックを引き戻しても、可動部が伸びてきません。

アクティブ接触ソルバの有用性のダメ押しとして、以下の動画を。

 歯車っぽいものの噛み合わせです。
四角い箱の中には何も入っていません。
単なる軸受けです。



LT②「曲げ板金の話」

 第2回「脳内3D科」で私が発表した3つ目のLTです。








 

LT①「脳内3D科のメリット」

 第2回脳内3D科で発表したLT1つ目「脳内3D科のメリット」です。

 




2022年11月12日土曜日

コテ先の劣化

 ハンダゴテのコテ先は消耗品で、劣化することは皆さんご存知かと思います。

しかし、工場等で毎日沢山のハンダ付けを行ってるとかでなければ、
劣化を実感することは少ないのではないでしょうか?

かく言う私も、鉛ハンダを使用しててコテ先が凹んでいって穴が開いた、
という体験が1回だけ。
この程度では、無いに等しいレベルですね。

鉛ハンダに比べ、無鉛ハンダはコテ先劣化が激しいと聞いておりました。
しかし具体的にどうなるかは謎なままだったのですが、
やっと実感できた事例が発生です。

いつものようにケーブル加工作業を行っていたところ、
リールのハンダが空になったので、新しいハンダを出しました。

以前使っていたハンダはアルミット製の銀入りハンダ。
それに対し新しいハンダは日本スーペリア製の銀を使っていない無鉛ハンダです。

このスーペリア製のハンダはオリジナル組成の合金を使っていて、
メリットが多いことから私も大好きな代物。
合金は同一のまま、含有フラックスが異なる製品が複数存在します。

今回使用するのは「032」という型式のフラックス使用版。
従来標準の「030」に比べハンダの飛散が抑えられるという謳い文句で、
期待して購入したわけです。

いざ使用してみると、コテ先の汚れがハンパ無い!!
ハンダ付けを行えば、フラックス由来の汚れがコテ先に付着します。
汚れが酷くなればハンダの溶けが悪くなりますから、適時スポンジ等で清掃するわけです。

ところが「032」を使い始めると、この清掃頻度がハンパ無いのです。
もう、1回ハンダ付けする毎に清掃しなきゃならないくらい。
これでは作業効率が悪すぎます。

うーーん、このフラックスはダメかなぁ?と思っていたところ、
ふと、コテ先を替えてみるかと思い立ち、予備のコテ先に替えたところ、
以前より清掃頻度が減ったのです。

つまり、古いコテ先は表面が劣化したせいで、
汚れがこびり付き易くなっていた模様。
別に穴が開いたり等、外観上は問題無いのですけどね。

ともあれ、これが鉛フリーハンダのコテ先劣化かと実感できた、というお話でした。

2022年10月31日月曜日

続12VHPWRコネクタートラブル

 前回書いた12VHPWRコネクターの問題ですが、更に新事実が判明!! 

電線の接続にハンダ付けが使われてました。

アンフェノールのコネクターにはハンダ付け用コンタクトというのは存在しないので、
全く別のメーカー製なんでしょうね。

分解写真を見る限り、非常に汚いハンダ付け。
ハンダ不良による発熱の可能性も有りそうです。

そもそも今回のトラブル、端っこの線が切れたというトラブルが多いと耳にしてました。
それも分解写真を見て納得。
この構造じゃ、コンタクトが折れても不思議じゃありません。
ケーブルに加わる力が、コンタクトの1点に集中するからです。
アンフェノールの技術者なら当然気付くでしょうから、
このコンタクトの設計は どっかわけわからんメーカーなのでしょうね。

アンフェノールのコンタクトのように圧着接続されていたならば、
今回のトラブルは少なかった可能性があります。
こういうトラブルも含めて、ハンダ付けよりも圧着の方が信頼性高いです。
(正規の圧着加工がされてるという前提ですが)

こんないい加減なケーブル、中国製品ではまま見かけますが、
まさかnVIDIA純正品で見ることになるとは・・・・・・・
トホホな世の中になってしまいましたな(;;

ちなみにアンフェノール製コネクターを正規圧着で使用していたら、
今回のトラブルは発生しなかったか?というと、ゼロでは無かったかも。
前回書いたとおり、12VHPWRの仕様上、コネクターの電流容量に無理があるので、
時間が経つとトラブルが発生した可能性は有ると思います。

2022年10月27日木曜日

12VHPWRコネクター溶解トラブル

Geforce GTX4090にて、電源供給の12VHPWRコネクターが溶解するトラブルが起きてる件、
既にご存知の方もいらっしゃるかと。

Geforce GTX4090はバリバリ最新のハイパフォーマンスビデオカード。
それに関わるトラブルなので、パソコンユーザー以外には関係無さそう、
と思ってる方も多いのでは?と思って、ここに書くことにしました。

そもそも今回のトラブルを簡単に言えば、コネクター部を流れる大電流により
コネクターの端子部から発熱したことにより、コネクターが溶けた、という代物。

これ、別にパソコンに限った話ではないのは お解かり頂けるかと。
でも、過去に類似のトラブルはほとんど耳にしないので、少し調べてみました。

結論から言うと、規格に無理が有り過ぎ。

この規格を作った人、ほんとにハード屋なのでしょうか?

12VHPWRコネクターって、最大で600Wもの電力を供給するそうです。
電圧は12Vですから、電流値50Aにもなります。

で、12VHPWRに使われているコネクターを調べてみました。
中国製の出所がわからない代物も見つかりましたが、
アンフェノール製の真っ当な製品を発見。
そのデーターシートを見てみると、1ピンの最大電流は9.5Aとなってます。 

6ピン束ねれば9.5×6で、57Aまでいけるってことか、と思った方、
それは素人考えなのです。

コネクターの端子部には接触抵抗が存在するので、
各ピンの電流値が単純に均等にはならないのです。

なので、どれかのピンが1つでも異常発熱したとすると、
そのピンの接続状態がどんどん悪化し、電流値が低下。
するとその分、他のピンの電流負担が増えるわけで、
2番目に接続状態の悪いピンが異常発熱しだします。

とまぁこんな感じ、コネクターが溶解に至っちゃうわけですね。

上の方で計算した57Aという値から勘案すると、
このコネクターで安全に流せるのは40A位じゃないかと。
なので、Geforce GTX3090の時には問題が出なかったと思われます。

逆に言えば、50Aも流す必要有るのであれば、
もっとゴツい別なコネクターを選ぶのが筋という話。
ほんと、いったい誰がこのコネクター選定したのでしょうね。


2022年9月22日木曜日

HP Audio Switchは すぐにアンインストールすべし

 先日、リモート参加者も含んだ打合せ会議を行うこととなり、
急遽スピーカーフォンを購入。
購入したのはサンワサプライのMM-BTMSP1という製品。
これをノートPCに接続し、スカイプ経由でリモート参加者と繋ぐ予定でした。

ところがこのスピーカーフォンの到着まで時間が掛かり、
事前テストが出来ないまま打合せに臨む形になってしまいました。
まぁスカイプでの通話はかなり昔から使っていたので特に不安は無かったのですが・・・・

いざ打合せ場所に集合し、セッティングを開始。
開始時間になったのでスカイプを起動しリモート参加者を召喚。
し・か・し!!

こちら側の声がリモート参加者に届かない!!

他の参加者にもノートPCの設定を色々確認してもらったものの解決しない。
スピーカーフォンのマイクのみならず、ノートPC本体のマイクも含め、
全て音声入力が効かないという状況。
これはWindowsが壊れてる可能性すら感じたので、
結局ノートPCは諦めてAndroidタブレットにスピーカーフォンを繋げ、
なんとか打合せを開始できました。

上記のスピーカーフォン、USB接続のみならずアナログ接続も可能なので、
私のタブレットに繋ぐことも出来た次第。
奮発して最上位機種を買って正解だったと安堵した瞬間でした。

帰宅後、すぐに原因究明作業を開始。
今後もリモート打合せを行う可能性は有る訳ですし、
何よりノートPCの調子がおかしいのは非常に困るわけです。

通常のヘッドセットを繋げての調査から始めたわけですが、
やはりどうやっても音声入力が効きません。
今までこのノートPCで音声チャットを行ったことが無かったので発覚しなかった事態。
気が付いて良かったと言うべきなのでしょうか??

グーグル先生も尋ねながら色々試してみるものの一向に改善せず。

万策尽きた感が漂いだした頃、なにげなくタスクバー内の隠れてるアイコンを見てみると、
「HP Audio Switch」なるものを発見。
なんだこれ?と思いつつ、それを開いてみると、
オーディオの入出力の選択機能ではありませんか!!

で、それに音声入力選択をヘッドセットのマイクを選んでみると・・・・・・
音が入るようになった!!

もう全て解決ですよ。
この「HP Audio Switch」とかいうツールが全ての元凶だったわけです。

スカイプのみならず、Windows上の数々のアプリって、
WindowsのAPIに沿って音声入出力を扱ってるわけですね、当然ながら。
なのでどのアプリも基本的な使い方はほぼ一緒なわけで、
ユーザーが戸惑うことは少ないわけです。

しかしこの「HP Audio Switch」というツール、
WindowsのAPIを無視して動いてるようなんですね。
具体的にWindowsの設定やアプリの設定で音声入出力を切り替えても、
それを完全無視して入出力の設定を強制的に変えてる模様。

何より凶悪なのは「HP Audio Switch」の設定がWindowsやアプリ側から見えない点。
「HP Audio Switch」の設定とアプリ側の設定が食い違ってた場合、
見た目の設定は問題無いのに音声信号だけが通らないという、
非常に困惑する現象に陥ります。

一般的なPCだと、Windows側もしくアプリ側のどちら音声入力を切り替えても
きちんと音声の入力源は切り替わるようになってます。
しかしこのノートPCの場合、上記の切換に加え、
「HP Audio Switch」の設定も切り替えるという作業が必要になります。

単純に手間が増えてるだけやん!

もうねほんと、だれがこんなクソツール考えたのやら・・・・・・
初見殺しもいいところ。
百害あって一理なしですよ。

原因が判明したので、すぐに「HP Audio Switch」をアンインストール!
もうすっかり普通のPCに戻りました。
胸をなでおろしましたよ。

HPのノートPCユーザーの皆さん、
もしまだ気付いていらっしゃらなければ、
すぐに「HP Audio Switch」をアンインストールしましょう!!

2022年8月22日月曜日

Sermoon D1にBL-Touchを装備した際の要注意

 Sermoon D1にオプションのBL-Touchを付けることで、
ノズルクリアランスの自動調整が可能になります。
Sermoon D1の大きな不満点が これで改善されるわけです。

うちのSermoon D1もBL-Touchを追加して ちょろちょろ使用していたわけですが、
昨日、要注意点に気付いたので ここに記載します。

ヘッドを最右奥に移動すると、部品衝突が発生!

Sermoon D1ではX:Yが280:260まで移動可能です。
BL-Touchが無ければ、ここまで動かしても全く問題有りません。

ところがBL-Touchを取り付けると、ここまで動かした際に接触が発生します。
BL-Touchはヘッドの右側に取り付けるようになっているのですが、
付ければ当然ながら、ヘッド部の右側サイズが10mmくらい延びるわけです。
これがファームの可動制限域に反映されていないのです。
その結果、BL-Touch部が本体側の部品と当たるようになります。

X座標が270位までは問題ありません。

手動でヘッドを動かす際は ぜひ覚えておきましょう。

あと、念のため、スライサーソフトの出力エリア設定も
確認して置いた方が良いと思います。

地獄のロードワーク終了

 先週の前半から、3DプリンターにてASAフィラメントを使った出力を行ってました。
これがとにかく絡まる。
リールの中で絡まるので、巻き締まりが起こって、フィラメントが出なくなるんですね。
しかし、フィラメントが無くなるのはセンサーで検知できるものの、
フィラメントが送られなくなるのはセンサーで検知されないので、
3Dプリンター自体は動作を続けるわけです。

出力に約2日半かかるという大物を製作しようとしていたわけですが、
油断するとフィラメント絡まりで出力失敗。
また最初から開始・・・・・・と複数回トライしていました。

最後は結構いい線まで行ってたものの、ちょっと気を失ってる間に絡まり発生。orz
この時点で その大物を製作できるだけのフィラメント残量を切ったので、
諦めて小物の製作に移行。
小物と言っても、出力に半日近くかかるような代物です。

やはり気を抜くことは出来ず、昼夜を問わず気力で監視。
何個か失敗も出てしまいましたが、小物の出力は なんとか完遂できました。

この4~5日の間、とにかく長時間 目を離すことができないので、
こまめな仮眠で なるべく時間を空けずに監視するということをやってたわけです。
もう体ボロボロ(笑)

ASAでの出力終了後、ABSでの出力を数点行いました。
こちらも半日近くかかる部品も含まれていたわけですが、全く問題が発生しない!!
あの、ASAでの格闘は何だったんだ?と思ってしまいます。
久しぶりにリラックスした気分で寝ることが出来たのでした。

それにしても、今後もASAのフィラメントは利用したいと思ってるわけですが、
何かしら考えないとアカンですね。
体力と時間を犠牲にして出力作業するくらいなら、
外注に出した方が よっぽど割がいいという話になっちゃいます。
むぅぅぅぅぅぅ

2022年8月17日水曜日

フィラメントの絡みトラブル対策

 先日から始めてる3Dプリンター出力にて、
フィラメントがリール内で絡まるトラブルに見舞われてるわけですが、
一応ちょっとした対策を行ってます。












上の方に見える小さな黒い箱がフィラメントセンサー。
フィラメント切れを検出する機構ですね。 
リールから出たフィラメントは この中を通ってエクストルーダーへ行きます。

フィラメントセンサーの下方に見える黒い棒は、
Sermoon D1本体に付いてるリールホルダー。
メーカーの想定では ここにリールを載せ、
フィラメントが上に延びてセンサーに入っていくというルート。
しかしこの棒、回転機構は無いので、棒の上をリールが滑るという仕組み。
しかし特に潤滑対策は施されていないので、お世辞にも滑りが良いとは言えず。
その為リールに対して常にテンションが掛かる状態となる為、
リール内で巻き締まりが起き易い原因となってます。

なので本体付属のリールホルダーは使用せず、
idbox用に作成したリールホルダーを使用しています。(緑色の代物)

このリールホルダーはベアリングが入っているのでリールの回転は非常に滑らか。

そして最大のキーポイントは、
自作リールホルダーを少し離した位置に置いてること。
写真だと奥行きが解り辛いですが、黒い棒からリールまで15cm位あります。

もしリール内でフィラメント絡まりが発生すると、
リールホルダーごと横に引っ張られていくんです。
すると絡まってることがすぐ判るという仕組み。

リールが黒い棒まで達してしまうとフィラメント供給が止まってしまうので
出力失敗となってしまいますが、それまでの間に気付いて、
手で絡みをほぐしてやればセーフなのです。

スペースの制約で これ以上距離を取れないので、
時間的余裕は5~10分というところですが、それでも無いよりはマシ。

しかしもっと時間を稼げる機構も考えたいところですね。
寝不足は非常に痛いです。(;;

ASAフィラメント

 テスト機用にASAフィラメントを使用開始したわけですが、
ABSの親戚と思っていたので、スライサーの設定もABSのまま出力してました。

改めてASAについての設定を確認してみたところ、若干の差が有る模様。
ノズル温度は同一でも構わないようですが、
ヒートベッドの温度はABSより若干低めで構わない感じ。
速度もABSより若干下げた方がいい模様。

あと、リトラクトの距離をABSより長めに取った方が良いみたい。
実感としてASAはABSよりノズルから垂れやすいようです。
なのでリトラクト距離を多くするのは妥当な感じがします。
印刷時間が若干長くなるのがネックですが、極端に変わるわけではないですし・・・・

それと最後にもう1つ。
ASAはABSと比較し、インフィルの値を下げて構わないんですね。
これはASAとABSの物性の差によるもの。
私は通常、ABSはインフィル40で出力しているのですが、
ASAなら20で構わないそうな。

インフィル値を下げるとフィラメントの消費量が減るし、印刷時間も短くなる。
良いことづくめなので、これは嬉しい利点です。

参考までにインフィル20で出力した物の写真を下に。










インフィル形状はハニカムです。
サイズが分かりやすいよう、ペットボトルのお茶も一緒に。

2022年8月16日火曜日

Sermoon D1でフィラメントが絡まるトラブル

 うちのSermoon D1で出力していると、フィラメントがリール内で絡まり、
出力に失敗するという事例が度々発生していました。

今まではフィラメントメーカーのリール巻きが雑な為に発生したトラブルかな?
と思っていたわけですが、今日、ふと思いついた原因が有るので書いてみます。

Sermoon D1は本体横にフィラメントリールがセットする棒が飛び出ているスタイル。
その斜め上方にフィラメントセンサーが取り付けられており、
リールから出たフィラメントは そのセンサーの中を通って、
エクストルーダーへ向かいます。

センサーは厚さ1cm程度で、本体側面に固定されています。
ということは、リールから出たフィラメントは本体側面から約5mmくらいの所に
引っ張られるわけです。

リールの幅は少なくとも5cmは有る訳で、
結果として本体から遠い側に巻かれてるフィラメントは、
本体側に引っ張られる形になります。
つまりリールから斜めに引き出される格好になるんですね。

これにより巻きが崩れて本体側にフィラメントが寄っていく模様。
巻きが崩れれば当然絡まる可能性が出てくるわけで・・・・・・

定量的に検証する手段が無い為、間違いないとは言い切れませんが、
自作のリールホルダーを使用してきた中では起きなかったトラブルなので、
かなり確証は高いと思われます。

Sermoon D1を使用するならば、本体付属のリールホルダーは使用せず、
別置のリールホルダーを使用しましょう。

2022年8月2日火曜日

Sermoon D1の加工完了

 先の修理作業の続きです。
と言っても修理自体は先の記事の段階で完了しているので、
この先の話は改良の為の加工作業です。

まず、Sermoon D1の底面をご覧ください。













で、ゴム足とビスを外して底板を開けると・・・・・・・


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さなメイン基板ですね。(笑)
その右側に電源ユニットが鎮座してますが、おや?ファンが付いてる??

そう、この電源ユニット、強制空冷タイプなんですね。
まぁこれだけの容量ですから強制空冷の方が安心感ありますよね。
し・か・し・・・・・・・・
底板に通風孔有ったけ??

そう、強制空冷タイプの電源ユニットを積んでるくせに、
ファンの通気口が存在しないのですよ!!
一応、電源ユニットの写真上方にスリットは開いてるものの、
冷却ファンには関与しませんね、これ。

というわけで、今回の改造はファンの通気口を開けるというもの。

まず、通気口のセンター位置を測り、底板にマーキング。
この位置は だいたいファン位置と合っていれば良いので、割とアバウトです。
ちなみに穴開け加工は裏面側から行うので、マーキングも裏面に付けてます。


















センター位置を決めたら、ファンガードの実物合わせで、
四隅の固定ビス位置をマークします。










 そしていざ、ホールソーで穴開け。
今回使うホールソーはφ50のもの。
もう少々大きめでも良いのですが、モノタロウのリーズナブル品のラインナップの関係上、
このサイズになってしまいました。












一応、サビ避けとして切断面に黒の塗料を塗り、四隅のビス穴も開けます。
今回はφ4のタッピングビスを使うので、φ3.4の穴をあけてます。

 

そして開口部にフィルターを取り付け。


 











加工時は一般的なファンガードを使ってましたが、あれはあくまでマーキングの為だけ。
本命はこのフィルターです。
ちなみにこのフィルター、60角サイズのファン用のものです。

そしてこの底板を本体に取り付けて完成。













これでいよいよ、BL-Touchを使った造形テストに進めますね。

2022年7月31日日曜日

Sermoon D1の修理の続き

 前の記事の続きを書き忘れてました。

Sermoon D1のファームウェア書き換え作業、
メーカーの手順書ではTFカードを使う内容になっていますが、
TFカードはマイクロSDカードで代用できるので、今回はマイクロSDカードを手配。
実際、TFカードなんて実際に手に入りませんし。

ってことで到着したマイクロSDカードで作業を再開しました。
マイクロSDカードが必要なのは、タッチパネル基板のファーム更新。
マイクロSDカードに書き込みたいファームのファイルをフォルダーごとコピーし、
タッチパネル基板上のマイクロSDカードスロットに差し込んで電源ONすれば、
自動的にファームが書き換えられるだけなのですが、
1点だけ要注意というか面倒な点が存在します。

マイクロSDカードのフォーマット方法が指定されてることです。 

購入した段階のマイクロSDカードは既にフォーマット済みで、
そのままデーターの読み書きが可能な状態ですが、
その状態のフォーマットではダメなんですね。

具体的にはコマンドプロンプト上でFormatコマンドを使ってマイクロSDカードをフォーマットします。
その際、/fs:fat32 /a:4096 というパラメーターを指定する必要があります。
マイクロSDカードによっては、この条件でフォーマットされてる物も存在しそうですが、
万が一異なっていた場合、2度手間になっちゃうので、フォーマットかけておいた方が良さそうです。

ということで、実際に指示通りに作業を進め、
タッチパネル基板のファーム書き換えは すんなり終了。

次はメイン基板のファームウェア更新ですが、
先ほど使ったマイクロSDカードをまた使いました。
マイクロSDカードを標準SDカードへ変換するアダプターを噛ませ、
中身を空にした後、ファームのファイルのみをコピー。
それをSermoon D1のSDカードスロット(タッチパネル基板上ではない)へ差し込み、電源ON。
これでメイン基板のファームも更新されます。

サンステラ社オリジナルの日本語表示は出来なくなってしまいますが、
これでBL-Touchが使用可能になったはず。

とりあえずSermoon D1を動作可能な状態に仮組みし、電源を投入。
特に問題無く動作している模様。
Y軸のステッピングモーターも正常に動くので、やはりメイン基板が故障していたようですね。

そのY軸モーターですが、ケーブルの引き回しに かなり疑問を感じたので、
モーターケーブル一式をオリジナル品に置き換えました。









 

モーター部から下に走ってるように見えるケーブルは、
筺体の外に有る無関係な電源ケーブルです。

モーターケーブル部を拡大したのが以下の写真。










純正ケーブルは80cmくらいの長さなのですが、オリジナルケーブルは約1mあります。
1mで買ったケーブルをそのまま使ってるだけなんですけどね。

使っているケーブルはミスミで購入したRMDV(C21885)-AWG25(0.2)-4C-1。
SS3FUR-24-4-1も同時に購入したのですが、
RMDV~の方が柔軟性良さそうだったので そっちを使用することにしました。

写真で気付かれた方もいらっしゃるかと思いますが、
モーターの取り付け方向も変更しています。
元々はモーターのコネクターは後ろ側を向いているのですが、
それだと筺体からぶら下がってるケーブルとコネクターが干渉するので、
ケーブル断線の原因になってる可能性が強いと感じた次第。

そこで写真のように90度回して固定しました。
この方向だとコネクターが干渉する物は有りません。

ということで、とりあえずSermoon D1が動作可能なことは確認できました。
BL-Touchの調整も暫定的に行ってみましたが、
最終的には何か出力してみないと確認できません。

次は造形テスト・・・・・・ と行きたいところですが、
メイン基板交換の為、底面を開けた際に要改善点を見つけてしまった為、
それを改修してから造形テストを行うことにします。
それについてはまた改めて。

2022年7月24日日曜日

Sermoon D1の修理に着手

 お仕事の組配ばっか続けてると、ちと気分転換したくなったので、
故障したまま放置されているSermoon D1に手をつけてみることに。

サンステラさんの判断で、メイン基板故障の可能性が高いということで、
既に新しいメイン基板は頂いておりました。
しかしまとまった時間が取れなかったので後回しになっていたという経緯。
ついでにBL-Touchの取付も この機会に行ってしまおうと画策。
ということで作業を開始。

BL-Touchの取付自体は さほど難しい点はありません。
ただ、BL-Touxhとメイン基板を繋ぐケーブルの長さに余裕が無いので、
引き回しに注意する必要があります。

解説動画だとメイン基板側から配線を開始していますが、
私はBL-Touch側から始めました。
ケーブル引き回しの過程で、フレキパイプの穴を通す必要が有るのですが、
動画の通りだとBL-Touchに刺す方のコネクターを通せばいいのですが、
私の様にBL-Touxh側から始めると、メイン基板に刺すコネクターを通すハメになります。
こちらのコネクターの方がかなり大きいので かなり通しずらいです。
やはり動画の通り、メイン基板側から始める方がよろしいかと。

故障修理はメイン基板を交換するだけなので、特に難しい点は無いかと・・・・・
と思いきや、これが非常に手間のかかる作業でした。

メイン基板には各部から来てるケーブルがコネクターで刺さっております。
このコネクター類、抜け止め対策なのか、ホットボンドが付けられてるんですね。
これの除去にかなり時間を取られてしまいました。
ニッパでちまちまと取り除いていくわけですが、
油断するとコネクター本体を壊してしまうという やっかいさ。
今回はメイン基板を交換してしまうので、基板側のコネクターは破損しても構わないものの、
ケーブル側のハウジングが破損するとまずいわけです。

苦労してコネクターが外せる状況になり、
あとはスクリューレス端子台に繋がってる電力線の差し替え。
ここで問題に気付いてしまいました。
端子台に刺さっている電線、ハンダ揚げしてあるのです。
スクリューレス端子台に電線を繋ぐ際、ハンダ揚げしてはいけません。
なぜなら、端子台と電線間の接触抵抗が増えるので、
大電流時に異常発熱の原因になるのです。
さすがにこれは見過ごせないので、ハンダ揚げ部をカットし、接続を修正。

とりあえず基板交換とBL-Touchの取付は完了したはず。

通電試験を行いたいところですが、
BL-Touchを取り付けたことで、ファームウェアの書き換えが必要になりました。
この作業も基板部へのアクセスが必要となる為、同時に行うべきですね。

ファームの書き換えは2箇所。
タッチパネル部とメイン基板に対して行います。
最初にタッチパネル部を書き換えてからメイン基板を書き換えるという手順。

なんとここで、マイクロSDカードが必要と発覚!!
Sermoon D1にはSDカードスロットが存在します。
出力品のデーターのやり取りの他、メイン基板のファーム書き換えにも
このSDカードスロットを使用します。
ところがタッチパネル部の基板には謎なマイクロSDカードコネクターが存在します。
実はこれこそ、タッチパネル部のファーム書き換えに使用する物なんですね。

DOSにてFAT32でフォーマットした、2~16GBのマイクロSDカードに、
新しいファームウェアをコピーして上記のコネクターに差込、電源ON。
するとあとは自動的にファームが更新されることになっています。

し・か・し、うちには余ってるマイクロSDカードが有りません。(;;
仕方ないのでヨドバシで購入する事に。
明後日までは到着するようなので、それまで作業は中断です。

近況

 いくつかの取引先からお仕事頂いてるわけですが、
半導体と樹脂不足の影響で一時的に仕事が足踏み状態になったことがありました。

継続して発生する組立配線の仕事なのですが、
部品が揃わなくて工程がストップしてしまったというオチです。

ということで、急遽時間が取れるようになったので、
オリジナル製品の開発を進めていた次第。
主に仮設水位発信機ですが。

しかしその仮設水位発信機も、3Dプリンター故障により作業がストップ。
どうしたもんか思案していたところ、最初に書いた案件が動き出しました。

そんなわけでオリジナル製品開発をストップし、
取引先様から請けてる組立配線作業に注力しております。

オリジナル製品開発を並行して行えば?と思われる方もいらっしゃるかと。
並行作業はガッツリ効率が落ちるので、なるべく行わない方が良いのです。
どうしても必要な場合は並行作業を行う場合もありますが、
調整可能であれば並行作業を行わず、
1つの作業に専念するほうがベターです。
どこかでそんな内容の記事を見かけた気もしますが、
これは経験を元にした私の実感です。

2022年7月21日木曜日

Fusion360で誤解してた話

 皆さん、Fusion360って入門者向けの手頃な3D-CADだと思ってませんか?
実は私も そう思ってたんです。
価格的にミドルクラスのCADよりもガッツリ安かったのでね。

ところが、6月の展示会にて色々お話を聞くうち、誤解に気付いたのでした。

結論から言えば、Fusion360は立派なミドルクラスです。 

Fusion360の価格と言うと、年間約7万円のサブスクリプションを認識されてるかと。
確かにこの金額は同じAUTODESK社のInventorと比べ圧倒的に安価。
InventorはミドルクラスのCADですから、それよりこんなに安いわけだから、
下のクラスのCADと誤解してしまっても 仕方無い感じ。

しかしですね、Fusion360は必要な機能を購入して機能拡張していく、
モジュール構成のCADと言える代物なんです。
私も含め、通常認識されてるFusion360の価格というのは、
コア機能の部分の価格なのです。

もちろんこのコア部分だけでも通常必要な機能は一通り持ってますから、
一般的な使い方をする分には これで足りるかと。

しかしもうちょっと強力な使い方をしたいという場合、
拡張機能を購入してFusion360を強化するわけですが、
それら拡張機能の価格って決して安くないんです。
10万と20万って価格のものがザラなんですね。

それらで機能拡張しまくったFusion360はInventorやソリッドワークス以上の機能を
持つことが可能なわけですが、金額も年間で50~100万というレベルに。
この価格帯はもう、立派なミドルクラスなのですよ。

裏を返せば、本来はミドルクラスの能力が有るCADを、
必要最低限な機能だけに絞って、年間7万円程度で利用できる、
そう考えるとFusion360って めっさリーズナブルな気がしてきませんか?

 

2022年7月10日日曜日

3Dプリンターと銃の件

 安倍さんの銃撃事件をきっかけに、3Dプリンターによる銃製造の話が、
あちこちで賑わってる模様。

犯行に使われた自作銃の製造に3Dプリンターが使われたかも?という話から、
3Dプリンターで銃を作るなんか非現実なのに何言うてんねん、
という話まで、色々織り交ざってる状況。

なので、ここで私感を書いてみることにします。

・3Dプリンターに銃のデーターを突っ込めば自作銃が出来上げるのか? 

まずは単純な問いからですが、 答えはNOに近いです。
少なくとも、数万~数十万円くらいで手に入る3Dプリンターですと、
NOと断言してもよいでしょう。

・ではなぜ、最初に書いたような論議が沸き起こっているのか?

3Dプリンターに対する一般人の認識が不足しているからです。

単純な話、わからないから憶測が飛び交っているのです。
なのでこういう時に必要なのは、
3Dプリンターとはどういう物なのかという啓蒙活動であって、
「3Dプリンターで銃なんか作れるわけないやん」といった意見や、
マスコミの悪口といったたぐいを連ねるのはお門違いだと思います。

3Dプリンターユーザーの皆さんはぜひ、
一般人向けの3Dプリンター説明を情報発信して頂きたいと思う次第なのです。

2022年6月22日水曜日

ケーブル切断の原因が解ったかも。

 先の記事のケーブル切れ、圧着不良が存在する状況下で、
私が引っ掛けたか何かの弾みでトドメを刺したのかと思ってましたが、
どうやら違う可能性が高くなりました。

プリンター稼働中のケーブル接触が原因の可能性が高いです。

Y軸のステッピングモーターには日圧のPHコネクターを介して
ケーブルが繋がっています。
このコネクターはSermoon D1の背面方向に向いているんですね。
なので、モーターケーブルは背面方向に出っ張るわけです。

Sermoon D1の筺体背面には透明アクリルパネルが付いています。
このアクリルパネルとY軸ステッピングモーターとの隙間は2cm位しかありません。

この隙間エリアに、メイン基板側から来たモーターケーブルが垂れ下がっています。
垂れ下がっているのは固定不良ではなく、X軸動作に伴うモーター移動の対応です。

この垂れ下がっているケーブルとモーター部のPHコネクターがガッツリ接触するんですね。

わずかに触れる程度であれば、そこまで大きな問題にならないかもしれませんが、
実際にはケーブル交差時に異音が聞こえるほど、ケーブル引っ掛かりが発生します。

この接触の力が電線圧着部に加わり、曲げ伸ばしが繰り返されたのかと。
その結果、圧着部の根元で電線が切れた、というシナリオです。

 

もし私が引っ掛けてトドメを刺してのなら、電線が引きちぎられたような状態になるはず。
ところがルーペで観察すると、結構キレイにスッパリ切れているんですね。
なので違和感を感じていました。

上記の仮設通りならば繰り返しの折り曲げにより電線が折れることになるので、
切断面は割りとキレイになる為、状況と合致するんですね。

被覆部もきちんと圧着されていたならば そこそこ耐性は有ったと思うものの、
先の記事の通り、被覆部は圧着不良でちゃんと留まっていませんでしたから、
屈曲耐性が かなり低くなっていたはず。

ちなみに使われてるケーブルはロボットケーブルっぽいので、
一応稼動に伴う屈曲は考慮されてる模様。
しかしロボットケーブルと言えども末端の加工部は
それほど屈曲耐性が強いわけではありません。

かくして、起こるべくして起きた断線、という可能性が非常に強いです。

修理の際はモーターの取り付け方向とケーブルの引き回しを修正するつもりです。

2022年6月20日月曜日

Sermoon D1故障中

 ツイッターには ちょこっと呟きましたが、Sermoon D1が故障中なのでございます。
出力中に突然Y軸のモーターが動かなくなり、今に至っております。

購入してから3ヶ月ほどなので、当然ながら保証期間内。
販売店のサンステラ様に対応を依頼しておりますが、
あくまでサンステラ様を経由したメーカーとのやり取りになる為、
すぐに解決しそうにありません。
長期戦を覚悟しております。

それはさておき、上記の修理に関し、ユーザーサイドの作業が発生する為、
Sermoon D1をバラしておりました。
するとモーターのケーブルASSYに圧着不良を視認したので、
ここに記載しておくことにします。

上記のケーブルASSYは4芯ケーブルの両端に、
日圧のXHコネクターとPHコネクターが圧着されております。

製品ですから当然、これらの圧着端子は正規の圧着加工されていなければならないわけですが・・・・ 

PHコネクターの形状を見る限り、正規の圧着加工がされていませんでした。
その為、電線の被覆部がきちんと留まっておらず、強度不足の状態。
結果として断線が起きてしまいました。
(これは今回のモーター動作不良とは別な話です)

以下がその拡大写真。









断線が起きた側からコンタクトを見ています。
電線の被覆は全く残っておらず、銅線の切れ端だけが残っています。

見えている箇所は本来、被覆を押さえているクリンプ部分なのですが、
いびつな形をしているのが解りますでしょうか?

形状を解り易くするため、外形をなぞったのが下の写真です。


 

 

 

 

 

 

 

 

赤線がクリンプの外形です。
明らかに異常な形になっていますね。
日圧の正規の圧着ペンチで加工したならば、絶対にこんな形状にはなりません。
つまり非正規の圧着ペンチで加工しているということ。
それでも、実用上問題無いレベルで加工されているならば、
私も さほどとやかくは言いません。 

ですがこれは明らかに圧着不良です。
これは製品として出荷してはいけないレベル。

CREALITYの製品品質は やばいかもしれません。

もし購入するならば その点を重々承知の上、使われることをお勧めします。

2022年6月15日水曜日

白窓君基板の改修

TNB製作所がリリースしてる白窓君の基板を私が供給しているのは、知る人ぞ知るところ。
オリジナルの回路は たんぼさんが書いたものですから、
私はコッソリと裏方に徹しています。

そんな流れでリリースが続いている白窓君ですが、
某氏のハードの影響で需要が増加してしまった模様。
そろそろ打ち止めか?と思っていたところ、また注文が増えてきた感じ。

追加分の基板を作るタイミングで、改版も行うことにしました。
ここにそれを書いて誰得?という疑問も有りますが・・・・・(笑)

実は白窓君の回路、潜在的な問題点を抱えてました。
それは、

白窓君内のLCDユニットのデーター線で、
コンフリクトが起きる可能性が有るという問題

ジョイスティックポートの各端子にはプルアップ抵抗が付いているので、
通常はHレベルになっています。

これに白窓君を繋ぐと、LCDユニットのR/W信号がHレベルになるわけで、
何かの拍子にE信号が動くとLCDユニットのデーター端子から、
出力が出てくる事態になっちゃうわけです。

現在頒布されてる白窓君はX68本体とLCDユニットの間に
バッファーICが挿入されています。
上記の症状が発生するとバッファーICの出力とLCDユニットの出力が
ぶつかることになるんですね。
(ちなみにオリジナルの回路だとバッファーICが入っていないので、
X68本体とLCDユニットの出力がぶつかることになります。)

LCDユニットの信号端子をそのままケーブルで外に引き出すのはナンセンスなので、
バッファーICの挿入は不可欠。
そこで今回の改版で、LCDユニットのR/Wピンは常にLレベルに固定する様にしました。
更にX68本体側からのR/W信号にてバッファーICの出力制御を行い、
R/W信号=Hレベルの時はバッファー出力=ハイインピータンスになります。

ここまでやればコンフリクト対策としては完全かと。

双方向バッファーICを使い、X68側からLCDユニットの読み書きを行える回路も
検討したのですが、そもそもジョイスティックB端子を使う限り、
LCDユニットからの読み込みは不可能なんですね。
もし読み込みを行おうとしたら、
制御線は出力、データー線は入力に設定する必要があるわけですが、
ジョイスティックBはこの設定が不可能なのです。

白窓君をジョイスティックAに繋いで使う人は居ないでしょうから、
読み込み機能は搭載してもムダという結論になりました。

2022年6月3日金曜日

設計のループ

 先日設計した基板にて、設計修正が続いたもんで、
なんとも効率悪いなぁと思ったことから、
相次いだ設計修正の様相について省みてみました。

まずそもそも今回設計した基板はデジタル・アナログの混載回路。
1系統の供給電源で全体を動かすわけですが、
この基板の出力はデジタル系とアナログ系で別々。

とりあえずざっくりと基板を引いてみたわけですが、
グランドループが気になります。
デジタル系は特に問題無いでしょうが、アナログ回路に影響出そう。

ってことで、ここで1回目の検討修正。

絶縁型DC/DCコンバーターを積んで、アナログ系の電源をアイソレートすることに。
これでグランドループは断ち切れます。

するとDC/DCコンバーターの選定というのが発生するわけですね。
今回の基板は試験用のプロト基板。
このまま量産する予定はありませんので、
手軽に入手できる部品を選ぶことにします。

そして選んだのが秋月電子で売ってるMinmax製のDC/DCコンバーター。
秋月さんですから値段も高くないし、在庫も問題無し。

ってことで、このDC/DCコンバーターを使う様に1回目の設計変更。

1回目の設計変更が完了し、発注の為の部品リストを作成開始。
すると、一部、Digi-Keyに発注しなければならない部品が出てきました。
価格面というより、在庫の点からの話。

すると、Digi-Keyに発注かける前提ならば、部品選定もちょっと話が変わってくる。
上記のDC/DCコンバーターも、他社製の同等品が秋月より安いんですね。
なので、DC/DCコンバーターを再選定。
秋月で売ってるMinmax製のDC/DCコンバーターは業界標準品なので、
そのままピン互換で置き換えできる製品がDigi-Keyで沢山見つかります。

最初はそのまま置き換えようかと思っていたわけですが、ここでハタと気付きました。
「小型タイプに変更した方がいいんじゃね?」

秋月で売ってるMinmax製は、Digi-Keyで言うところの7sip4ピンというタイプ。
入出力のピン間ピッチが5.08mmあるので、アイソレーションの観点でも有利なのですが、
今回の基板ではアイソレーション特性は それほど重要視されません。
むしろ部品を小型化してノイズ対策部品を増やしたいところです。

ということで、2回目の設計変更。
DC/DCコンバーターの形状を7sip4ピンタイプから、単なる4ピンsipタイプに変更です。

2回めの設計変更も無事終わり、ノイズ対策のインダクター等も追加できたんですが、
ここまで来て、電源周りの効率が気になりだした次第。

上記で追加したDC/DCコンバーターの1次電源というのは、
デジタル系統へ給電してる5Vから貰っています。
この5Vというのはこの基板への供給電源より、
3端子レギュレーター互換のDC/DCコンバーターで生成してるんですね。

基板への供給電源は大元が乾電池なもので、大幅に電圧変動します。
なので3端子レギュレーター互換のDC/DCコンバーターにて
電圧変動も吸収しつつ、高効率で5Vに変換しております。

追加したDC/DCコンバーターへの給電は安定化されているわけですが、
結果的にDC/DCコンバーターを2個噛ませてアナログ系統電源を作ってるわけで、
電源が電池という点を考えると、ちょっと気になるわけです。

なんで今更?と思われるかもしれませんが、
1回目の変更の時点で、秋月電子で売ってるDC/DCコンバーターを使う予定でしたが、
そのラインナップには供給電源が広電圧範囲品は無いんですね。
(3Wクラスならば存在するのですが、今回の基板には積めません)
なのでデジタル系統の5Vから貰うしかなかったわけです。

さて、ところがです。
Digi-keyで調達するとなると、選択の幅が一気に広がるわけですね。
改めて探してみると、絶縁型で広電圧範囲入力の製品が入手可能なんです。
となると、効率の観点から変更するべきですよね。

ということで3回目の設計変更。
DC/DCコンバーターを広電圧範囲入力品に変更し、
供給元をデジタル系の5Vから、基板への電源入力に変更します。

電源ラインの引き回しが変わるので、そこそこ手間も掛かりましたが、
DC/DCコンバーターの形状も変更です。
ちょこっとだけ長くなるんですね。
最初のMinmax製ほどではありませんが。

かくして、なんとか設計が落ち着いて発注も掛けました。

にしても、何でこんなに手間かかったかなぁと思い返すと、
Digi-keyへの発注有無の影響がデカイわけですね。

Digi-Keyは送料が高いので、極力避けるようにしてるんですが、
やはりある程度はキーにしておくべきなのかなぁ。
ちょっと悩みどころです。

2022年5月22日日曜日

フィールドテストにトライ

 ちと進歩が遅れ気味の仮設水位発信機ですが、
フィールドテストの準備をちまちま進めておりました。

そして先日、ついにフィールドテストへ出かけることに。

場所は静岡県内の某所。
そこそこ大きめの川で、すぐ近くに宿泊施設が有る場所となると、
なかなか選定が難しいんですよね。

これがフィールドテスト機。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

センサー部を支えてるブームは もっと伸ばせる設計になっているのですが、
現地の状況では これで十分でした。

これを仮置きし、データー採取開始。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下防止のため、ヒモを付けていますが、
重心が本体側に有るので全く安定しています。
もしセンサーのブームを伸ばした場合は重心が前に出てしまうので、
何らかの対策が必要になります。

センサーから値は取れているものの、水面ではなく川底の値の模様。
時間が経過しても値が変わりません。
というのも、このテストを行っている間、水位は数十cm変化しているのです。
水面が測れているならば、確実に測定値に現れるはず。

川を覗いてみると・・・・・・・












 

写真の色具合のせいで、泥っぽい色にも見えてしまいますが、
実際には 水が非常に澄んでいます。
川底がキレイに見える状態なのです。
泳いでいる魚もクッキリ解ります。
さすがにこの状態だと厳しい模様。

もっと水位が有れば少しは状況が変わるのかもしれませんが、
前日に雨が降ったにも関わらず、たぶん50cmくらいしか水位ありません。

これはまた後日リトライですね。

2022年5月16日月曜日

図面のトラブル

 先日請けた組配案件にて、支給された板金ケースでトラブルが有りました。
その内容というのが単なるポカではなく、改めて周知した方が良さそうだったもので、
あえて記載することにした次第。

もちろんオリジナルの図面は載せられないので、
以下の図面は要点だけ解るように、仮で私が書いたものです。

まず、1つ目の図面をご覧ください。










板材に各穴1つと丸穴2つが開いてる代物。
こんな図面自体はポピュラーなもので、特に珍しくはないですよね。

さてでは2つ目の図面をご覧ください。


 









何が違うか、お気づきでしょうか?
実は丸穴2つが、1mmだけ左にズレています。

とは言え、丸穴の横位置が寸法値で指定されているわけではないので、
これでも1つ目の図面と同解釈しなければなりません。

と・こ・ろ・が、今回のトラブルというのは、
板金屋が2つ目の図面を元に、穴を横にズラして加工してきたのです。
でも上の図面だけならば、具体的にズレ値が解らないわけで、
加工できないはずですよね。

実はPDFの図面の他に、DWGの図面も一緒に渡していたのです。
DWGであれば具体的な値を拾うことが出来るので、
どれだけズレているかを正確に把握することが出来ます。

さぁこの場合、どちら側に問題有ると思いますか??

結論から申し上げると、7割方、板金屋さんの方がアウトなのです。

7割方と申し上げるのは、もちろん例外も有るからでして、
これから述べるのは、割と業界で一般的な解釈に基づく話です。

この問題の根っこを掘り下げると、図面とデーター、
どっちを優先するべき?という話になります。
データーを優先するべきならば、DWGファイル通りに作った板金屋が正しいことになります。

ところがですね、DWGは寸法が取れると言っても、基本的には図面を表すもの
なので、記載内容を無視して別途採寸する使い方は誤りなのです。

では、DWGファイルではなく3次元CADのデーターだった場合は??

3次元CADデーター上で、上のように丸穴がズレていた場合、
その通りにズラすのが正解でしょう。
つまり図面が間違い(正確には寸法記載不足)と解釈することになります。

なのでその場合には板金屋ではなく、図面を出した客側がアウトという判断になります。

DWGファイルと3次元CADデーターの扱いの違い、ご理解頂けたでしょうか?

上のようなトラブルが起こりえるので、2次元図面は注意が必要なのです。

脳内3D科が無事終了

 勉強会イベント「脳内3D科」が無事終了しました。

初開催だったので、色々不安要素もありましたが、
皆さんのお力で第1回目は幕を閉じました。

このイベントのメインは「小川先生のお話」なわけですが、
今回の内容はほんとに冒頭の部分という感じ。
今後の展開が楽しみなところです。

この小川先生のお話ですが、この後ビデオ編集を行い、
Youtubeで公開する予定。
そちらの作業も ぼちぼち進めねば、ですね。

今後、3Dプリンター界隈との絡みも有りそうな状況です。
多方面で役に立てるイベントに育つといいなぁ。

2022年5月5日木曜日

3Dプリンターの電気代を測定

 Sermoon D1の導入以来、ガシガシと出力を続けてきたわけですが、
ふと考えると結構な電気代が発生いるような気がします。
なにせ300Wクラスの電源を搭載し、高温を扱い装置の割に、
特に断熱遮蔽を考慮されているわけではありませんので、
結構な電気を長時間消費すると思われるわけです。

趣味の範疇であれば大して気にすることもないかもしれませんが、
3Dプリンター出力品を業務の一部として出荷するような際には、
当然ながら原価の一部として考慮する必要があるかもしれません。

ということでこの機会に実測してみることにしました。

当方ではAC電源のモニターを行う物として、
「V/Aプローブ」というユニットをリリースしております。
確かにこれで電圧と電流値をモニターできるわけですが、
今回問題である消費電力量については別途計算処理が必要になります。
なのでお手軽さに欠けてしまいます。

そこで今回は市販の測定/表示器を使うことにしました。

該当機種はそれなりに沢山存在すると思いますが、
今回は入手性の点から以下の2機種を選定。

・サンワサプライ TAP-TST8N
・ELPA  EC-03EB

どちらも民生用製品ですので、産業用測定器ほど高価で高精度ではありませんが、
今回は目安を知りたいだけなので これで十分です。

いつものようにヨドバシへ発注すると すぐに届きました。
さすがですねぇ。
ちなみにどちらも価格は大差無く、3千円しませんでした。
非常にリーズナブルだと思います。

パッケージは以下のような感じ。


















左側がサンワサプライのTAP-TST8Nで、
右側がELPAのEC-03EBです。

どちらもコンセントに直挿しする様、本体とプラグが一体構造です。
被測定を繋ぐ出力コンセントが製品底面に有るのも同一構造。
パッケージのサイズは ほぼ同じですが、
製品本体のサイズはTAP-TST8Nの方がコンバクトです。

外観で違う点としてはEC-03EBの方には電源スイッチが存在します。
これは元のコンセントから供給電源ラインに入っているようで、
電源スイッチをOFFにすると、この電力計のみならず、
繋がっている機器の電源も切れます。
これはちと便利かと思いきや、容量に余裕が無いスイッチを使っているようで、
日常的にこのスイッチで接続機器の電源ON/OFFを行うなと、
説明書に記載されています。
実際のところ、このスイッチの出番は少ないかもしれません。
そうなると、TAP-TST8Nに電源スイッチが無い点はマイナス点ではなくなりそうです。

表示部を見てみると、TAP-TST8Nは2行表示、
EC-03EBは1行表示という違いがあります。
いらない表示がゴチャゴチャ出ているのは感心しませんが、
これに関してはTAP-TST8Nの勝ちかと。
実際、この2行表示は便利です。

どちらの製品も、電源はACコンセントから取っています。
電池等は使われていません。
その為、コンセントから抜いて電源が切れると、
それまでの測定結果は全て消えてしまいます。
この点も簡易測定器という観点から仕方無いところですね。

マニュアルを見ていて気付いたのですが、
EC-03EBには電気料金の設定機能が有りません。
1KWh当り幾ら、という設定値の話です。

どちらの製品も、使った電力量から電気代を計算して表示する、
という目的の製品なわけですが、すると当然、電気料金が重要な項目になります。

この電気料金ですが、実は結構面倒な話がありまして、
簡単に言えば、たくさん電気を使うと電気料金が上がる仕組みになっています。
普通、たくさん商品を買うと単価は安くなることが多いですが、
電気については逆になっているという話です。

今回の製品2つとも、電気料金はデフォルト値が設定されていますが、
どちらも1KWh約22円になっています。
ところがうちは結構電気を使っているので、一番高いランクに達しています。
すると1KWh約33円くらいなんですね。
さすがにこれだけ異なると概算とはいえ誤差レベルでは済みません。
なので電気料金の設定変更が出来ないEC-03EBは
うちでは実用するのは難しいと言わざるを得ません。(;;

とは言えせっかく購入したのですから、実際に2つとも動かしてみることにします。










上記のように、2機種を直列に接続し、Sermoon D1に繋ぎます。
どちらの機種も液晶にバックライトが無い為、
フラッシュを炊いて写真撮ると、表示がよく見えません。(;;

この状態で約20時間ほどかかるABS品の出力を開始します。
TAP-TST8Nの方は電気料金を1KWh33円に設定済みです。
なおこの設定ですが、電源を切るとリセットされてしまうそうなので、
毎度設定する必要があるのは残念なところ。

そして出力終了時点での表示が以下。









 

上側がTAP-TST8Nで、下側がEC-03EBです。
TAP-TST8Nは上段に電気代、下段に電力量が表示されています。
3.86KWh消費し電気代が129円という結果。

EC-03EBは1行表示なので電力量のみ表示していますが、3.89KWhという結果。
TAP-TST8Nと若干値が異なっていますが、誤差範囲でしょう。
そもそもどちらも誤差を含んでいるわけなので、
どっちが正解に近いかは判断が付きません(笑)
ちなみにカタログスペック上はTAP-TST8Nの方が誤差少ないことになっています。
EC-03EBを実用する場合は、この測定値に電気料金を掛けて、
自分で電気代を算出する使い方になると思われます。
3.89KWh×33.5円で、約130円という結果ですね。

ちなみにEC-03EBの表示を切換、料金表示にしてみたのが以下。










約86円ですから、上の計算結果と5割くらい異なっていますね。

そんなわけで、EC-03EBはお蔵入りし、TAP-TST8Nを常用することにします。 


追記

書き忘れてました。
どちらの機種も消費電力を表示する機能があります。
3Dプリント中に消費電力も見ていましたが、
一番電気を食っていたのはヒートベッドがONした直後でした。

投入直後は一気に400W近くまで!!
この3Dプリンターは400Wも出せるスイッチング電源を積んでるんですね。
その後だんだんと下がっていき350Wを切るくらいまでになりました。
ヒートベッドの昇温中は この状態を維持。
温度が上がりきると、制御がかかって半分くらいに下がりました。

その後、3Dプリント出力がスタートするわけですが、
出力中は160~170Wくらいを維持してました。

2022年5月1日日曜日

フィラメントが絡むトラブル

 先月末に格闘していたトラブルの話です。

いつものようにABSでパーツを出力していたところ、
気が付いたらノズルから溶けたフィラメントが出てこないまま、
プリンターが稼動する状態になってました。

よく見ると、フィラメントがリール内で絡まり、引っ張っても出てこない状況。
エクストルーダー部ではフィラメントをガシガシ削ってる状況でした。

今まで起きたことがない状況だったので、たまたま起きてトラブル?
程度の認識で再出力を開始したものの、ほどなくまた同じトラブル発生。
手でほぐしながらプリンター出力を行えばいいのですが、
それだと常時プリンターに張りついていなければなりません。
12時間ずっととか無理無理(笑)

そんなわけで改めて本腰入れて対策を考えることに。

このトラブルの発生原因の1番はフィラメントの巻きグセでした。

新品フィラメントを開封して使い始めた頃だと、
リールの外周部を使っているわけですが、
その辺りのフィラメントは巻きグセが付いてると言っても、
自然状態でリールより膨らむ感じになるので、
絡みが発生することはありませんでした。

ところがフィラメントを消費していき、リールの中心部近くになっていくと、
巻きグセが非常に強くなっていきまして、
リールから膨らむ方向ではなく、リールよりも小さく丸まる方向に力がかかるんです。
これが最大の問題点

そして、 プリンターに装着されているリール台は、回らない単なる棒。
この棒の上をリールが滑るように回るわけですが、
特に滑りが良いように工夫されているわけでもないので、
エクストルーダーの動作でフィラメントが引っ張られると、
リールには相応のテンションが発生することになります。
それによりリール上で巻き締まりという現象が起きるんですね。
これが2つ目の問題点

上記2つの問題が相まって、たまたまリール上でフィラメントが引っかかったりすると、
そのまま ぎゅうぅぅっと締まっていき、絡み状態の完成と相成るわけです。

試しにリール台の棒に滑りを良くするテープを巻いてみましたが、解決には至らず。

他にも色々検討してみたものの、根本的な解決策は見つかりませんでした。

結局、リールからフィラメントをガッツリ引き出して
床の上に展開することで、なんとか長時間の出力に対処できるようになりました。
しかしこれ、床の上のコイル状になったフィラメントが走ってる状況なので、
油断すると足を引っ掛けてしまう危険な状態。
できれば避けたいところです。
なので現在も対策を模索中です。

お金に物を言わせるのなら、
半分くらいまで減った時点で新品リールを開封して入れ替える、
なんて手もありますけど、現実的ではありませんね(笑)

2022年4月26日火曜日

チューブカッターを暫定公開しました。

 開発中でした「チューブカッター」ですが、
カット長を設定するストッパー部の設計が難航しております。

色々な機構は思いつくものの、構造が複雑で高コスト。
なかなかベターな物がまとまりません。

その為、カット長の設定はできないものの、
カットの動作は可能なことから、現状で暫定公開することにしました。

データー置き場に圧縮ファイルが置いてありますので、
ご興味ある方はぜひ作ってみてください。

データー置き場 

一番大きなパーツはベースプレートで、
約12×18cmほどです。

一部の部品は入手に難儀するかもしれません。
その際は当方に問い合わせください。

まだまだ改良の余地は有ると思っておりますので、
何か気が付きましたらぜひアドバイス頂けるとありがたいです。

ストッパー部については、引き続き設計を進めますが、
もし皆さんの方で良さそうな代物が出来ましたら、
公開していただけると助かります。

今回公開したデーターの著作権は放棄しませんが、
リクエスト頂ければSTEP形式のファイルをお渡しできますので、
問い合わせください。

以下の写真はプロトタイプ3号機です。


 

2022年4月17日日曜日

先に書いたSermoon D1のクリアランス問題、かなりやっかい

 ロッドのたわみによるホットエンド部の下がり問題、
簡単には解決出来なさそうです。

先日の展示会にて、他社製の3Dプリンターをまじまじと眺めてきましたが、
同等サイズの機種になると、どれもXY軸Iには角レールを使ってるものばかり。
丸棒のロッドを使ってる物はありませんでした。
やはりロッドだと剛性が足りないと解ってる模様。

機構部品メーカーさんに相談してみたものの、
ロッドのサイズを太くする以外、対策は無いという結論に。
セラミックのロッドでも入手できるなら可能性有るかも?という話ですが、
一般的に入手できる代物ではないのでした。

実際にシミュレーターで計算してみると、
現状のφ10から、φ16くらいに太く出来たなら、
たわみが1/4~1/5くらいに減ります。

レールに置き換えるよりは楽かもしれないものの、
これだけサイズアップさせるとなると 結構な改造になる感じがします。
機構部の完全な図面でも有れば 少しは楽になのでしょうが・・・・・

やはり買い替えを検討した方がベターなのかな?

2022年4月13日水曜日

Sermoon D1のクリアランス問題の原因が解ったかも

 以前の記事で、ノズルクリアランスがプラットフォーム中央で狭くなってしまう問題点を
記載しましたが、どうやらこれはガラステーブルの問題では無い模様。

当初はガラステーブルの中央部が盛り上がっているのが原因かと思ってたものの、
なんと、ホットエンド部が下がってたのが原因っぽいのです。

Sermmon D1のホットエンド部はエクストルーダー一体なので、そこそこの重量が有ります。
更にこの機種では、Y軸の可動機構がホットエンド部と一緒にX軸方向に移動するスタイル。

すると、Y軸のスライド機構には掛かるのはホットエンド部の重量だけですが、
X軸のスライド機構には、ホットエンド部+Y軸の可動機構部の重量が掛かるんですね。

Sermoon D1のスライド機構部はφ10のリニアロッドが2本並行して使われています。
idboxではφ6を2本ですから、それに比べれば頑丈に思えますが、
ロッドの長さが全然異なるんです。

idboxでは約20cmくらいですが、Sermoon D1では約40cm。
しかも、ロッド2本と言っても、テーブルと平行に2本の配置。
これだとZ軸方向に対する剛性に疑問が出ます。

最近は便利なもので、荷重による歪み具合を計算できるサイトというのが存在するんですね。
これを使ってロッドのたわみ具合を計算してみることにしました。

ホットエンド部の重量が不明なので、Y軸可動機構部の合わせて1kgと仮定してみます。
すると、ロッド中央部では約0.15mmのたわみが発生するとの計算結果。

実際にはロッドが2本なので上記の値よりは少なくなるはずですが、
半分としても0.075mm。

そして、これがX軸・Y軸の両方で発生するわけですから、
単純計算だと2倍近くになることに。
すると0.075mm×2で、やはり約0.15mmという結果になります。

この計算結果どおり、ロッドのたわみによりホットエンド部がテーブル中央部で
約0.15mm下がっていたとしたら、実際のクリアランス調整時の感覚と合致するんです。

更に先日、ホットエンドでフィラメント詰まりが発生した際に、
機構部に挟まったフィラメントを引き抜くのに 上に引っ張ったわけですが、
やはり結構ホットエンド部が上下に動くんですね。

この事実からも、X軸・Y軸ともに剛性が不足している模様。

改造して角柱のスライドレールに入れ替えるのはほぼ無理なので、
BL-Touchを導入してノズルクリアランスの自動補正をかけるしかなさそうです。
一応、本国の方では対応が進んでいるようなので、
日本向けの対応をサンステラさんが進めてくれるのを待ってる状況です。

2022年4月9日土曜日

先日書いたチューブカッターの話

 新製品っぽい書き方をしましたが、基本的には同人ハード扱いにしようと考えてます。
需要がどんだけ有るのか不明ですが、うちで製造を行うのは手間食うもんで、
STLデーターの形で公開するつもり。

そのデーターから自分用のチューブカッターを作ってくださいというスタイルです。
もちろんそれを他人に販売するはNGですが。 

ネジやバネ等の機構部品は3Dプリンターでは作れないので
別途購入する必要がありますが、個別に購入すると効率悪いので、
当方から販売する手もあるのかなぁとも思ってみたり。

3Dプリンターを持っていないけれど、チューブカッターが欲しいという方には
個別に応相談かなぁ。
なにせ、3Dプリンターでの出力に数日かかる代物なもんで・・・・・・

2022年4月6日水曜日

チューブカッター公開

 カット動作の実動作確認が取れたので、公表しまーす。

「チューブカッター」を開発中です。

これは熱収縮チューブをカットする為の冶具で、
市販のカッターナイフ用の刃を使用します。

カット動作については確認できたのですが、
まだ全機能の設計が終わっていない為、
リリースは もうちょっとお待ちください。











構想自体は結構前から有ったんですが、
優先順位が低かったので後回しになっていたんですね。

ところが、昨今の資材不足の影響で収縮チューブのカット品が
安定入手不可状態になってしまい、
チューブカッターの必要性が俄然高まってしまったのでした。

それで昨年末辺りから ちまちまと進めていた次第。

2022年4月4日月曜日

ちと辛口の話

 Sermoon D1に関する話で、ちょっと辛らつな話です。

先に書いたように、うちに有るSermoon D1は、出力品のサイズが、
若干小さくなってしまいます。
設計寸法100mmのところが、約99.5mmくらいになってしまう。

これを日本国内代理店のサンステラさんに打診したところ、
こちらから渡した検証データーを使って比較テストしてみることに。
その結果、先方のSermoon D1では99.9mmという結果になったそうです。
この値だとメーカー規定の誤差範囲内なので、これで話は終わりですと、
サンステラさんから終了を告げられたというオチ。

ここで頭の良い皆さんはお気づきかと思いますが、
実は何も問題は解決していないんですね。
メーカー規定の誤差範囲内に収まっているのは、
サンステラ社内に有るSermoon D1であって、
当方に有るSermoon D1には 全く関係無い話。

そもそも同一のデーターならば、同一寸法で出力されるはずなのに、
サンステラ社内のプリンターと、うちにあるプリンターとで、
出力サイズが異なってしまう問題を無視しているわけです。

それらから推測される結論としては、所詮中華製3Dプリンターなのだから、
その程度の品質の製品として認識してくれないと困る、
というサンステラさんの意向です。

確かに中華製3Dプリンターですから、品質に難が有るのは予想してましたし、
そう言われてしまうと反論できないところ(笑)
しかし代理店として 何も対応してくれないに等しい状況であることを考慮すると、
わざわざサンステラさんから購入する必要は無いんじゃないかと思う次第。
中国から直接輸入した方が 価格面でのメリット分、得なんじゃないかと思ったり。


idboxのようなオープンソースの3Dプリンターならば、
今回のような出力サイズの不具合もファームウェアの調整で対処可能。
しかしSermoon D1はファームのソースが非公開で、代理店も対応せずとなると、
修正する方法が有りません。
詰んでる状態です。

もうちょっとお金出して、Prusaを買えば良かったなぁと思ってる現状です。

2022年3月30日水曜日

Sermoon D1の不具合

 先に書いた不具合について、サンステラ様へ問い合わせていたのですが、
早速回答を頂きました。

出力品のサイズ問題について

これについては当方から検証用データーを送付し、
それをサンステラ様にて出力して頂いた上で寸法を測る、
という作業を行って頂いたのですが、結論としてはメーカー許容誤差内とのこと。

許容誤差の値は明記されていないわけですけれど、
そう判断されてしまった場合は、もうお手上げですね。(笑)
そもそもサンステラ様が作っているわけではないですし。

この辺にこだわるのであれば、一流メーカー品を購入するのが筋だと思うわけです。
動かないわけではないのですから、状況に応じて対処するのが、
メイカーの3Dプリンター道だと思う次第。


ガラステーブルの平坦性について

これを工業的に測りたければ、専用の測定器が必要なわけでして、
もちろんサンステラ様がお持ちのわけはなく・・・・・・・

ということで金尺を使って平らかどうかを調べて頂きましたが、
やはり凹凸が存在するとのこと。
しかしこれもメーカー規定が無いそうで、対応不能とのこと。
つまり、そもそもメーカーが平坦性を担保して作っていない可能性が強いという話。

私の手持ちプレートが たまたま歪んでいるだけという話ならば、
新たにプレートを購入すれば解決するかなと考えていたわけですが、
こうなると新たに買ったプレートも歪んでいる公算が大です。

これはちょっと やっかいですね。
対処方法が すぐに思い浮かびません。

2022年3月29日火曜日

Sermoon D1の出力補正

 先の記事で、Sermoon D1の出力物が若干小さくなると書きました。
実際にサイズ測定用のパーツを出力できたので改めて測定。











カメラがノギス正面に居ないため、目盛が読みづらいのですが、
99.4mmという値になっています。

このパーツは縦横それぞれ100mmというサイズ。
なので約0.6%小さくなってしまうのが確認できました。

1%以内ならば実用上支障無しと仰る方も居りますが、
実際これだけサイズが変わるとビス穴の位置が変わってしまい、
組み付けが出来ません。
もちろん、樹脂の伸縮が有りますからゼロというのは無理ですが、
0.1%くらいには収まって欲しいところ。

 

この修正ですが、現状ではスライサー出力時のスケール変更して手が有りません。
ということで、早速試してみました。











これが同データーを100.6%で出力したものです。
だいたい100mmくらいになっている感じです。

メーカーが修正対応してくれるまでは、
この倍率で出力することにいたします。