2023年10月29日日曜日

ワイヤーストリッパー 更新

 電線加工にはワイヤーストリッパーが欠かせないわけですが、
カッターナイフ等のように 明白に刃の劣化を感じることが少ないので、
買い替えタイミングは なかなか難しいところ。

以前にも書きましたが、私はホーザンのP-967というワイヤーストリッパーを愛用してます。
ここ10~20年の間で、一番のワイヤーストリッパーと実感している代物です。

長年愛用してきましたが、もう何年使い続けてるか よくわからない状態。
少なくとも5年は使ってる気がします。

さすがにそれだけ使い続けていれば 当然刃も摩耗してくるというもの。
ましてや このワイヤーストリッパーは うちの刃物の中でも使用頻度はトップクラス。
当然劣化していておかしくないわけですが、
かと言って被覆が剥けなくなったということも無かったのです。

しかし今月以降、大量のケーブル加工が控えていることから、
この機会に買い替えてみることにした次第。

 

左がお古で
右が新品






 

 

こう比べてみると、確かに年季を感じますね。
ワイヤースケールの印刷も かなり見づらくなってしまってます。

バネは消耗品扱いで交換可能なのですが、
ここまで一度も交換したことはありません。


さて実際に新品を使い始めてみると・・・・・・
うあ、こんなに刃が劣化してたのか!!

被覆を剥く際に必要な力が全く違うのです。
ワイヤーストリッパーでは完全に被覆を切ってしまうと、
芯線まで傷つけてしまう可能性があるので、
わずかに被覆を残すくらいまで刃を入ります。
そしてわずかに残った被覆は引っ張られた際に千切れるわけです。

被覆剥きの力具合の差というのは、残った被覆の厚みということになります。
数本くらいなら大差無いかもしれませんが、
大量の電線を加工する場合、腕の疲れの差になって表れてきます。
やはり買い替えて正解でした。

それにしてもホーザンさん、いい製品を作ってくれて改めて感謝です。

2023年10月8日日曜日

X68000Z BLACKのUSBポート

 現時点で完売と言う、大好評のX68000Z BLACKですが、
USBポートの電源供給能力が、EAK品と異なってるぽいと言う話も出てきました。
その為、EAK品では使用できてた機器がBLACKでは使用できないという、
そんな悲鳴を小耳に挟んだので、実機を借りて調べてみることにした次第。

X68000Zを貸していただいた たんぼ様に感謝です。

さて、具体的な調査ですが、専用の電子負荷なぞ持っていないので、
以下のような治具を急造。









 

精密抵抗ではないので、工業試験のような精度のデーターは取れませんが、
今回の目的は大雑把な動作の傾向を見る事なので、これで十分かと。

 

それともう1つ、X68000Z BLACK用の純正電源が無かったので、
秋月電子のACアダプターを使用しています。
USB電源チェッカーも併用し、
ACアダプターがオーバーロードにならないことを確認してますが、
電圧特性が純正品と異なる可能性があるかもしれません。


さていよいよ調査開始です。

まずは最大出力電流の測定。
以下のような回路をUSBポートに繋ぎ、調査。






 

 

すると、約0.7Aでリミッターが働くことを確認しました。
動作が非常に速いので、半導体ヒューズではなく、全て電子制御の模様。

 

次の調査は全出力容量の調査。
X68000Z BLACKのUSBポートは2.0準拠らしいので、
各ポートで0.5A取れるはず。
ということで、4つのUSBポート全てに0.5Aの負荷を繋いでみることに・・・・

と、ここで驚くべきことが判明!

電流容量制限は2ポートセットで行われてました。
以下の写真のように、X68000Z BLACKにはUSBポートが4つ存在します。









 

しかし電源管理は上段2個、下段2個という括りで行われているのです。

先に電流は約0.7Aまで取れると書きましたが、
上段の左側で0.5A出力すると、上段の右側では0.2Aしか取れないということです。
下段も同様です。
上段トータルで0.7A出力しても、下段トータルて0.7A出力は可能なので、
USBポート全体では1.4Aまでは出力可能ということになりますが、
ちょっと使いづらい感じですね。


では次に実際の動作速度を見てみます。
下記の回路を繋ぎ、波形から反応速度を測ります。







 

まず、出力断までの反応速度測定。







 

 

電流測定用の2.2Ωの抵抗の電圧をオシロで見ているわけですが、
0.7Aで出力断とすると、2.2Ω×0.7A=1.54V。
ということで、1.54Vにてトリガーをかけています。

DSOの測定機能を使って時間を測ってみた結果、474.5μsで出力断になります。
約0.5msという感じですね。
これだけ反応が早いと、突入電流が存在するUSB機器は使えない可能性が強いかと。


最後に復帰時間の測定。







 

 

約1.25s位で自動復帰します。
復帰してもすぐに出力断してしまうのですが・・・・・


とりあえず、大雑把ですが状況は把握できました。
X68000Z BLACK用の周辺機器開発は ちと気を使いそうですね。