シャープのX68000はオーバーホールで延命させて温存してる方が そこそこ。
そのオーバーホールの内容の1つが電源ユニット内の消耗部品交換。
時期的に4級塩を使用している電解コンデンサーが多用されている為、
部品交換を行わないと液漏れにより確実に基板が腐食されます。
X68000の電源ユニットの基板は片面ガラエポ基板です。
コストを考慮すると この時期ならば妥当なところ。
この当時の基板は銅箔の接着力が現在よりも弱く、
ハンダごてによる加熱で銅箔が剥がれる事故も少なくありません。
前述の液漏れによる腐食も相まって、基板を交換したくなるケースも出てきます。
しかしどの電子機器でも同様ですが、基板は部品としては入手不可。
ならば、同等機能の基板を作ってしまえば済むのでは?
という発想からスタートしたのが今回のプロジェクト。
名付けて、「X68000電源基板代替計画」?(笑)
X68000の電源ユニットの基板は複数種存在しています。
今回はそのうち、SH4と呼ばれているタイプをターゲットにします。
このタイプはEXPERT以降のツインタワー型に使用されている代物。
たぶんニーズが最も高いタイプと思われます。
その他の電源ユニット用基板についてはニーズの観点もさることながら、
現物が手元に無い為、そもそも設計が出来ないんですね。
ですのでとりあえず、SH4についてのみ、進めることとします。
で、現時点の設計状況がこちら。
基本としては、部品をそのまま載せ替える前提の設計です。
ですが、どうせなら・・・ということで 少々カスタマイズは加えています。
1.両面基板化
オリジナル基板は片面基板でしたが、
メイカー向けの基板だと両面でも片面でも値段が一緒。(笑)
ならば両面の方が好ましいわけですね。
ただ、オリジナル基板には存在しなかった、
TOP面パターンと部品間のクリアランスという要素が発生するので、
設計にはそれなりに気を遣う必要が出てきます。
2.CN1のマルチタイプ化
AC入力コネクターであるCN1ですが、オリジナルはMOLEXの5289-2A 。
このコネクターも液漏れを喰らって腐食するケースが割と有るので、
交換したくなるところですが、製造中止で入手できません。
そこで、JSTのVA形コネクターにそっくり置き換え可能にしました。
もちろんMOLEXの5289-2Aも実装可能なので、
スルーホールが若干長穴になっています。
3.ヒューズホルダーの変更
F1のヒューズホルダーはホルダー端子部のみを基板にハンダ付けするタイプ。
省スペースでコストも安い事から、割と使われることが多いのですが、
これを取外すのは ちとメンドイです。
ハンダ槽が有れば なんとかなるとは思いますが、
ハンダ吸い取り機や吸い取り線を使って取外すのは 結構手間かと。
ですのでこのヒューズホルダーは付け替えを諦め、
新たなヒューズホルダーに置き換える方向にしました。
選んだのはマル信無線のMF-563です。
これならば入手性も問題無いかと。
4.C1とC2のリードピッチ対応を拡充
C1とC2のフィルムコンデンサーですが、
オリジナル基板では15mmピッチ品が実装されています。
このコンデンサーをそのまま載せ替えるならば、
15mmピッチのパターンを用意すれば良いだけなのですが、
何らかの理由でこのコンデンサーを新品交換したいとなった場合、
代替部品の入手性があまりよろしくないんですね。
そこで、7.5mmピッチの部品も実装可能にしてみました。
想定しているのはルビコン製125MMBA224K。
これならば入手性も悪くないです。
5.C9の対応サイズ拡大
オリジナル基板ではC9はφ22と決まっておりましたが、
新基板ではφ25も載せられるスペースを確保しました。
代替品の選択が楽になると思います。
6. C32のリードピッチ対応を拡充
C32のセラコンは7.5mmピッチ品がオリジナルですが、
5.0mmピッチ品も実装可能にしました。
7. D27の対応パッケージ拡充
D27はTO-3タイプのダイオードですが、
現行品で同パッケージの入手はかなり厳しいです。
そこでTO-220パッケージのダイオードも実装可能にしました。
TO-220型であれば、入手は容易です。
8. 小径電解コンのリードピッチを最適化
オリジナル基板では小径電解コンのリードピッチが全て5.0mmになっていました。
これらは所謂リードフォーミング品ですので、
全く同じ物を市場で入手するのはほぼ無理です。
そもそも電解コンは消耗部品ですので、
オーバーホールの際は必ず新品交換するところ。
ならばわざわざリード加工が必要な5.0mmピッチにする必要性がありません。
ということで、全て各コンデンサー径に合わせた通常ピッチにしました。
これで新品交換の際、リード曲げ加工が不要になります。
9. C31、C34、C35のサイズを拡大
これらはオリジナルとだと電解コンデンサーですが、
当方の在庫を踏まえ、OSコンに代替できるようにサイズ変更いたしました。
OSコンの方が太いので、通常の電解コンを実装する事ももちろん可能です。
10. 1/6W抵抗のリードピッチを改善
オリジナル基板では1/6W抵抗は全て200milピッチになっています。
結構ギリギリのサイズの為、足曲げが面倒に感じる方もいらっしゃるかと。
全ての抵抗までは対応できなかったのですが、
可能な範囲で300milピッチへ変更を行いました。
リードピッチが変わったので、オリジナル基板からの載せ替えが不可になりますが、
基板交換の際は抵抗も新品交換推奨ですので、実害は少ないかと。
11. 1/6W抵抗をチップ抵抗にて代替可能に
全ての1/6W抵抗に対し、チップ抵抗用のパッドも用意しました。
対応サイズは1608もしくは2012です。
チップ抵抗用パッドはBOTTOM面に配置しています。
リード抵抗を使うかチップ抵抗を使うか、お好みで選択可能です。
以上のような変更内容となっております。
この基板については現在のところ頒布は未定です。
電源装置の基板という、危険性を伴う部位だからです。
それなりの知識と技術を持っている方が前提となりますので、
そのような方々が対象であればお渡ししても構わないかなとも考えてますが。
今後の展開について
IC22の代替検討
IC22のサンケン電気製SI-3122Vは代替品が存在しません。
回路変更も含め、他のレギュレーターへの変更も検討したいところ。
その場合は別な基板を起こす話となります。
L1の代替検討
L1の松下製ELF18D433も新品の入手は不可。
もしこれを代替する場合、全く異なる部品に置き換える必要があります。
その場合もやはり、別基板を起こす話となってしまうわけですが、
L1が壊れたという話は耳にしたことが無いので、必要性は希薄かも。

