某組配案件にてパネル固定のBNCコネクターを使用。
複数取り付くのですが、きちんと向きを揃えなきゃならない。
四角フランジが付いててビス4発で留めるタイプならば問題無いのですが、
今回取り付けるBNCコネクターはナット1個を締めて固定するタイプ。
一応、板金の開口はDカットが施されてるので、
大幅に捻じれて取り付くことはないものの、
穴のアソビのせいで若干捻じれてしまうのでした。
なので手調整で向きをなるべく揃えているわけですが、どうにも効率が悪い。
というわけで、治具を考えてみました。
治具自体の傾きを防ぐため、2つのBNCコネクターを跨ぐような構造。
この治具を装着したまま、2つのBNCコネクターのナットを締めればOKなはず。
これ、どちらもmeviyで見積。
2ピース構成になっていますが、奥の方が治具の本体。
(上図には描かれてませんが、M2.5の皿ビスで合体させます)
加工精度と ある程度の硬度が必要なので、本体はアルミの切削品です。
ステンでも作成は可能ですが、重さの点で作業性が問題なるかも。
3Dプリンターで自作を考える方も多いでしょう。
3Dプリンターでの造形自体は可能だと思います。
しかしABSやPET等で出力した場合、BNCコネクターを締めた際に
コネクターの突起が若干食い込んで、治具が抜けなくなると思います。
そういう意味で、硬度が必要という話なのでした。
無垢のアルミだと懸念が残るので、念のためアルマイト処理もかけています。
ちなみにポチコンで出力するならば3DプリンターでもOKかも?
BNCコネクターが嵌る部分は公差を設定してます。
ネックはBNCコネクターのロック用突起を嵌める溝。
仕様で、公差指定すると切削深さの制限が発生するんですね。
MAX4mmという仕様なので、深さ4mmで設計。
しかしこれだと治具がBNCコネクターの根元まで刺せず、
パネル面から浮いた状態になってしまうので、
前面にスペーサーのような板を付けるという構造になりました。
この前面板は切削ではなく板金で十分。
板金加工で樹脂が選択できるので、ポリカーボネートを選択。
これならBNCコネクターが取り付く板金の表面を傷つける可能性が減りますので、
一石二鳥の構造となりました。
気になるのはお値段ですが、通常納期でも、2つ合わせて1万円以下でした。
治具ですから単発の代物です。
それがこの値段で1つから作れるのですから、大助かりですね。