2025年7月5日土曜日

X68K電源の動作確認

 X68000電源ユニット用のテスト装置を作製し、
ここで公開しておりましたが、実際にどんな作業を行っているか、
ちょこっと書いておきます。

 

まず、テスト対象の電源ユニットをケース取外した基板のまま、
テスト装置にセットします。 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケースに放熱している一部の部品は、
そのままだと放熱できずに熱破壊してしまうので、
各々に放熱器を取り付けています。 

電源ユニットの出力線はダミー負荷ユニットに接続します。

この状態ではダミー負荷の基板上のLEDはもちろん全て消灯してます。
SW1がOFFになっていることを確認します。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

では次に、電源ユニットにAC100Vを投入します。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

するとVCC2系統が動作開始し、 D2が点灯。
この段階で異音等の不具合が無いかを確認。
また念のため、VCC2のチェックピンにオシロスコープを繋ぎ、
異常発振が起きてないかも確認します。
(異常発振が起きていれば音で判りますが・・・)

 

ここまで問題無ければ、いよいよSW1をONにします。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、+5V、+12V、-12Vの各系統が出力開始し、D3が点灯します。
また、電源ユニット基板冷却用ファンも回り出します。
異常発振が起きていれば明らかな異音が出るので、即SW1をOFFにします。 

+5V、+12V、-12Vの各チェックピンにオシロスコープを繋ぎ、
異常な波形が出ていないことを確認します。

この状態で1日以上連続稼働させ、異常無い事を確認。
これで電源ユニット基板のチェックは終了です。 

2025年7月3日木曜日

TMAF2025は無事終了

 今年のTMAFは好天で非常に暑かったです。

普通なら「好天に恵まれ・・・」と言うところですが、
体感で関東地区並みの暑さともなると、熱中症のリスクも跳ね上がり。
こうなると快適な状況とは言えなくなるのです。

肌露出の多いレイヤーさんならともかく、
鎧等で重武装したレイヤーさんには地獄の環境だったかと。
救急車の出動は無かったようですが、とにかく過酷でした。

スタッフも水分補給が追い付かず、ちと脱水気味な感じ。
来年は もう少し落ち着いてくれることを期待しましょう。

 

暑さもヤバかったわけですが、スタッフ不足もヤバかったです。
年々手が減っていってる感じしてるのですが、
今年は特に金曜の準備中の人手不足を顕著に感じました。

翌日はもうイベントですから、是が非でも金曜中に準備を終わらせなければなりません。
手が足りない分は、居るメンバーの負担を増やすしかないわけで・・・・

この調子だと、隔年開催とかも検討した方がいいのかもしれませんね。 

2025年6月16日月曜日

基板のビアに対するレジスト

基板設計において、ビアにレジストを被せるか抜くか、
結構意見が分かれてる様に見えます。

実際、これが正解!!という話を耳にした事がありません。

そんな状況下、とある方が公開してる動画で、まさにその話をされてました。
曰く、ビアの両端がレジストで封鎖されていると、
ビア内部の銅が腐食してしまう場合がある、というもの。

その為、ビアにはレジストを被せず、両端を開放しておくか、
ビアの穴を埋めてしまう加工を施した上でレジストを被せるべき、
という主張でした。

 

この方も経験則に基づいて話されていたようなので、
間違ってるとは到底思えません。

ただ1点気になったのは、なぜ銅が腐食するのか、というところ。
これについては言及がありませんでした。

 

銅は大気中に放置すれば勝手に腐食して消滅するもの、
ではありませんよね?
ならば、腐食を起こす何らかの原因が有るはずです。

その観点から考えた時、真っ先に思いつくのはフラックスです。 

機械実装の際、基板にフラックスを散布することがあるので、
それがビアの中に入り込むことは容易に想像できます。
そのフラックスが要洗浄品だったにもかからわず、
ビア内部まで洗浄が行き届かずにフラックスが残ってしまうと、
先の様な腐食が起こってしまう可能性があるかと。

 

もしこれが原因だとしたら、単純に腐食性の無い無洗浄フラックスを使えばいいだけ。
レジストが被ってる/被ってないとは無関係の話になるのです。

 

更に言えば、レジストが被っていないビアでも腐食を起こしてる事例を見てます。
結構古い製品での話なので、たぶんこれもフラックスによる腐食。
こうなるとレジストを抜いてるから安心、とは言えなくなるわけですね。

 

ちなみに当方の場合、ビアにレジストを被せてます。
これは表面実装タイプのICに隠れてしまうビアに対し、実装不良を防ぐ目的です。 

フラックスは全て無洗浄タイプを使ってます。

こんな感じで、未だにビアの腐食事故は起きたことがありません。

 

果たして 何が正解なのでしょうね? 

X68K電源テストベッド用の冷却ファン

 先に書いたX68K電源のテスト用ベッド、
つくまた2にてデモ展示を行うつもりなのですが、
冷却ファンの部分が もしかしたら運搬中に壊れる可能性あるのでは??
というささやきが脳内にこだましてきた為、ちょっと改良することに。

現状はファンの下側2つの穴のみで固定しているのですが、
ステー金具を立てて3つの穴で固定する様にします。
これで強度は かなり上がるはず。

ついでに冷却ファンも更新することに。
現状は アイネックスのCFY-90Sを使っております。
静音性が高いので良い代物だと思ってますが、
もう少し風量を上げてもいいかな?と思った次第でして、検討を加速してみました。

92mm角だと選択肢が限られてしまうのですが、
最終決定したのはオウルテックのSF9-S4。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、中身は山洋電気の9S0912L4031なのです。
別に山洋電気製が欲しかったわけではないのですが、
CFY-90Sより少し風量を上げたいとなると、この辺りしか見つかりません。

山洋電気製なので値段もそれなりで、CFY-90Sの2倍以上します。 
それでも同製品を流通業者から購入するより遥かに安いです。
オウルテックさんが纏めて仕入れてるおかげかと。

つくまた2のデモ展示機には、このファンを付けたものを用意します。 

2025年6月15日日曜日

洞爺湖マンガアニメフェスタの先行き

 また今年もTMAFの時期が近づいてきましたね。
これだけ回を重ねると もう安定期に入った、様に感じるかもしれません。

しかし実際のところ、そんなこと無いんですよね。

私から見て一番の問題点はボランティアスタッフが減っている事。
ボランティア以外のコアスタッフは そんなに沢山居ないので、
ボラスタが居ないとイベントが回らないのです。

事実、ボラスタ不足の影響で、以前よりもコンテンツが減っています。

この調子でボラスタが減り続けると、更にコンテンツを削る必要が出るかと。 
するとイベントの厚みが減るので、来場者数に影響出る可能性が。

それともう1点の懸念点は、イベントの運営費。
TMAFはパンフレットの売り上げで成り立っているものの、
来場者数に対するパンフの販売数の比率が下がっているっぽい。

これ、皆がお金を出し渋ってるという話ではなく、
インバウンドの影響が大きいんじゃないかと思ってます。

昔の話になりますが、洞爺湖温泉街の各ホテルはTMAF期間中、
TMAF目的のお客さんを優先し、それ以外のお客さんは予約をお勧めしない、
というスタンスを取ってきたのだそうな。

すると結果的に、TMAF目的の宿泊客が多くなるわけで、
それらのお客さんは大抵、パンフを購入してくれるわけです。

しかし現在はいつも通りに予約を受け付けてる状況でして、
インバウンドのお客さんの割合が結構多くなります。

インバウンドのお客さんも、時間が有れば眺めていってくれるので、
来場者数底上げ効果はゼロではありません。
朝一で出発してしまう為、TMAFを全く観ずに去ってしまうお客も多いようですが。

インバウンドのお客さんはパンフまで購入してくれる方は少ない感じです。
そしてTMAF目的の宿泊客割合が減ってることを加味すると、 
パンフの売り上げ数は伸びないどころか、へたすると減ってしまうかも?

とまぁ、TMAFの先行きに対して、非常に不安を感じてるのでした。

2025年6月13日金曜日

X68K EXPERT 復活

 電源ユニットのオーバーホールも完了したので組付け作業へ。
特に問題無く完成。
ちゃんと起動/停止してくれます。

 

今回、電源ユニット内のコンデンサーの試用実験も兼ねてたので、
複数の種類のコンデンサーを付け替えてテストしてました。
最後は そのままの内容でX68K本体に組み込み。

ちょっとだけ気になってるのは、電源ユニットのC40とC41。
これはVCC系統のリップル吸収のコンデンサー。
整流ダイオードの直後に入ってるので、もっともリップルが流れる代物。

今回の最終形態ではニチコンのPWの16V4700μを使用してるのですが、
以前1台だけ、このコンデンサーを使って発振した個体が有ったんですよね。
なのでちょっと警戒していたわけですが、今回は全く問題無し。

まぁこのX68Kはほとんど稼働しないので問題にならないと思いますが、
ちょびっとだけ気になりますよね。 

 

ちなみになぜ発振するかという話ですが、
X68Kの電源ユニットはVCC系統の電圧をフィードバックさせて
メイン系統の動作制御を行っています。
しかしそのフィードバックループの位相余裕が少ないもんで、
C40とC41のESRが非常に低いと、位相が回って発振しちゃうんですね。

リップルを喰らう電源用電解コンデンサーは低ESRです。
なのでそういうコンデンサーを使う前提で電源も設計されるのですが、
X68Kの電源はちとギリギリで設計されてしまってます。
なので昨今の超低ESR品を使用することができないんですね。
やっかいな代物でございます。

X68K電源ユニットのテストベッド

 結構前になりますが、X68K電源ユニット用のダミーロードを作成しました。
これはオーバーホールや修理で、電源ユニットに手を加えた後の動作試験が目的でした。
ではそれで全て揃ったかと言うと、まだ電源ユニット基板を載せるベッドが必要なのでした。

電源基板をケースに収めてから動作試験するならベッドは不要ですが、
それだと基板からわずかな異音が出ていたとしても気づきませんし、
再度基板に手を加えようとすると、まだユニットをバラさなければなりません。

ですのでケースに収める前に、基板の状態で動作確認するのがベターです。

しかしその場合、1つ問題が出てしまいます。
X68Kの電源基板にはFETやレギュレーター等、熱を出す部品が載ってますが、
それはケースに放熱する構造になっているのです。
ですので、そのまま基板の状態で動作させると、
オーバーヒートで部品が壊れてしまいます。

もちろん極短時間であれば支障は無いのですが、
電解コンデンサーの交換を伴う作業だった場合、
電解コンが本来の性能を出すまでの時間は連続稼働させる必要があります。
少なくとも2~3日は欲しいところ。 

そうなると何らかの放熱機構を用意する必要があるわけでして、
その為のテストベッドという話です。 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり早速ですが、実際に作製したテストベッドでの動作試験風景。 

右側がダミーロードで、左側がテストベッドに載ったX68K電源基板です。 

ケースに放熱する部品は全部で4点あるのですが、
2点は市販の放熱器をビス留めしてまして、
残りの2点にはmeviyで作製したアルミ板金のヒートシンクを付けてます。 
これに92mm角のファンで風を当てて、強制冷却。 

ダミーロード上のファンも、テストベッドのファンも、
アイネックスのCFY-90Sを使用してます。 
これが非常に静かなファンで、2台回っててもオシロスコープの方が
遥かに煩いという状況。
それでいて、それなりに風は送ってくれるので、なかなかバランス良い製品ですね。
ちなみにこのファンの電源もX68K電源から供給してます。

 

来月の20日開催される「つくまた2」にて実物を展示する予定です。
ご興味感じた方、ぜひお待ちしております。