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2025年7月22日火曜日

つくまた2 終了

 好天に恵まれたおかげで、とても暖かい日でしたが、
結構なお客さんにお越しいただき、イベントとしては成功の様でした。

 

当方のブースも 結構な売り上げが!!というわけにはいかず(笑)
雀の涙程度の売り上げで、諸費用を考慮するとガッツリ赤字という状況ですが、
色んな方と交流できたので、私としては満足という結果です。

 

頒布品としてはキットを出しまして、
デモ用提示として「BNC取付治具」と「X68K電源基板テスター」の
2種類を展示していたおりました。

今回の客層はガチ電子工作人というよりライトなメイカーという感じ。
その為、うちのキットはあまり需要を感じられなかった模様。

むしろデモ展示してた2種類の方が話としては盛り上がりました。

BNC取付治具は難しい電子知識が不要なので、
一般人でも触って理解できる代物。(必要性は皆無ですが(笑))
メイカーさん達からは、meviyや3D-CADの話のネタになったのでした。
これだけでも展示した甲斐は有ったというものです。

X68K電源テスターも、ガチでこれが欲しいという方は 現れませんでしたが、 
X68Kネタやメンテのネタで活躍してくれました。

 

今回展示したBNC取付治具は某案件向けに製作した、いわば専用品。
汎用性を考慮した新型を設計済で、もし打診を頂いた際は そちらを公開しますが、
やはり完成品が1台無いと、話が進みづらいですよね。

というわけで とりあえず1台だけ作っておくことにしました。
meviyでの作製必須部品が2点含まれているので、
これだけを長納期指定で発注しました。
いつ必要になるか分からないデモ目的の物ですから、
長納期指定で安く作ってもらう方がいいですわな。

もう1点、meviyで作製可能な部品も存在しますが、
これについては3Dプリンターでも作製可能でして、
売り物にならないデモ用ならば、3Dプリンター製でいい気がしてました。

このデモ用の1台目は来月末が9月頭位に完成予定です。 

2023年12月30日土曜日

LP-168S用電源ユニットの製作 その5

 さてそろそろ詰めの段階に入ることにします。

前回の時点では省略していた各部のビスを追加。
するとこんな感じに。




ビス追加






そして、前段階では未定だったACコードのブッシュを確定させることに。

一番最初の時点ではACコードを挟んで留めるだけのクランプを使用する予定でしたが、
途中からパネルを貫通するタイプのコードブッシュへ変更したという流れでした。

貫通型のコードブッシュは かなりの種類が存在します。
大きく2種類に分けると、
 1.ブッシュがコードを固定するタイプ
 2.コードはスルーのタイプ
になります。

前者はACコードの引っ張りや捻じれ等の外力をコードブッシュが受け止めます。
一例としてはサトーパーツのBU-3270シリーズです。
見た目はカッコいいのですが、取付がちょっと面倒な点が難点かと。

後者は貫通穴のエッジからACコードを保護するだけです。
ACコードの固定は別な方法が必要となりますが、
ブッシュ部分についてのみ見るなら扱いは楽です。
一例としてはサトーパーツのBU-687シリーズが在ります。
他には自在ブッシュもこれに含まれますね。

今回の電源ユニットでは後者のブッシュを使うつもりでいたので、
選定を後回しにしておりました。
選択肢が豊富で、どうにでもなると考えていたからなのです。
しかし、実はこれが失敗で、ちょっと厄介だったのです。

使用するACコードは秋月電子のSH-015です。
0.75スケアのVFF線なので、至って平凡な代物です。
断面は扁平で、長手方向は約5.5mmというサイズです。

ですので、φ5.5~φ6くらいの開口穴が有ればいいわけですが、
そのサイズを基に手持ちのブッシュを見てみると、
ゴムブッシュのBU-687-Bか、プラスチックブッシュのBU-4796-Aしかありません。

ではゴムブッシュにしようかと思いきや、BU-687-Bの対応板厚はt1.0以下!!
今回の設計はt2.0ですから使えません。

ゴムブッシュがダメとなると、あとはプラスチックブッシュしかないわけですが、
BU-4796-Aの対応板厚はt1.5以下!!!
2種類ともダメじゃないですか。 orz

新たなブッシュを捜索するのも手ですが、
これ以上在庫の品種を増やすのは ちょっと抵抗を感じるので、
板金の板厚を変更する事にします。

ゴムブッシュを使用するにはt1.0まで薄くする必要がありますが、
t2.0からt1.0への変更は かなりの強度ダウンです。
meviyでは鉄もアルミもステンも揃っていますが、
スピーカーの振動を受ける事も考慮すると ここまで薄くしたくありません。
ということでゴムブッシュの選択は除外します。

するとプラスチックブッシュ一択ということになりまして、
t1.5の素材まで選べることになりました。
この場合ですと、t1.5のアルミかステンと、t1.2の鉄が選択肢になります。

さすがにアルミは強度に不安を感じるので無しとすると、
t1.5のステンかt1.2の鉄の2択。
ステンは塗装やメッキが出来ないので無垢。
鉄ならどちらも可能です。
これは案外悩みどころでして、ちょっと決めかねてしまいました。
とりあえず、2種類の板金を設計しておき、後で最終決定することにします。
(ちなみに価格的には大差ありません。)

板厚がt2.0を切ったことで、皿もみ加工が不可となりましたが、
数段階前で皿もみ加工を無くしたので全く問題ありません。
皿もみが使えない代わりにバーリング加工が使えるようになりましたので、
タップ穴には全て、バーリング加工を追加することにします。

ということで、現段階では以下のような感じに。








2023年12月27日水曜日

トランスの取付固定穴の設計

 LP-168S用電源ユニットの図面を掲載してますが、
トランスを留める穴がオフセットしてる点にお気づきでしょうか?









 

トランスの開口は長穴になっており、センター位置が図面指示されています。
具体的な形状は下記の通り。








 

 

短径が4.2というから、M4ビスの使用を想定していると思われます。
では実際にこのトランスをM4ビスにて留めるとどうなるか?ですが、
これには複数のケースが存在します。
その1例としてフランジナットでトランスを留めるケースを考えてみます。

長穴のセンター位置にフランジナットを配置する様、設計してみると・・・




フランジナットを配置





 

普通にナットが配置出来てる様に見えますね。
では横から見てみると・・・・








 

 

ナットのフランジがトランス側壁に接触してますね。

先の寸法図にて、長穴のセンターとトランス側壁まで5mm。
フランジナットのフランジ径がφ10なので、寸法上は接触することになります。

アソビが無いのは気持ち悪いものの、
これでも収まるなら許容してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はそううまくは いかないのです。
下図のご覧ください。









 

注目は赤矢印の部位です。
ここには曲げRが存在しているのです。
しかしこの曲げRはトランスの外形図に存在していません。
なのでフランジナットが曲げRで浮いてしまうことになります。

フランジナットのみならず、外径10mmのワッシャーを併用したビス留めでも
同様の状態になります。

これを回避する一番簡単な方法としては、
取り付け穴を0.5mmほどオフセットさせることです。
その結果がLP-168S電源ユニットの板金ということです。

余談ですが、M4用のボックスドライバーは先端外径がφ10以上です。
その為、長穴センターにナットが配置されるとボックスドライバーが
トランス壁に干渉する可能性が出てきます。
0.5mmのオフセットは それを回避する効果も有ります。

2023年12月25日月曜日

LP-168S用電源ユニットの製作 その3

 前回の状態でも実用にはなりそうですが、どうにも隙間が多い感じは否めません。
上から見た図を再掲します。









 

トランスの後方に基板が収まりそうな領域が有るように見えます。
しかし実は、ここに基板を入れるとトランスの端子との距離が近すぎ、
電線の引き回しに問題が出てしまうのです。

板金を後方に延長すれば隙間を作ることが出来ますが、
むしろ板金を小さくしたいのが希望なわけで・・・・


そこでふと思いついたのが、基板を横向きで収めたら?
結構背が高い基板なので横向きにするとなると
コーキング材でしっかり固める必要が有りそう。
それでも検討する価値はありそうということで、試しに配置してみると・・・・
放熱板の幅が足りない!!
ならば一気に広げることにしてみましょう。

するとACコードが通らなくなるので、
コードクランプではなくコードブッシュでコードを留める事にしましょう。
現時点では使用するコードブッシュは未定です。

ヒューズホルダーも一般的なプレート固定型が使えるので、
マル信無線のMF-525Mに変更します。

以上のような変更を反映させた結果が以下です。









 

トランスの端子と基板上の部品とのクリアランスが気になりますが、
実はこの場合は大丈夫なのです。
次の図をご覧ください。



 

側面視断面

 

 

 

 

 

上側のトランス端子が電解コンに近そうにも見えますが、
こちらは2次側で低圧なので、0.3スケア程度の線で済むので結線に問題ありません。
問題は下側の端子で、こちらは1次側、つまりAC100Vが入りますので、
ACコードの やや太めの電線が繋がることになります。
しかし断面図で解るように電解コンの下方に十分に隙間が有るので、
引き回しに問題は無さそうです。

全体視はこんな感じ。









 

前回の板金の差として、底面の皿もみが無くなった点が有ります。

以下は基板を板金ケースへ取付る場合の話です。
一般的に基板の固定穴はφ3.2になってるケースが多いのです。
今回使用している秋月電子のユニバーサル基板もご多分に漏れず。
φ3.2の穴にM3ビスって、0.1mmしかアソビが有りません。

六角スペーサーで基板固定する場合、スペーサーと基板の穴の芯だしを
なるべく合わせたいわけですね。
そこで皿ビスを利用すると皿もみのおかげで芯が合うというメリットが。
更に底方向への飛び出しも無くなるので皿もみを使用したわけです。

では同様に放熱板の裏側も皿もみ加工を・・・・
と言いたいところですが、ここでちょっと問題が!
上側のビス穴2個が、板金端に近い為、皿もみ加工に問題が出るのです。
これはmeviyの制限です。

ではどうするか?ですが、皿もみは諦め、普通のビスを使用する事にします。
芯だしの問題をどうするかですが、板金側のビス穴をφ3.0にするという裏技が!

ビスはマイナス公差で製造されているので、
φ3.0の穴にM3のビスはギリ通るんです。
JISの規格上はM3ビス用の最小穴はφ3.2ということになっていますので、
φ3.0の穴を使用するというのは裏技っぽい話になります。


それともう1つの板金の差として、
左右の曲げ立ち上がり部の開口が無くなりました。
この開口には2つの目的が有りました。

1つ目はACコードを通す予定が有った事。
しかしコードクランプも背面側に移動していった辺りから、
この開口にACコードを通すことは無くなりました。 

もう1つは平滑基板のビス留めの為です。
このページ一番上の図を見て頂くと、基板の左下の留めビスが
板金の陰になっていることがお判りいただけるかと。
開口側からドライバーを当たる方がネジ締めが容易になります。
しかしながら基板が背面に移動したことで、これも不要になりました。

以上の経緯でバッサリと開口を無くしたわけです。

開口削除によるデメリットは板金の重量増くらいです。
メリットとしてはmeviyの単価が若干安くなります。
加工が少なくなるわけですので。

2023年12月24日日曜日

基板の3Dモデル

LP-168S用電源ユニットの設計記事を載せてる最中ですが、
そこに含まれてる平滑基板についての話。

秋月電子のユニバーサル基板に部品を実装しているという代物。
1台しか作らないので これで十分なわけですが、
ユニット設計を行うにあたり、基板部の3Dモデルが当然必要に。

最初は以下のように、部品の外形を基に形状を作ってました。










組込み状態の確認だけなら、正直これで十分なのですが、
ちと凝ってみようということで、
部品メーカーが提供している3Dデーターを使用してみる事に。

手前側のコネクターはJSTのB03B-XASK-1で、
これは問題無く入手できました。

奥側に有るのはPHOENIX CONTACTの端子台。
秋月で入手可能なAPF-102を使用しているのですが、
実はこれの3Dデーターが配布されていません。
そもそもメーカーサイトに この型番が見当たらないんですね。
旧品種なのでしょうか?
MKDSN 1.5/2-5.08がほぼ同形状の模様。
これならば3Dデーターが入手可能なので、これで代用することに。

電解コンデンサーはニチコン PWの16V4700μFです。
これはバッチリ3Dデーターが配布されていました。
ニチコンさんGJ。

インダクターは秋月電子で売ってる台湾製のもの。
さすがに3Dデーターは配布されていない模様。
ということで代用できるデーターを探してみます。
実は日本製のトロイダルコアインダクターってかなり限られるんですね。
トーキンさんは作ってるようですが、3Dデーターを配布しておらず。
なんとここでダークホース!!
日ケミさんが作ってることに気づきました。
しかも3Dデーターも配布してるようです。
とは言え、全ての品種の3Dデーターは用意していないようで、
結構限られてしまう模様。
仕方なく形状で一番近い物を利用させて頂くことにしました。

あと酸金抵抗ですが、まぁこれはスルーでいいかな?(笑)

ということで、上記の3Dデーターを合体させたのがこれ。









 

いかがでしょうか?
やはり、かなり雰囲気が違いますね。
他人に見せるならば、この方が遥かに好印象かと。

電解コンデンサーもインダクターも、販売時の形状の3Dデーターになっています。
その為そのまま基板に合体させるとリード線が長いまま(笑)
ですので自分で予めリード線を短くカットする必要があります。
その手間自体は大したことないと思いますが。

2023年12月22日金曜日

JL801-10003E01の3Dデーターを公開しました。

 秋月電子にて販売中のJL801-10003E01ですが、
3Dデーターが存在しなかったので、当方にて作成いたしました。

データー置き場よりダウンロードしてお使いください。

データーの著作権は当方に有りますが、使用に関して一切の制限は設けません。

JL801-10003E01は秋月にて在庫限りの模様です。
ご興味ある方は早めの確保をお勧めします。

2023年12月2日土曜日

iCADフォーラムへ行ってきました

iCADのメーカー主催のイベントであるiCADフォーラムに行ってきました。
インベンターユーザーである私としては、さほど縁が無いかと思ってたわけですが、
結果としては行って大正解でした。

そも、他のCADについての知識が無ければ、
第3者的立場として公正な評価をすることが困難なわけです。
一応、アドバイザー的な立ち位置を自認している身として、これはとても重要ですよね。

さてiCADフォーラムの具体的な内容ですが、
ユーザーさんの実例発表の他、最後にメーカー社長の講演もありました。
社長の発表の補佐として、実際にCADを操作しつつ解説するお姉さんの声がキレイでした。

・・・・・・・

いや、そういうことではなく、この講演のおかけで、
なぜiCADが高速なのか、かなり具体的に理解できたんですね。
これはかなりの収穫でした。

大抵の3D-CADはB-repsと理論を基にしているのですが、
iCADはCSGという理論が基になっているんですね。
これはどちらが優れている、という話ではなく、得意分野が異なる代物。

一般的な機械の設計においては、CSGの方が向いてると事が多く、
iCADが これだけ高速に動作できるのも、それが由来だったのです。

正直、これを知るまでは、なにやら小手先の技を駆使して高速化してるのかな?
くらいにしか考えていなかったんです。
iCADさん、ごめんなさい。

 

さて気を取り直し、また別な話です。
それはとあるユーザーさんの講演です。

その会社では設計の3D-CAD化を進めることになり、初めて3D-CADを導入しました。
それがiCAD・・・・・ではなく、どうやらSolidworksだったんですね。
そしてそれが2年後にiCADに全面移行した、という経緯でした。

その講演内容の主軸は全く別な話だったのですが、
私はその、2年でiCADに移行した、という点が非常に印象に残ったのです。

SolidworksもiCADも、それなりに導入経費が発生する代物。
お手軽に移行できるというわけではないはず。
しかもたった2年で移行となると、それなりに大きな理由が有ったはずなのです。

それが何だったのか?という事を私なりに考えてみました。

iCADの知名度が低くて検討対象に上らなかったとか、
代理店がSolidworks導入の為にかなり有利な条件を提示してきたとか、
色々なケースが想像できます。
しかし、一番可能性が高かったのは、以下じゃないでしょうか?
Solidsworksシェアが高かったから選んだ。

確かにそういう選択の仕方も有りだと思います。
シェアが高いというのは、何らかの要因が有るわけですからね。

では2年で移行したというのは、Solidworksがダメなソフトだったから?

いやいや、これは的外れですよね。
iCADが得意としている分野に、Solidworksを選んだのが問題だったかと。
所謂ミスマッチ案件ですね。

この会社さんでは それを2年で判定/対処できたのが成功要因でしたね。
しかし こういうミスマッチを抱えたままの会社さんが まだまだ多いのではないかな?
と強く懸念を感じてしまったのでした。

3D-CADソフトの適材適所、今後より一層浸透とて欲しいですね。

2023年8月18日金曜日

DesignSpark Mechanicalでの設計例

 先の記事に書いたケーブルフックをDesignSpark Mechanicalにて設計してみました。
DesignSpark Mechanicalのバージョンは6.0.2です。

早速、DesignSpark Mechanicalを起動し、
ファイル -> 新規作成 -> デザイン を選択します。

今回のケーブルフックは3Dプリンターにて出力する前提なので、
XY平面を選択してスケッチを開始します。

 

まずは、ディスプレーの背面に接する、長い板の部分から作ります。 

100mm×4mmの四角をスケッチします。




作例では右上角を原点に一致させていますが、これは任意で構いません。




描き終わったら「スケッチ編集終了」でスケッチモードを抜けます。

今描いたスケッチを選択し、「プル」コマンドで厚みを付けます。

  


黄色い矢印をマウスでドラッグして引っ張り、ドラッグしたままキーボードから16と入力します。
プルを開始する前に、表示面を少し斜めにしておくとドラッグしやすいでしょう。





これで16mmのプルが完了です。






次に、ディスプレーの背面から表面に伸びる板の部分を作ります。

 


 

 

先に作ったソリッドの1面を選択し 、
スケッチモードを開始します。





 

 

適当なサイズの四角を描き、
寸法拘束で高さを4mmにします。 







一致拘束で赤丸内の2点を重ねます。







一致拘束で、赤線内の2辺を重ねます。







これでスケッチは完了なので、
「スケッチ編集終了」を押します。




先程のスケッチを選択し、
「プル」コマンドを実行し、
マウスドラッグにて厚みを付けます。

 ドラッグしたまま17と打ち込み、
17mm押し出します。

 

 


 

 

 これで前に伸びる部分は完成です。





ディスプレーの厚みが実測で約16mmでしたので、
今回は17mm押し出しました。
どれくらいの余裕を取るかは経験になりますが、
この構造では さほどシビアに考える必要はありません。

 

 次に、ディスプレーのベゼルに引っ掛ける部分を作ります。

 




先程のソリッドの先端面を選択し、
スケッチを開始します。

 

 


 

 適当なサイズの四角を描き、
寸法拘束で高さを10mmにします。

赤丸内の2点を一致拘束で重ねます。






赤線内の2辺を一致拘束で重ねます。







このようになればスケッチ完成






スケッチ編集終了を押して、
スケッチモードから抜けます。




 

さて次はプルですが、先ほど描いたスケッチは途中にエッジ線が通っている為、
勝手に2つのスケッチ面に分割されてしまいます。

 



上側を選択してみた状態





下側を選択してみた状態

 

 

 

 

個々にプルするという手もありますが、スマートさに欠けます。
というわけで、以下の手順で進めます。

 編集の中の「選択」を押します。
まず、スケッチの上側の面をクリックし、
次にctrlキーを押しながらスケッチの下側の面をクリックします。


 

 

するとこのように、
両方同時に選択できます。 





あとは「プル」を押して、
いつものようにドラッグしながら、
4を入力します。

 

 

 


 

 

これで4mmの押し出しが完了です。






ここまでで、前側半分が完成です。









 

次にケーブルを掛ける、後側の部分を作っていきます。

ケーブルを掛ける部分は半円形状になっているので、
ちょっと手順が複雑です。


 

 

ソリッドを回転させ、一番最初のスケッチを描いた面を選択し、スケッチを開始します。

 

 


 

 

 「スイープ円弧」を選択します。




適当なサイズで円弧を描きます。
寸法は後から拘束で設定するので、
形状は任意で構いませんが、
中心点から下側に円弧を描いてください。

クリックする順番は
中心点->円弧端1つ目->円弧端2つ目


 

 

 

赤丸内の点と、赤線内の辺を
一致拘束にて同一線上にします。





赤丸内の点(片側の円弧端)と、
赤線内の辺を一致拘束かけます。





一致拘束かけた点と上面間の距離を
寸法拘束にて10mmに指定します。




寸法拘束にて、円弧の半径を30mmに指定します。
これで形状の基準になる円弧が完成です。

 

 



「スイープ円弧」にて2つ目の円弧を描きます。
前回同様、形状は任意でOKですが、
最初の円弧よりも下側に描いてください。




2つの円弧に対し、「同心拘束」をかけます。
(2つの中心点を一致拘束させる方法でも構いません)






寸法拘束で、2つの円弧間の距離を4mmに指定します。

 


 

 

赤丸内の点と赤線内の辺を一致拘束かけます。 






「作図線」を選択し、赤丸内の2点間に補助線を引きます。

 


 

 

「線」を選択し、赤丸内の2点を実線で繋ぎます。 





矢印が差してる2本の線に対して一致拘束をかけます。
これにより同一直線状になります。






このようにスケッチが完成したら、
スケッチ編集を終了します。




表示を少し斜めにし、
先程のスケッチをマウスで選択し、
「プル」を選択します。






ここでマウスの右ボタンをクリックし、
メニューを出します。





マウスで、「~まで」を選択します。






プルの終了面をクリックします。
今回の場合は黄色の面です。





するとこの様になります。
これで押し出しは完了です


 

 

画面内には補助線が表示されたままになっています。
このままでも問題は無いのですが、以下の手順で非表示に出来ます。


 



該当の補助線をマウスでクリックし、

 

 




マウスの右ボタンを押し、メニューを出します。





「非表示」を選べば、このように見えなくなります。

 

 

 

 

ここまでで以下のような形状が出来上がりました。







 

 

このままでも実用可能ですが、更にフィレット処理を加え、角部を丸めます。

 

まず、この角から加工を始めます。
ここはディスプレーの液晶パネルに最も接近するエッジです。


エッジをマウスで選択してから「プル」を選択します。
マウスをドラッグしていくとエッジが丸まっていくので、任意のタイミングでマウスのボタンを離します。
するとR寸法が入力可能な状態になるので、キーボードから1を入力します。
これでR1のフィレットが掛かりました。

 

液晶パネルに触れる恐れを考慮するとなるべくRを大きくしたいところですが、丸めすぎるとリムへの引っ掛かりが浅くなる可能性が有る為、今回はR1で抑えてます。




先程のエッジの外側です。
ここも同様の手順でR2のフィレットを掛けます。

 

 


 

 

上側のエッジにはR4のフィレットを掛けておきます。
あまりRを大きくしすぎると、肉厚が薄くなってしまいます。

 

 

 

 

 

次は背面側のエッジです。
ここもR4程度でよろしいでしょう。



ディスプレー背面に当たる板の下端です。
ctrlキーを使ってエッジ2か所を同時に選択してから「プル」を選択することで、複数の角へ同時にフィレット加工できます。
ここは厚みが4mmなのでR2と指定すると角が繋がって半円形状になります。





同様の手順でケーブルを引っ掛ける部分の先端も丸くしておきます。




ここも一応、フィレットをかけておきます。
Rは5位で十分でしょう。
あまりRを大きくし過ぎると、上側のRに干渉してしまいます。

 

 


 

 

次は下側です。
鋭角形状になっている事から強度に影響する部位なので、フィレット処理必須です。
今回はR10にしてみました。





これでついに完成です。






あとはSTLファイルを出力し、3Dプリンターにて出力するだけです。

割と簡単な形状でしたので、この様に過程を掲載することが出来ました。
皆さんの参考になれば幸いです。

データー置き場に このデーターを置いておきましたので、
必要であれば そちらもどうぞお使いください。
ただし、営利目的での使用は禁止といたします。