2021年2月19日金曜日

PIC16F18456のSUBFWB命令

 V/Aプローブではセンサーの出力信号をA/Dコンバーターで取り込んだ後、
人が直読できる数値に変換して出力する為、
ソースコード内で乗除算まで必要になります。
とはいえ、所詮16Fシリーズですから乗除算の命令が実装されているわけではないので、
それらは全て加減算を使って処理することになります。

そのコードにSUBFWB命令を書いたところ、アセンブラーがエラーを!!
改めてデーターシートのインストラクションコードの項目を確認しても、
おかしなところが見つかりません。

結論から申し上げると、なんとこれデーターシートの記載間違いでした。

実際にPIC16F18456に実装されている命令はSUBWFBだったのです。

後から気付いたのですが、データーシート内の命令一覧表にはSUBWFBが載ってて、
個々の命令説明の箇所にはSUBFWBが載ってるという状態でした。
私は通常、個々の説明しか見ないので気付くのが遅れてしまいました。

このSUBWFB命令、数バイト長のデーター同士の引き算に威力を発揮します。
SUBFWB命令でも処理は可能ですが、値の入れ替えが発生する為、
ソースコードが倍以上になってしまうのが難点。
そういう意味ではSUBWFBの方が実装されていて、むしろラッキーでした。

しかし、いつ修正されるんでしょうかねぇ。
やっとErrataもリリースされたようですが、これはチップ内部に対する話なので、
マニュアルに関する不具合の記述はありません。

日本のマイクロチップへメール投げてみようかなぁ・・・・・・・・

2021年2月18日木曜日

差動シリアル信号をRS232へ変換

 今日は月曜に引き続き、V/Aプローブのファーム作成を進めることに。

V/AプローブはLED等が無い為、動作を直接的に把握することが出来ない為、
シリアル通信経由でPC上のTera Termに表示させて開発を行うことにします。

しかしV/Aプローブのシリアル通信ポートはRS-485準拠の差動信号線。
そのままではPCのRS-232に繋ぐことは出来ません。
こんなこともあろうかと、変換アダプターを作成してあったのですが、見つからず。
たぶん昔、某社へ冶具と一緒に貸し出したまま、うやむやになってる模様。

ということで、今回新たに用意することにしたわけですが、
ユニバーサル基板で自作するのは面倒に感じてしまったので、
今回はこれをスイッチサイエンスさんに手配。











差動信号を変換してくれる基板です。

大して高い基板でもないので、今回限りの使い捨てでも良かったのですが、
せっかくなので入出力にコネクターを実装し他にも流用できるようにしてみました。

この基板だけではTTLレベルの信号しか出てこないので、
PCに繋ぐためには更にRS-232Cレベルに変換しなければなりません。
さすがにそれは買うまでもなく、同人ハードとして頒布している「EIA574コンバーター」が
有りますので、それを1つ流用。

ということで2つの基板を繋げると こんな感じ。


 

 

 

 

 

 今回使ったEAI574コンバーターはFタイプという代物。
ホームページにはWタイプしか載せていないのですが、
このFタイプはPCとの接続用途に特化している代物。
なので、D-SUB9Pコネクターはメスのタイプになっています。

そんなこんなで、これを使ってV/AプローブとPCを接続。


 

 

 

 

 

 左の方にV/Aプローブの基板が居まして、
右からPCのRS-232Cケーブルが来てます。
V/Aプローブから電源線を引き出すので手間なので、
EIA574コンバーターにはACアダプターにてDC5Vを供給。
スイッチサイエンスから購入した基板にはEIA574コンバーターから電源を送ってます。

これで双方向通信が実現できるなら簡単で良いのですが、
残念ながら そうはうまくいかないのが残念なところ。

RS-485は半2重通信の為、トランシーバーICに対し、通信方向の制御が必要です。
この中ですと、スイッチサイエンスから購入した基板上のICですね。
基板の仕様としてはTTL信号側から方向制御が可能になっているものの、
その信号をどうやって作り出すか、というのが最大のネック。

なので今回は半2重も諦めて単方向通信のみで使用してます。
V/AプローブからPCへデーターを送るだけなら、これだけでOKです。

これでV/Aプローブ基板からの声が聞けるようになったので、
開発が少し進みました。

2021年2月16日火曜日

PC-7000が到着

新しいおもちゃ道具を入手いたしました。
実はハンディのデジタルテスターを買い替えたのです。
サンワのPC-7000です。
品薄なのか、入手までに少々手間取りましたが、本日到着しました。
今まで愛用していたFD-730Cも悪くない製品でしたが、
新製品であるPC-7000の凄さに一目ぼれ。
この機会に買い替えを決断したのでした。

私は稀に、デジタルテスターを現場に持っていくことがある為、
携帯ケース(CーPC7)も同時に注文。
まぁ、携帯ケースの方が先に届いたのでしたが・・・・・(笑)

さて本日届いたブツを開梱。
中身はこんな感じ。











なんと温度測定用の熱電対も付属してました。
使用頻度はともかく、大した値段のする物でもないので、
サービス品という感覚で添付してくれるのは ありがたいところかも。

もちろん上記の他にマニュアルも有ります。
そこそこの厚みがあるので、よくありがちな他国語併記型かと思いきや、
中身は日本語と英語のみ!!
つまり半分の約70ページが日本語マニュアルなのです。
どんだけ多機能なのやら・・・・・・
この機種の機能を活用するには、マニュアルが手放せないかも。

本体にはラバー製のホルスタが最初から装着されています。












ただ残念なことに、このホルスタにはテスター棒を収納するところが無い為、
やはり携帯ケースは用意した方がいいかも。

しかしこのホルスタもなかなかよく考えられております。










これがPC-7000の裏側。
ホルスタと紐で繋がっているのが遮光マグネットキャップというパーツ。
これは通常、PC-7000にはめ込まれているのですが、
少し捻るとPC-7000から外れるようになっています。










キャップの中央部にはマグネットが入っているため、
これを金属板面に貼り付けることで、PC-7000をぶら下げることが出来るんですね。

遮光マグネットキャップが嵌っている箇所は、
オプションの光通信ユニットの装着部も兼ねています。
なので「遮光」という名前になっているんですね。

さて、では早速動かしてみます。
まずは熱電対を繋いでみましょう。













特に何も面倒なこと無く、温度が表示されてますね。
小数点は1桁までというのが仕様になってます。
この熱電対はK型なので、上限1000℃まで測れるそうな。
ちなみにレンジ切換を行えば-10~ー50℃という温度帯の測定もできます。
ただ熱電対が露出の為、指で触っただけでも温度がズレてしまうので、
使い方には一捻り必要な模様。

今度はDC約5Vを計ってみます。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デフォルトの状態でも小数点以下4桁まで表示してくれますが、
「500000」ボタンを押すと・・・・・・













この通り小数点以下5桁まで表示してくれます。
これこそがこの機種の最大の特徴です。
ただハンディ機であるがゆえ、デスクトップタイプのような安定性は望めない為、
測定値によっては誤差値が表示に現れてきてしまうため、
その点については留意する必要があります。

ボタン操作しなくともデフォルトで全桁表示すれば良いのに、
と思う方もいらっしゃるかな?
表示桁を増やした状態だと、表示の更新が遅くなるんだそうです。
なので素早い変化を見落としてしまう可能性があるわけで、
むしろ使い分けできる仕様になっている点も、いい設計だなと感心。

3万円未満で これだけの機能を備えたデジタルテスターは
凄いの一言に尽きるかと。
さすがサンワですね。

余談ですが、精度を追求したハンディデジタルテスターは日置からも出ています。
しかしあちらは表示が5桁まで。
それでいて値段はPC-7000の1.5倍くらいします。
それを考えると、PC-7000のコストパフォーマンスは尋常ではないかと。

書き忘れましたが、上の写真を見て分かるとおり、
携帯ケースに収納時もホルスタを外す必要はありません。
私はてっきり、ホルスタは外すもんだと思ってたので、ちょっとビックリ。
しかしそのせいか、携帯ケースが なかなかにデカいです。(笑)
FD-730Cが結構コンパクトだったので、余計にデカさを感じます。
でもそのおかげで、ケース内の収納ポケットに余裕があるので、
オプション類を色々入れて持ち運ぶのは快適そうな感じ。
FD-730Cの時はオプション品をほとんど入れられませんでした。

2021年2月15日月曜日

X68Kcompactをご開帳

 オーバーホール&修理でお預かりしてるcompact、
ちょこっと時間空いたので手を付けてみることに。

ご存知のようにcompactの筺体はネジ1本で留められてて、
他はツメで留められてるという、面白い構造。
マンハッタンシェイプ機よりもペラペラのシールド板が使われてるので、
注意しないと手をサックリやってしまう。
なので、手袋を使用しながら注意して分解。

今回頂いてる問題点は2つ。
1つ目は電源が落ちないという点。
2つ目は音が出ないという点。

まずはサクっと電源を見てみることに。
本体から外して中を見てみると、結構キレイ。












見た感じ、液漏れの気配無し。
部品が壊れてる雰囲気も感じません。

この状態で電源投入。
問題無く電源ユニットは稼動します。
本体へ行くコネクターは
1・2・7番ピンがGND
3番ピンがコントロール
4番ピンが常時給電5V
5番ピンが-12V
6番ピンが+12V
8・9番ピンが+5V
という配列になっているので、各ピンの電圧をチェック。
無負荷状態なので、電圧値自体は優劣判定に使えませんが、
各部が生きてるかどうかの大まかな目安になる。

ということで、とりあえず各系統とも生きてる模様。
で、最後に3番ピンをGNDに繋いでみると、電源ユニットが停止する。
つまり電源ユニットのコントロール回路は正常ということですね。

ということは、このcompactの電源が落ちない原因はメイン基板側と。
んーーー、ちょっと やっかいな話に。

2021年2月12日金曜日

PX-335とコテペン40を比較

先日届いたgootのPX-335、別途注文している替えコテ先が届き次第、
そちらに交換して使用する予定なのですが、
せっかくなので標準装備のコテ先のまま、現在使用しているコテペン40と
使用感を比較してみることにしました。

使用するハンダは鉛フリータイプなので、
コテペン40の方は正確にはコテペン40NSという製品ですが、
ここではコテペン40と表記することにいたします。

 まず先に、各々の製品についてちょこっとだけ説明。
コテペン40は高千穂さんが出していた主にプロ業界で使用されていたハンダゴテ。
現在は高千穂さんが手を引いてしまった為、
関連会社であるセラコートさんがメーカーとして取扱いを継続中。
しかしコテペン最大の特徴である板状ヒーターの入手が困難になったことから、
コテペン本体も販売中止となってしまいました。

PX-335はgootさんが出している電子温度調節機能入りハンダゴテ。
設定温度は固定されており、ユーザーが変更することは出来ません。
以前はPX-338とPX-342という2機種が販売されていましたが、
最近新たにPX-335というタイプが追加されました。
このPX-335は設定温度が350℃と、
鉛フリーハンダに適した値となっております。

ではまず、今回使用する標準コテ先を見てみましょう。










右がPX-335で、左がコテペン40です。
コテペン40の先端が変形しているように見えるのはハンダのせいです。

一目で分かるように、コテペン40の方が先端が細いのです。
先端の細さだけで語るなら、PX-335等の替えコテ先にも細いものは有りますが、
コテペン40の様なきれいな円錐形になっていないため、
熱伝導が悪いという難点がありまして、私はほとんど使いません。

では実際にハンダ付けしてみた感触です。
ターゲットはセントロニクスコネクターとAWG24番線。
ちなみにハンダは日本スーペリアのSN100Cのφ0.8です。

結論から申し上げると、コテペン40の方が具合良いです。

まず、ターゲットにコテとハンダを当てた時の初動。
PX-335の方がハンダの溶け始めが遅いんです。
たぶんこの時点ではコテペン40の方がPX-335よりコテ先の温度が高いんでしょうね。
ではPX-335ではなくPX-338やPX-342を使えば良いという話にはなりません。
それは通常温度が高すぎて、鉛フリーハンダで使用しているコテ先が
あっという間に劣化してしまうのです。
ということで、作業のテンポという点でコテペン40に軍配。

次にハンダを流し込んでいる最中の状況。
これもコテペン40の方が良かったです。
PX-335だと、フラックスが飛んでしまう(=蒸発してしまう)のが早いようなんですね。
フラックスが飛んでしまうと濡れ性が悪くなりますから、ハンダの広がりが悪いですし、
ハンダの見た目も悪くなります。
この差は何なんのかと言いますと、コテ先の温度だと思われます。
PX-335の方は、コテ先の温度が高いんでしょうね。
対してコテペン40は、溶け始めの時点ではPX-335より高温だったものの、
ハンダを流し込んでる最中はPX-335より低めの温度になっている模様。
その為フラックスが飛ぶまで時間の余裕が有る為、
ハンダの広がりも良いし、仕上がりも綺麗な感じ。

昨今は鉛フリー用には温調付きハンダごて、というのが主流のようですが、
改めてコテペン40のバランスの良さを実感した次第。

余談ですが、コテペン40に相当する製品として、gootさんのCXR-41も持ってます。
当初はこちらを鉛フリー用に使用する予定だったのですが、
全く使い物にならず、コテペン40と交代させたという経緯。
単に温調無しのコテでいいという話ではなく、コテペン40の威力という話です。