2023年4月21日金曜日

トヨタ bZ4X

 先日、bZ4Xに乗る機会がありましたので、その感想などを。

そも、bZ4Xって何?という方が多いと思うので、一応説明を。
この車はトヨタが初めてリリースした完全電気自動車です。
このタイプの仲間としては日産のリーフが既に存在してます。

完全な電気自動車なので、ガソリンは全く使いません。
搭載のバッテリーで走行し、バッテリーの電気が減ったら充電器で充電します。
なので、充電スタンドが無い地域でバッテリー切れを起こしたらアウトです。

さて、このbZ4Xですが一般市販されておりません。
リース等の限られた条件でしか乗れない車となっていますので、
カーマニアの方しかご存じないと思われます。


本題に戻りまして、今回このbZ4Xで静岡方面を往復してきましたので、その話です。
私はタイムズのカーシェアを利用していまして、
タイムズのカーシェアにはbZ4Xが少数ですが導入されているのです。

普通ならば自宅近くのステーションから車を借りて使うところですが、
今回はbZ4Xを使う前提なので、わざわざ電車で移動してます。
東京都内でさえ10台も無いほど少ないものでね。

今回は川崎のステーションから借りました。
EV車用の専用ステーションとなっており、充電スタンドが設置されています。
私が車を取りに行くと、bZ4Xが充電器に繋がれたままの状態。
まずは充電器の取り外し作業からスタート。
と言っても、単にbZ4Xの充電コネクターから充電ケーブルを抜き、
ケーブルを充電スタンドに格納するだけです。

余談ですが、bZ4Xの隣には日産リーフが停まっていました。
このステーションではリーフの貸し出しもしているのです。
リーフは小型普通車クラスのサイズなのに対し、
bZ4Xは大型SUVクラスなので、並べて比較するとデカいです。

しかし単にデカいだけでなく、航続距離も大きく異なります。
今回は静岡方面往復ということで、予想走行距離が約400km。
リーフだと半分も走れるかどうかというところ。
随時充電しながら走れば良いとは言え、充電にも時間がかかることを考えると、
リーフでの遠出は ちょっとお勧めできない感じ。

それに対しbZ4Xはリーフの倍以上走れます。
大阪往復となると ちょっと考えものですが、
今回くらいの距離ならば途中充電無しでもいけるかも??という感じ。

 

まず、運転席に座って、車内を色々確認。

すぐに目に入るのが、でっかいサイドボックス。
アクア等でも運転席と助手席の間にはサイドボックスとシフトコンソールが
存在していますが、bZ4Xでは それが2段になっています。
上段の方は そのまま肘掛けにも使えるようになっていますので、
だいたいの高さが想像できるでしょうか?
ドリンクホルダーとシフトコンソールも上段に設置されています。
なんでこんなデカくて邪魔なものが?と思ったら、
bZ4Xでは、助手席の前にダッシュボードが存在しないんですね。
なので代わりにサイドに収納を増やした模様です。
しかしこれだと、運転席と助手席が完全に分離されてて、
車内で席間移動はほぼ無理です。
デカい車なのに、これはどうなんでしょうね??

 シフトレバー?は回転ダイヤル式で、慣れるまで時間かかりますね、これ。
ちなみにポジションはRとNとDのみで、Pは別にスイッチが存在します。
最初このスイッチの存在に気づかず、どうやってPに入れるのか迷っちゃいました。
前進がDのみということでLは存在しません。
これはフットブレーキを使えということなんですね。
完全な電気自動車なので、フットブレーキを軽く踏むと回生ブレーキが効きます。
これはガソリンエンジン車でエンジンブレーキに相当。
長い坂道でフットブレーキを踏み続けるというのは、
ガソリンエンジン車に慣れてる身だと抵抗を感じるところですが、
これは慣れるしかないんでしょうねぇ。
ちなみに日産のe-POWERだと、フットブレーキを踏まなくても
アクセルを緩めるだけで回生ブレーキが効くので、私は こちらの方が好みです。

カーナビは専用の大画面タイプが付いています。
画面の広さは評価できますが、主要な操作ボタンがタッチパネル式。
これは正直いただけません。
画面をしっかり見ないとボタンの位置がわからないので、
走行中に地図のスケールを変えようとしても、
正面から目を離す時間が長くなってしまいます。
これには少しストレスを感じました。

カーオーディアも当然装備されていまして、JBLのスピーカーシステムです。
これが めっさ良い音出してくれます。
しかも定位が前方に来るように調整されてます。
なかなかに良く出来たスピーカーシステムだと感心しました。
残念なのはカーナビのオーディオの方がSDカードを使用できない点。
私は音楽ファイルをSDカードで持ち歩いてるので、
今回bZ4Xでは音楽をかけられませんでした。
ちなみにUSBメモリーは使用できるので、
またbZ4Xに乗る機会が有ればUSBメモリーを用意するつもりです。

エアコンも各座席毎に設定できる模様。
その分、エアコンの操作が分かりづらくて、まだ全て把握できてません(笑)

シートポジションの調整もすべて電動。
この辺はさすが高級車というところ。

最近の車らしいというか何というか、USBの充電端子が各座席に用意されてます(笑)
時代ですねぇ。

リアの荷物スペースにはAC100Vのコンセントが付いてました。
バッテリーをガツガツ減らすことになるので多用するのは気になりますが、
いざという時に重宝しそうですね。


さて、いざ出発です。

bZ4Xの車体は大きいのですが、その分もモーターの出力も大きい模様。
パワフルに加速してくれます。
EV車なので、ガソリンエンジンのように吹き上がりの間や、
オートマミッションに由来するラグのようなものは皆無です。
この辺はガソリンエンジン車と かなり差がありますが、
むしろ素直な操作感になるという点で、割とすぐに慣れます。

静岡県までは東名高速を走っていったわけですが、
高速道路でも全く問題は感じませんでした。

当然のごとくオートクルーズも付いていますが、
使い慣れていないこともあり、ほとんどマニュアルで走行してました。

目的地に到着し、バッテリー残量が約半分というところ。
bZ4Xの航続距離が400kmに対し、約200km走ってきて この残量ですから、
表示値の精度は高めかなと感じました。

帰路は往路よりも遠回りの予定なので、さすがにこのままじゃ不安ってことで、
到着地に設置されてる充電スタンドをお借りして充電することに。
今までEV車に乗ったことが無かったので、バッテリーゲージが半分だと
充電に4~5時間くらいかかるのかな?と漠然と思ってたわけですが、
設置されてる充電スタンドが通常タイプという代物でして、
これだと急速充電ができないんですね。
この通常タイプの充電スタンドにbZ4Xを繋ぐと、
車のコンソールの方に充電時間の目安が表示されます。
(充電スタンドの方には表示されませんでした)
すると、満充電まで約14時間!!
いやぁこれにはちょっとビックリでした。
半分減った状態でこれですから、もしバッテリーが空だったら、
充電に丸一日かかるということになります。
これはさすがに要検討ですね。

充電スタンドが一杯設置されているならば、夜の間に充電しとけばいいや、
と考えられますが、今回の施設のように充電スタンドが1か所しかない場合、
先に使われていたら充電できないまま帰路へ、という羽目に。
これは非常にリスキーです。

ガソリン車であればタンク内のガソリン量は割と正確に把握できるので、
それを基にあとどれくらい走れるかの目安を逆算できます。
しかしEV車の場合、残走行距離を そこまで正確には算出できません。
なのでギリギリまで走るというのは怖くて出来ないんですね。
遠出する際は充電スタンドが確保できるかが、非常に重要なポイントになる様です。

ともあれ、今回は夜の間に9割近くまで充電できたので帰路も不安無く出発。
更に休憩で立ち寄った道の駅にて急速充電もしてみました。
この急速充電は有料なわけですが、タイムズ側でカードを用意してありますので、
それを使って精算です。
急速充電は30分という時間縛りがありますが、
休憩ついでならば ちょうど良いかも。
しかしいくら急速と言っても たかだか30分ですから、
ちょこっとバッテリーゲージが増える程度です。
もしバッテリーが空に近い状態で帰路を出発したならば、
急速充電スタンドを渡り歩きながら帰る感じになってしまうでしょう。
時間ロスが半端無いですね。

今回は結局のところ、帰り着いた時点でバッテリーが半分以上残っていたので、
道の駅での急速充電も必要なかった感じですが、念には念をというところ。

それよりも、残走行距離が解りづらいという点が、EV車の難点かもしれません。
ガソリンエンジン車であれば、高速走行時や坂道を登ってるとき燃費が落ちて、
坂道を下ってるときは燃費が良くなる、というのも含め、
だいたいの目安は把握できるわけですが、
EV車の場合は回生ブレーキによってバッテリーを充電してきますから、
ガソリンエンジン車の感覚で目安が付きづらいのです。
それを考慮すると、バッテリーゲージが1/3を切るような使い方は避けた方が良いかも?

しかしながら今回のbZ4Xはバッテリー容量も大きく、航続距離が400kmともなると、
ちょこっとした遠出には使えるかも、という手ごたえを感じましたね。

2023年4月14日金曜日

iCADにビックリ

 名古屋の設計製造ソリューション展にお邪魔してきました。
6月に東京でも開催されるので、わざわざ名古屋へ?という声もありそうですが、
meviyさんの大規模展示が出るという事前情報を耳にしてたので、
これはぜひ覗きに行かねばと思った次第。

結果は大満足でございました。
meviyさんのブースは大盛況。
広いだけでなくスタッフの人数も多い!!
それに負けず劣らず来客者も多いという状態。
ホール入り口から入ってすぐの場所だったので、
地の利も影響したとは思いますが、とにかく熱気が凄かったです。
当初は「ミスミ」が運営してる「meviy」です。と宣伝してたのに、
そのうち「meviy」をやってる「ミスミ」です。と言うようになるかも・・・・(笑)

meviy以外はどうだったのか?と言いますと、各社とも結構賑わっていた感じ。
サトーパーツさんは久しぶりのガチのリアル展示を行ってましたので、
営業さんと色々情報交換できました。

AUTODESKさんは大塚商会のブース内での展示だけかな?と思いきや、
レノボさんと合同でブース出してました。
残念ながらF村さんにはご挨拶できませんでしたが、
主要メンバーが皆、今回の展示会に参加してる感じでした。

 

他にも細々と興味感じた展示は有ったのですが、
ぜひ紹介したいと思ったのはiCADさんの展示。









実際に動いてるところを見て頂かないとピンと来ないかもしれませんが、
iCADとPLCシステムのリンク動作のデモなのです。

iCADに限らず、3D-CADにはシミュレーションの機能が存在しています。
それにより、組み立てた装置の稼働具合を見ることができますが、
あくまでもCAD内で可能な範囲で動かしてみるだけの話。
正直なところ、大規模な装置になるほどシミュレーションの設定が大掛かりになり、
全てをきちんとシミュレーションするのは困難になります。
仮にきちんと設定できたとしても、それはあくまで仮想部品での話。
実機側に想定外の不具合が有ったとしても、シミュレーション上は動いてしまうんですね。

しかし上記の写真のように、実機と3D-CADをリンク出来れば、
その懸念点も解決しちゃうわけです。
写真の装置ではPLCで制御されるメカ部も存在してるわけですが、
メカ部は接続されず、iCADと制御部だけで構築することも可能。
こうすると、PLCの制御プログラム開発段階で、
メカ部の動きをCAD上で視認することが可能になります。
大規模ラインの制御開発とかに、非常に便利ですよね。

私はインベンター使いなので、使い慣れてるインベンターを好みますけれど、
この機能についてはiCADが羨ましく感じました。
これはインベンターでは実現できない機能だからです。

6月の東京開催の展示会でも、このデモは展示されるそうなので、
興味感じた方はぜひ見に行かれることをお勧めします。

2023年4月12日水曜日

某基板にアナログジョイスティックを繋いだ際の不具合。

 私が基板設計した某基板のお話。

USBでPCと接続してるその基板にアナログジョイスティックを繋いだ瞬間、
USB接続が瞬断されて動作がおかしくなるとの報告が。
アナログジョイスティックだけで起きる現象で、
一般的なジョイパッド等だと問題無いそうな。

真っ先に疑うのは、何等かの影響でPICマイコンにリセットかかってる可能性。
そこでPICにリセットかかってるかを調べてもらったが、結果は白。
PICマイコン自体はリセットかかってないのにUSBが瞬断されるとなると、
PCとPIC内のUSBコントローラー間の問題に有ると推測。
この先は現物を調査することに。

一式送って頂き、早速見てみると確かに瞬断が発生する。
では詳しく調べてみようと、3Dプリンターで使用しているUSBケーブルを繋いでみると、
あれ?症状が出ない??!

V-BUSラインにオシロスコープを繋いで様子を見てみました。
まず、以下が症状が出ないUSBケーブル。








 

アナログジョイスティックを繋いだ瞬間、電圧低下が起きてますね。
しかしこれだと問題が出ません。

 

次は別なUSBケーブルを使った場合。







 

 

USBの瞬断の症状が発生するのですが、
波形を見ても明らかに前のケーブルより電圧低下が激しいですね。

ちなみに使ってるオシロスコープは70MHz帯域の安物なので、
実際には波形のピークはもっと下に伸びてると推測されます。

 

ともあれこれで今回の症状の原因がほぼ特定できました。
V-BUSの電圧をPIC内のUSBコントローラーが監視していて、
これでUSBが繋がれたかどうかを見ているので、
瞬間的にはUSBケーブルが抜かれたように見えてるんですね。

電源ラインにて対策を検討したものの、お手上げ。
というのも、結局のところUSBケーブルを含むPCからのUSB電源供給の問題だからです。
電源ラインでの対策は諦め、PICのV-BUS入力ピンに対策を施します。
具体的にはLPFを挿入し、瞬間電圧低下を検知しないようしてやります。
このピンの入力インピーダンスは十分に高いようなので、
10KΩの抵抗と1μFのセラコンでLPFを構成。

結果はバッチリ。
全く現象が起きなくなりました。


ちなみにPICマイコンの電源は3.3Vなので、V-BUSからLDOを通して生成しています。
しっかり電解コンが入ってるので、3.3Vラインには全く電圧低下が起きてません。


それにしてもUSBケーブルで こんなに変わるとは面白いですね。
ケーブル内の電線の太さとコネクターの接触能力の違いなんでしょうけど、
ちょっと興味深い結果でした。


2023 / 4 / 14  追記

状況解析の作業内容にて、書き忘れていた内容が有った為、追記します。

ほぼ電源ラインの問題という感触を得た段階で、
それを追認する為の実験を行ってみました。

まず、以下のような治具を作成しました。








某基板とアナログジョイスティックの間に噛ませる、
延長アダプターと言えるような治具です。
ただし、繋いでいるのは電源線の2本のみ。
電源線以外の信号線は一切繋いでいません。

で、これを介して瞬断現象が発生するかどうかを追確認したわけです。
すると、これを噛ませても やはり瞬断は発生しました。

結論として、今回の瞬断現象に信号線は一切絡んでいない事が確実に。

わざわざこれを確認する必要が有るのか?と疑問を感じる方もいらっしゃいますか?
USBポートとアナログジョイスティックの間にはPICマイコンが存在してます。
信号線がPICに対して何らかの影響を及ぼし、
その結果PIC内のUSBコントローラーが瞬断現象を起こしてる、
という可能性が決してゼロではないからです。

もし実際にそんな現象が起きていたら、
割とやっかいなトラブルシュートになっていたかと。
しかし今回は 治具を作成して その切り分けを行ったわけです。


2023年4月7日金曜日

CO2センサーの話 その2

前の記事の続きです。
タイトルは異なってますが、続きの内容なので「その2」としてます。

風呂に浸かりながらインターフェースについて検討。
やはり風呂での検討は思案が進んで良いのです。

単にセンサーの値を飛ばすだけが目的ならば、力技で繋いで済む話。
しかしどうせならば、更にプラスαを加えたいところ。
てなわけで、仕事場兼居間のCO2値をモニターしてやることに。
するとここで問題となるのが、「かんたんスマートモニター」までの距離。
「かんたんスマートモニター」の本体は隣の部屋の窓際にあります。
なのでここまでセンサーの線を引っ張る必要があります。
そうなると一番有力な手段は差動信号による非同期シリアルですね。

差動の非同期シリアルというとRS-485を思い浮かべる方が多いかと。
非常に一般的であり、「かんたんスマートモニター」でも一応サポートしてます。
しかしRS-485は半2重動作なのに対し、
CO2センサーの非同期シリアルポートは全2重動作です。
CO2センサーをRS-485のネットワークに乗せるには、
マイコン等による送受制御動作が不可避。

なのでここはRS-485に拘らず、全2重方式で通信することにしましょう。
いわゆるRS-422方式ですね。


ちなみに差動の非同期シリアル以外も検討してみましたが、
I2Cをケーブルで引き延ばすにはリピーターICを噛ます必要があります。
普段I2Cを使っていない身として、そんな石を持っているわけもなく、
わざわざ揃えなきゃならない & I2Cの実装の手間も大きい、
という点を顧みると全くお手軽さが無い為、I2C案は没です。

次にPWMを使う案ですが、PWM出力はLPFを通すとアナログ電圧値になるので、
「かんたんスマートモニター」のアナログ入力に繋ぐことで、
割りと簡単に値を読み取ることができます。
ケーブルを延ばすのも そんなに苦にはなりません。
ただ、まずLPF回路を作成する手間が発生することと、
「かんたんスマートモニター」標準のアナログ入力分解能が10bitという点がネック。
10bitということは1/1024までしか細分化できません。
せっかくセンサー自体は0から32000ppmまでの値が測れるのに、
10bitの分解能は ちともったいないですよね。
ということで、アナログ信号案も没に。


話を戻しまして、RS-422での通信ですが、
センサー側はシリアル通信線2本を差動信号トランシーバーに繋げば完了。
難しい回路ではないので、特に問題にはなりません。

「かんたんスマートモニター」側も、製作済みのモジュールを刺せば完了・・・・・
と思いきや、RS-422動作可能なモジュールが無いことに気づきました。 orz
既に有るのはRS-485動作専用品だったのです。
RS-422動作可能なトランシーバーを搭載しているにもかかわらず、
基板上でTXとRXを接続してしまっているので、半2重専用なのです。
う~~ん、さてどうしたものか。
この機会にRS-422動作可能な基板を作るのも有りかなぁ・・・・・

2023年4月6日木曜日

PAS CO2センサー

 4/5~7の日程でIoTソリューション展がビッグサイトで開催されてまして、
そこでチップワンストップさんよりCO2のセンサーを購入してきました。
別にセンサーが欲しくて展示会に行ったわけではないのですが、
なんというかお祭り的なノリ?(笑)

で、購入したのがこれ。
















 

InfenionのXENSIV PAS CO2センサーという代物。
ちなみに今回購入したのはセンサー本体のみではなく、
評価・開発用のモジュール基板で「EVAL_PASCO2_MINIBOARD」という名称。
センサー本体はBGAの様なので、
このようなモジュール基板を出してくれるのは有り難いですね。

環境モニターの概念が広まったせいか、
センサーを使ったCO2のモニターを見かける機会が増えましたが、
私自身はCO2センサーを触ったことがありませんでした。
そういう案件が無かったからなのですが、
うちでは「かんたんスマートモニター」が常時稼働していますから、
センサーさえ繋げば簡単にCO2のモニターが可能。
ならばこの機会に試してみるか?と思ったわけです。









 

常時稼働中の「かんたんスマートモニター」


データーシートに目を通して、お!と思ったのがLifetime。
寿命のことですが、10年とのこと。
ガス系のセンサーだと機体と接する部分の劣化により、
寿命が短いセンサーというのも存在します。
それを考えると10年というのは十分な長さかなと。

供給電源ですが、+3.3V 10mAは納得として、+12V 150mAも必要!!
この12Vは測定部で使うらしいのですが、なかなかの大食いですねぇ。
3.3Vも含めると約2W食う計算。
電池駆動だと常時稼働は厳しいような気が。
間欠駆動させる場合、センサーの立ち上がり特性が気になるところですが、
データーシートのどこかに記載されているのかな??
現時点では まだ見かけていません。

さて次に気になるのはインターフェース。
以下の3つの出力を持ってるそうな。
  ・I2C
  ・非同期シリアル
  ・PWM

PWM出力は測定値のアナログ出力の代わりという感じなのかな?
まだイマイチ理解できてません。

I2Cはお馴染みですね。

非同期シリアルは3.3Vレベルの信号。
レベル変換ICを繋げばRS-232としてパソコン等にも繋げますね。

データーシートではI2Cについては詳しく書いてあるのですが、
他のインターフェースについてはアバウトにしか書いてません。
「詳しくは公式サイトを見てね」と記載されてます。
なんという不親切な。 orz

まぁ実際のとこI2Cを使う人がほとんどだからなのでしょうね。
しかし、うちではI2Cは使いません。
「かんたんスマートモニター」もハード的にはI2Cを使えないことはないですが、
ファームウェアが厳しいのです。
意外な思われる方が多いかもしれませんが、
C言語で書くならI2Cの使用は難しくないと思われますが、
「かんたんスマートモニター」のファームはアセンブラー。
アセンブラーでI2Cを使用するのは結構面倒なのです。

そんなわけで、使うとしたら非同期シリアルかなぁ。

この続きは また改めて。

2023年4月3日月曜日

新プライベートPCの近況

 以前少し書きましたが、プライベートPCを更新しました。
試運転から本稼働も合わせ、1週間は経過してきたので、
ぼちぼち雰囲気が解ってきた感じなので、ここらで感想を。

まず最初に構成を記載します。

CPU
AMD Ryzen5 5600

マザーボード
AsRock B550M Steel Legend

メモリー
G.Skill F4-3200C16D-32GSXWB

ビデオカード
MSI Geforce 1660SUPER

ストレージ
PLEXTOR PX-1TM10PGN

光学ドライブ
LITEON iHAS324

電源ユニット
Antec NE750 GOLD

ケース
Scythe SCY-CFS3-BK

と、こんな感じです。

 

まず最初に選んだのがマザーボード。
SocketAM5で組むと予算が厳しかったので、
泣く泣くSocketAM4を選択しました。
個人的にはAsRockがお気に入りなので、
AsRock製品で即納&価格がこなれていて、更に耐久性も期待できそうな物、
という感じで選んだところ、B550M Steel Legendが見つかりました。
X570チップセット搭載品は予算的に無理だったのでB550チップセット品を選択。
メーカーサイトを見ると結構な出塁の製品が並んでいますが、
実際に入手可能なのは少ない感じでした。
このマザボはマイクロAT-Xサイズなので、拡張性で懸念を感じてましたが、
結果的には これでOKでした。
最近はUSBで拡張することが多いからの様です

 

CPUはさほど迷いませんでした。
私の場合、省電力性が優先なので、TDP65W縛りを設けてます。
すると性能との折り合いで、Ryzen5 5600になったという感じです。
予算が許せば5600Xにしたかったところですが、今回は断念です。
私が買ったのはBOX品なので、リテールファンが付いてました。
SocketAM3時代のリテールファンはお世辞にも静かとは言えない代物だったので、
別途CPUファンを購入するつもりだったのですが、
いざCPUファンを発注するも なかなか入荷せず!!
待つのがもったいなくて、繋ぎのつもりでリテールファンを取り付けてみたところ、
あら めっさ静かじゃないですか!!
これなら問題無いやということで注文してたCPUファンをキャンセルし、
リテールファンを継続使用することにした次第。

 

メインメモリー選びは割と適当でした(笑)
メーカーはG.Skillで決め打ちし、予算内で即納可能なものを選びました。
オーバークロックは興味無いので、定格クロックのDDR4-3200品です。
容量は旧マシンが16GBだったので32GBあれば足りるだろうという判断。
実際、メモリー不足を感じることはない模様です。

 

ビデオカードと光学ドライブは旧マシンからの移植です。
ビデオカードは半年も使ってないので買い替えの必要は無いですね。
十分なパフォーマンス持ってますし。

光学ドライブも将来的にはブルーレイドライブに置き換える予定なので、
それまでの繋ぎとしてDVDドライブを搭載しておきます。
昨今は光学ドライブの使用頻度が下がってるので、そんなにガタもきてないようなので。

 

メインのストレージは当然SSDですが、
初めてM.2スロット搭載用のSSDを使用しました。
このPX-1TM10PGN、スペック上もいい感じで、
載ってるチップもキオクシア製というのが惹かれます。
値段も手頃だったので、いい買い物だったなぁという印象。
メーカーがPLEXTORですから、無名メーカーよりは遥かに信用できます。
この製品、ヒートシンクは付いていません。
SSDの発熱問題が取り沙汰されているようなので、
ヒートシンク無しは確かに好ましくない気がします。
と・こ・ろ・が、今回使用するマザボB550M Steel Legendでは、
メインのM.2スロットに対して、マザボのヒートシンクが付くんです。
なので今回のPX-1TM10PGNはベストマッチ。
ちなみにマザボのヒートシンクが接する面に製品ラベルが貼ってある為、
そのままだと冷却能力が低下するので、製品のラベルは裏側に貼りなおしました。

 

電源ユニットは700Wクラスで、80PLUS GOLD品を選択。
プライベートPCは うちで一番稼働時間が長いので、
電気代の観点からGOLDではなくPLATIUMにしたかったところですが、
さすがに予算的に無理でした。(笑)
700Wというのは 今回の構成に対してかなり余裕有ると思いますが、
製品寿命の観点から これくらいにしてみました。

 

ケース選びは 結構苦労しました。
昨今のケースって、フロントにファンが並びまくりなんですよね。
そのおかげで5インチや3.5インチベイが少ないもしくは無い!
電源スイッチやUSBコネクター等がフロントパネルではなく、
上面パネルに付いてたり、なんていうデザインになってました。

私は外観のカッコよさには興味無くて、機能性重視。
ドライブベイは必須なわけです。
操作部もフロントパネルに付いていないと、PCの上に物が置けません。

そんなわけで、フロントパネルにドライブベイが複数付いてて、
値段そこそこのミドルケース・・・・・・
という感じで探したところ、数種類みつかりました。
値段はどれも大差無かったのですが、最後は勘で選択(笑)
結果はバッチリでした。

このケース、フロントに3.5インチベイは無いのですが、
5インチベイが3つあるので、アダプター噛ませば問題無し。
それでいてフロントパネル部に冷却ファンが2基付いてます。
背面の1基も合わせ、最初から3基も付いているので、
騒音が心配でしたが、全くの杞憂でした。
どれも静音タイプのようで、全く問題無いレベルです。

電源ユニットは最下段に取り付けられる点もお気に入りです。
マザボがフルAT-Xサイズだった場合、電源ユニットぎりぎりまで来るので、
ケーブルの引き回し等の懸念が発生したかもしれませんが、
今回はマイクロAT-Xサイズだったので全くもって快適。
このケースにはマイクロAT-Xサイズの方が向いてる気がします。

水冷ユニットも搭載できるようにと、通風孔があちこちに開いてます。
最近のケースは皆、こんな感じなのでしょうかね?
機能面で支障は無いものの、今回のマザボも最近の製品らしくピカピカ光ります。(笑)
すると、通風孔からその光が漏れてきちゃうわけですよ。
正直鬱陶しいので、マザボの設定で光らないようにしました。
あとは良く出来たケースだなぁと感心してました。
鉄板の加工も丁寧だし、内部まで塗装かかってます。
HDD等の固定もビス不要なのにはビックリ。
どおりで付属品のビスが少ないわけです。
使う場面が非常に少ないんですね。
マザボを留める六角スペーサーをねじ込む際も、専用のアダプターが添付されてて感動。
とても1万円以下で買えるケースとは思えない代物でした。

ちょっと気になった点としては以下です。

電源ランプが青色LED
  見てて不気味な雰囲気を感じます。

HDDのアクセスランプが暗い
  使用してるLEDが暗いタイプのようで、よーく見ないと点いてるのがわかりません。
  私も当初、アクセスランプだと気づかなかったほどです。(笑)

フロントパネルのUSB3.0コネクターが1つしかない。
  昨今だと2つ欲しいところですね。
  (なおUSB2.0のコネクターは別途2つ付いてます)

  ちなみに私の場合、SDカードスロットを増設してまして、
  それにUSB3.0のコネクターが1つ出てます。
  なので都合2つのコネクターがフロントに出てるので問題無し状態です。


さて、構成だけで かなり量になってしまいましたね。
実際の使用感ですが、速いです!!

いや、当たり前だろという突っ込みが来そうですが、第一印象がこれ。

現時点でマシンパワーを体感できるのって、
TMPEGEnc Video Mastering Worksでの動画編集なんです。
これの処理速度が とんでもなく上がったんですね。
と言っても同一条件ではないので、マシンの差とは言い難い部分もありますが。

今回の新PC、Win10を入れてから最終的にWin11に上げてます。
旧マシンで使用していたTMPEGEnc Video Mastering Works5はサポート外なので、
この機にTMPEGEnc Video Mastering Works7を新規購入してインストールしました。
メジャーバージョンが2つ上がってることになります。

実はこの差が思わぬ形で効きました。
Video Mastering Works5だとCUDAの処理が古いせいなのか、
Geforce 1660SUPERでCUDAを利用すると問題が起きるんですね。
エラーが出るのではなく、出力される動画データーがおかしくなります。
なので、CUDAを使わず、すべてCPU処理する設定で使っていたわけですが、
Video Mastering Works7ではその点が改良されているようで、
Geforce 1660SUPERでCUDAを使用しても全く問題ありませんでした。

つまり今回のPC更新の影響で、CPU等の能力増強だけでなく、
CUDAも使用可能になった点が大きくプラスされることになったのです。
その結果、動画の処理速度が約3倍になった感じ。
これは凄くないですか?
私がプライベートPC上で行う作業の中で重たいものというと、
この動画処理だけなので、これがこんなに速くなったのは大満足です。

余談ですが、Windows11の操作性は お世辞にも良いとは言えません。
せめてWindows10並みになってくれれば良いのですがねぇ・・・・・