以前から告知しておりました、「1ゲートロジック変換基板」の正式発表です。
昨今 かなり幅を利かせてきた1ゲートロジックICですが、
表面実装タイプしか存在しない為、ユニバーサル基板やブレッドボードでの使用には、
ちと難儀する代物でした。
そこで今回の変換基板を作成する事にした次第です。
実装可能な1ゲートロジックICはSOT-353パッケージなどと呼ばれている、
0.65mmピッチの物です。
東芝ですと、USVパッケージと呼称されています。
これを2.54mmピッチ、5ピンのSIP形式に変換するのが当基板です。
以下が未実装基板の表面
実装部品は全て表面に載っています。
ちなみに以下が裏面です。
表面処理は金フラッシュメッキですので、
実装部品とハンダに留意すれば鉛フリー対応も可能です。
下側に5つ並んでいるパッド部は2.54mmピッチの足が付くところ。
ここにマックエイト製CB-1-3を実装します。
パッド中央にスルーホールが存在しますが、これはパッド強化の為で、
スルーホールに部品を差すことはありません。
この基板内の回路図は以下の感じ。
ロジックIC用のパスコンと、プルアップ/プルダウン用の抵抗も実装可能です。
サイズは全て1608です。(抵抗については2012も載せられます)
R1のパッドがアブノーマルな配置になっておりますが、
これはプルアップとプルダウンを実装によって選択可能にしている為です。
以下のようにチップ抵抗の実装位置によって、プルアップとプルダウンを選択可能です。
なお、R2についてはプルアップのみ可能です。
実装可能な1ゲートロジックICは大きく3種類に分けられます。
1つ目は2入力ゲートタイプ 。
2つ目は1入力タイプ。
3つ目は3ステートバッファータイプです。
どのタイプもパッケージ自体は共通で、
1入力タイプのみNCピンが存在するという形なので、
この変換基板で全て対応可能というわけです。
2入力ゲートタイプを実装した場合、ピン接続は以下の様になります。
(図ではNANDゲートの例になっていますが、ANDやORゲート等も同様です)
次に1入力タイプを実装した場合。
IN2がNC扱いとなります。
最後に3ステートバッファータイプの場合。
IN2がゲート端子になります。
この変換基板はキットとして頒布いたします。
頒布品は基板3枚分が1セットです。
以下が内容物。
基板は3枚がVカット面付された状態ですので、使用時に各自で分割して頂きます。
※必ず基板分割してから部品を実装してください。
実装後に分割する場合はVカットカッター等の専用工具を必ず使用してください。
現時点ではピンは5本連結品がが3つ同梱されます。
将来的に15本連結品が1本になるかもしれません。
その際は各自で5本ずつにカットして頂きます。
これ以外の表面実装部品は各自で用意して頂きます。
1ゲートロジックICはピン配とパッケージサイズが合致していれば、
メーカーや種類は問いません。
C1のパスコンは必須ですが、使用するロジックICの種類によって、
容量を調整してください。
R1とR2は必須ではありませんので、必要に応じて実装する感じです。
基板の作成
以下は実際にこの変換基板を作成したものです。
まず、表面実装部品をハンダ付けします。
今回実装したロジックICは東芝のTC7SH14FUです。
シュミットトリガー入力のインバーターですので、
使用形態としては1入力タイプになります。
IN2がNCになるので、必然的にR2も不要となります。
C1には0.1μFのチップコンを使用しました。
TC7SHはVHC相当なので、0.01~0.047μF位でも良いかも。
R1は10KΩでプルダウンする様に実装しています。
基板が小さい為、基板を両面テープ等で固定するとハンダ付けが楽でしょう。
ピンを差し込みます。
基板を表裏で挟み込む形状になっています。
もし変形していた場合は、ラジオペンチ等で修正し基板を差し込んでください。
ピンは2.54mmで連結されています。
必ず、連結された状態のまま実装してください。
個別に切り離してしまうとピッチが揃わなくなってしまいます。
ピンをハンダ付けします。
両面ともハンダ付けします。
最後にピンを切り離して完成です。
ピンの長さはお好みで構いません。
頒布について
現時点での入手方法は直接問合せしかございませんが、
7/20に開催される「つくまた2」へ参加が決まれば、
そこで頒布を予定しております。