2025年4月10日木曜日

トルクレンチ選びで四苦八苦

 各部の締め付けにトルク指定が有るという組配案件が来ました。

当方も元請けさんもトルク管理案件を手掛けたことは無いので、
トルクレンチは持っていない為、そもそも工具を揃えるところからスタート。
ちなみにパナソニックの電動ドライバーは愛用していまして、
これには設定トルクで自動停止する機能があるものの、
トルクレンチよりは精度が落ちる代物なのです。

 

生産工程にてトルク管理を経験されてる方なら お解りでしょうけど、
本来一人で管理・作業を行うものではありませんよね。
しかし悲しいことに当方は一人。
管理と作業を全て行う必要があるのです。

すると問題になるのがトルクレンチの設定管理。
単一のボルトを締め続けるのであれば、一度設定すればOKなわけですが、
今回は複数の種類が存在するので、作業中にトルク設定値を変えなければなりません。

しかし一般的なトルクレンチは目盛線を引いてあって、
それを目安に調整する代物なので、油断すると設定ミスの確率高し。
なのでトルクテスターで設定値の確認まで行うのがセットなのでしょうが、
このトルクテスターが また高価なんですよね。

 

そんなわけでどうしたもんかと熟考していたわけですが、
直読式なら絶対とは言えないものの、ミスの可能性は減らせるという結論に。

トルクドライバーについては、KTC製のGLKシリーズを選択。
デジタル式なのでトルクが直読できます。
お値段も安いとは言いませんが、まぁ手が届くレベル。

トルクドライバーが使用できない箇所についてはトルクレンチの出番。
これがちと難儀していました。
全般的に指定トルク値が小さい為、工具の選択肢が少ないんです。

弱トルクのレンチだと東日製が割と幅を利かせてる雰囲気ですが、
東日のトルクレンチは先に書いた目盛式。
なのでトルクテスターが無いと厳しいんですよね。

結局、 TONE製T8D6という製品をチョイス。
これはデジタル式ではないのですが、設定値が直読できる様になってます。
これならトルクテスター無しでも行けそう。
お値段もお手頃です。

ただ、このT8D6の範囲値未満の指定トルクも存在するので、
それをどうするか 引き続き思案中なのでした。
デジタルタイプのトルクレンチは桁が1つ違うので、手が出せないんですよね。

2025年4月6日日曜日

組配外注の弊害

 組配の新案件の打診を頂いておりまして、見積・打合せの最中。
そこで気づいた点が有りましたので、明記することに。

 

今回の組配案件、ボックス状の電子機器なのですが、
随所に締め付けトルクの指定が存在します。

すると同然、トルクドライバーやトルクレンチを使用する事になるわけですが、
それなりにコストが発生してくるわけです。

通常であれば、設計から上がってきたものを生産技術にて吟味し、
無駄なコストが発生すると思われる箇所は設計変更を依頼して、
いわゆる設計の最適化を行うかと。

 

しかし今回の案件、エンドのお客さんは組配を全て外注している模様。
その為、社内に生産技術部門が存在しません。
なので、上記のような最適化が行われず、外注先に組配の発注が行きます。

外注先が生産技術を代行できれば まだマシなのですが、
発注段階では設計内容が確定している状態。
なので最適化を行うことが不可能なのです。

すると、確定している設計内容に従って組配作業を行う必要があるわけで、
無駄なコストが複数発生してしまう、というわけです。

 

ピンと来ない方もいらっしゃるかと思うので、一例を。

D-subコネクターの固定金具にトルク指定されています。
この金具はインチネジタイプ、#4-40UNCのものです。
すると、六角の外形は3/16インチサイズを想定するのが普通でしょう。
ところが何故か、外径5mmサイズの個所が1箇所混ざっているのです。
(5mmでなければ理由は特に無い箇所)
通常の組配作業であればスルーして構わないとこですが、
このおかげでトルクレンチのソケットを2種類用意しなければなりません。
ちなみにD-subの金具用のソケットって既製品が存在しない模様。
なので特別に作製しなければなりません。
それが2個になってしまうので、無駄なコストアップというわけです。

 

組配を外注頼りする場合は、こんな弊害もあるという点に留意しましょう。