2025年12月23日火曜日

フォトインターラプターの発光電流

 某案件でフォトインターラプターによる硬貨検出の実験中。

フォトインターラプター部はこんな回路


 

 

 

 

 

 

 

 

 

U1がオムロン製フォトインターラプター。
CN1でマイコン基板へ接続して使用します。
CN1の1番ピンが6V電源入力で、4番ピンがGNDです。
なおR3は実装されておりません。 

フォトインターラプターの発光側電流はマイコン基板上で設定してるので、
この基板上には電流設定に関与する部品はありません。

フォトインターラプターの出力を取り出すなら、
U1からCN1へ直結すれば良いだけなのですが、
なにやら部品が繋がっています。
これは出力を反転させる為。 

静止状態ではフォトインターラプターが入光状態となるので、
フォトインターラプターは常時ONとなります。
もし直結されていたら、CN1の3番ピンから4番ピンへ
常時電流が流れる状態となります。

CN1の3番ピンをロジックICで受けていた場合、
その入力はデフォルトLowという状況になります。

もちろんそれで論理を組めば基本動作に全く問題無いわけですが、
CN1に繋がっているケーブルを外した時にはどうなるでしょう?

マイコン基板から見ると、デフォで導通状態の物が導通無しになるので、
フォトインターラプターが遮蔽物感知状態と認識するわけです。

だから何?と言われそうですが(笑)、
実稼働中には一切関係無くて、開発中のテスト時の話で、
この状態だと ちょびっとだけ面倒なのですね。

 

なのでわざわざ論理反転させております。
フォトインターラプターが遮蔽物検知状態になると、
CN1の3番ピンと4番ピンが導通します。 
デフォルトHigh・アクティブLowという動作ですね。

こうするとCN1のケーブルを抜いても、マイコンの検知状態は変わりません。 

 

さてここからが今回の本題 
この場合、フォトインターラプターの発光電流は どれくらいがベターでしょう? 

発光側は常時点灯なので当然ながら消耗が発生します。
MAX値で点灯させ続けたら、それだけ早く消耗してしまうわけです。

では逆に発光電流が少なすぎたら?
その場合は単純に遮蔽物有り同様の状態になってしまいます。

フォトインターラプターのデーターシートを眺めても、
これが正解!という値は読み取れないんですね。
ではどうするか?というと、実測するのが早いんですね(笑)

CN1の3番ピンの論理を見ながら、発光側電流を変えてテストします。
今回の場合、約5.5mAが閾値でした。

ですので、6mA以上流す必要が有る、という結論になるわけですが、
具体的にいくつにするのが良いのでしょう?
ギリギリの6mAがエコロジーで良いのでは?と思いきや、
発光素子が消耗してきた際に光量が落ちて誤動作を起こすリスクがあります。

ですので、閾値の2~3倍位にしておくのがよろしいかと。
今回の場合は15mAに設定いたしました。
なお、発光側電流の絶対最大定格は50mAですから、結構余裕有ります。 

 

今回は論理反転回路が存在する為に、電流設定が やや面倒になりましたが、
直結回路の際でも同様に決める事ができます。 

2025年12月22日月曜日

ヒロセのDF11コネクター用の圧着ペンチ

 最近はXに小ネタを書く事が多いもんで、
こっちのブログが疎かになってしまっておりまして、
あんま良くない傾向ですよね。

ということで、たまには何か書かないとと、
ヒロセのDF11シリーズコネクターの圧着工具についてです。

ヒロセのDF11シリーズは2mmピッチのコネクターで、
単にそれだけなら特に珍しい代物ではありませんが、
親戚であるDF51シリーズの存在が大きいのです。

 

DF51シリーズは強ロック機構付きコネクターで、
引っ張っても抜けないのがメリットですが、
実はそれだけではなく、抜き差しが表に楽なのです。

日圧等、他社製コネクターにも強ロック機構付き製品は存在し、
私もXAシリーズを愛用しておりますが、このシリーズ、
抜くのが固いんですよね。
ロックを外しながら少しこじる様にしないと抜けてきません。

しかしDF51シリーズはロックを外すとスルっと抜けるのです。
この使い勝手の良さが気に入って、
当方の2mmピッチコネクターの標準はDF11/ DF51シリーズにしてます。

 

このDF51シリーズが なぜDF11シリーズの親戚なのか?と言いますと、
この2つのシリーズはコンタクトが共通なのです。 

コンタクトが共通ということは当然圧着工具も共通です。
ですので、1つの圧着ペンチを用意しておけば、両シリーズが使えるんですね。

 

さてここからが本日の本題です。

DF11のコンタクトは複数種ありますが、
一般的に需要高いと思われるのがDF11-2428SC。

当方もこれに対してDF11-TA2428HCという工具を用意してます。
この工具、中古品も出回ってるので入手性は良いのですが、
使い勝手の点で要注意なのです。

まず1つ目として、電線の位置決めストッパー機構が有りません。
ですので、電線の差し込み具合を目視が調整する必要があります。
大き目のコンタクトであれば左程問題にはならないのですが、
このクラスの微小コンタクトだと結構面倒なのです。
ですので、圧着作業に不慣れ方には かなり厳しいと言えるでしょう。 

2つ目の問題点として、コンタクト部が見づらい事です。
先に電線の位置を目視調整する必要があると書きましたが、
コンタクト部が見づらいというのは かなりの問題です。
なんで見づらいかと言いますと、この工具の設計が左利き向けになってるからです。 

もちろんメーカーが そう言ってるわけではありません。
実際に持っていただければご理解頂けるのですが、
右手で持つと、工具本体にコンタクト部が陰ってしまうのです。
左手で持てばこの問題は発生しません。

というわけで、結構やっかいな問題を抱えてる工具と感じてまして、
少数を圧着するのなら我慢できるものの、
これで大量に圧着するのなら圧着品質も含め、かなり頭が痛いです。

 

どうやらヒロセもこの問題を認識していたようでして、
現時点でDF11-TA2428SCはディスコンとなってまして、
HT801/DF11-2428Sと製品がリリースされております。 

こちらは外観が大きく変更されたのみならず、
電線位置のガイド機構も追加されており、
コンタクト部が工具本体で陰ることが無い様に設計されています。

ですので使い勝手が大幅に向上していることから、
今後手に入れるならばHT801/DF11-2428Sの方を強くお勧めします。