2022年5月5日木曜日

3Dプリンターの電気代を測定

 Sermoon D1の導入以来、ガシガシと出力を続けてきたわけですが、
ふと考えると結構な電気代が発生いるような気がします。
なにせ300Wクラスの電源を搭載し、高温を扱い装置の割に、
特に断熱遮蔽を考慮されているわけではありませんので、
結構な電気を長時間消費すると思われるわけです。

趣味の範疇であれば大して気にすることもないかもしれませんが、
3Dプリンター出力品を業務の一部として出荷するような際には、
当然ながら原価の一部として考慮する必要があるかもしれません。

ということでこの機会に実測してみることにしました。

当方ではAC電源のモニターを行う物として、
「V/Aプローブ」というユニットをリリースしております。
確かにこれで電圧と電流値をモニターできるわけですが、
今回問題である消費電力量については別途計算処理が必要になります。
なのでお手軽さに欠けてしまいます。

そこで今回は市販の測定/表示器を使うことにしました。

該当機種はそれなりに沢山存在すると思いますが、
今回は入手性の点から以下の2機種を選定。

・サンワサプライ TAP-TST8N
・ELPA  EC-03EB

どちらも民生用製品ですので、産業用測定器ほど高価で高精度ではありませんが、
今回は目安を知りたいだけなので これで十分です。

いつものようにヨドバシへ発注すると すぐに届きました。
さすがですねぇ。
ちなみにどちらも価格は大差無く、3千円しませんでした。
非常にリーズナブルだと思います。

パッケージは以下のような感じ。


















左側がサンワサプライのTAP-TST8Nで、
右側がELPAのEC-03EBです。

どちらもコンセントに直挿しする様、本体とプラグが一体構造です。
被測定を繋ぐ出力コンセントが製品底面に有るのも同一構造。
パッケージのサイズは ほぼ同じですが、
製品本体のサイズはTAP-TST8Nの方がコンバクトです。

外観で違う点としてはEC-03EBの方には電源スイッチが存在します。
これは元のコンセントから供給電源ラインに入っているようで、
電源スイッチをOFFにすると、この電力計のみならず、
繋がっている機器の電源も切れます。
これはちと便利かと思いきや、容量に余裕が無いスイッチを使っているようで、
日常的にこのスイッチで接続機器の電源ON/OFFを行うなと、
説明書に記載されています。
実際のところ、このスイッチの出番は少ないかもしれません。
そうなると、TAP-TST8Nに電源スイッチが無い点はマイナス点ではなくなりそうです。

表示部を見てみると、TAP-TST8Nは2行表示、
EC-03EBは1行表示という違いがあります。
いらない表示がゴチャゴチャ出ているのは感心しませんが、
これに関してはTAP-TST8Nの勝ちかと。
実際、この2行表示は便利です。

どちらの製品も、電源はACコンセントから取っています。
電池等は使われていません。
その為、コンセントから抜いて電源が切れると、
それまでの測定結果は全て消えてしまいます。
この点も簡易測定器という観点から仕方無いところですね。

マニュアルを見ていて気付いたのですが、
EC-03EBには電気料金の設定機能が有りません。
1KWh当り幾ら、という設定値の話です。

どちらの製品も、使った電力量から電気代を計算して表示する、
という目的の製品なわけですが、すると当然、電気料金が重要な項目になります。

この電気料金ですが、実は結構面倒な話がありまして、
簡単に言えば、たくさん電気を使うと電気料金が上がる仕組みになっています。
普通、たくさん商品を買うと単価は安くなることが多いですが、
電気については逆になっているという話です。

今回の製品2つとも、電気料金はデフォルト値が設定されていますが、
どちらも1KWh約22円になっています。
ところがうちは結構電気を使っているので、一番高いランクに達しています。
すると1KWh約33円くらいなんですね。
さすがにこれだけ異なると概算とはいえ誤差レベルでは済みません。
なので電気料金の設定変更が出来ないEC-03EBは
うちでは実用するのは難しいと言わざるを得ません。(;;

とは言えせっかく購入したのですから、実際に2つとも動かしてみることにします。










上記のように、2機種を直列に接続し、Sermoon D1に繋ぎます。
どちらの機種も液晶にバックライトが無い為、
フラッシュを炊いて写真撮ると、表示がよく見えません。(;;

この状態で約20時間ほどかかるABS品の出力を開始します。
TAP-TST8Nの方は電気料金を1KWh33円に設定済みです。
なおこの設定ですが、電源を切るとリセットされてしまうそうなので、
毎度設定する必要があるのは残念なところ。

そして出力終了時点での表示が以下。









 

上側がTAP-TST8Nで、下側がEC-03EBです。
TAP-TST8Nは上段に電気代、下段に電力量が表示されています。
3.86KWh消費し電気代が129円という結果。

EC-03EBは1行表示なので電力量のみ表示していますが、3.89KWhという結果。
TAP-TST8Nと若干値が異なっていますが、誤差範囲でしょう。
そもそもどちらも誤差を含んでいるわけなので、
どっちが正解に近いかは判断が付きません(笑)
ちなみにカタログスペック上はTAP-TST8Nの方が誤差少ないことになっています。
EC-03EBを実用する場合は、この測定値に電気料金を掛けて、
自分で電気代を算出する使い方になると思われます。
3.89KWh×33.5円で、約130円という結果ですね。

ちなみにEC-03EBの表示を切換、料金表示にしてみたのが以下。










約86円ですから、上の計算結果と5割くらい異なっていますね。

そんなわけで、EC-03EBはお蔵入りし、TAP-TST8Nを常用することにします。 


追記

書き忘れてました。
どちらの機種も消費電力を表示する機能があります。
3Dプリント中に消費電力も見ていましたが、
一番電気を食っていたのはヒートベッドがONした直後でした。

投入直後は一気に400W近くまで!!
この3Dプリンターは400Wも出せるスイッチング電源を積んでるんですね。
その後だんだんと下がっていき350Wを切るくらいまでになりました。
ヒートベッドの昇温中は この状態を維持。
温度が上がりきると、制御がかかって半分くらいに下がりました。

その後、3Dプリント出力がスタートするわけですが、
出力中は160~170Wくらいを維持してました。

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