先日請けた組配案件にて、支給された板金ケースでトラブルが有りました。
その内容というのが単なるポカではなく、改めて周知した方が良さそうだったもので、
あえて記載することにした次第。
もちろんオリジナルの図面は載せられないので、
以下の図面は要点だけ解るように、仮で私が書いたものです。
まず、1つ目の図面をご覧ください。
板材に各穴1つと丸穴2つが開いてる代物。
こんな図面自体はポピュラーなもので、特に珍しくはないですよね。
さてでは2つ目の図面をご覧ください。
何が違うか、お気づきでしょうか?
実は丸穴2つが、1mmだけ左にズレています。
とは言え、丸穴の横位置が寸法値で指定されているわけではないので、
これでも1つ目の図面と同解釈しなければなりません。
と・こ・ろ・が、今回のトラブルというのは、
板金屋が2つ目の図面を元に、穴を横にズラして加工してきたのです。
でも上の図面だけならば、具体的にズレ値が解らないわけで、
加工できないはずですよね。
実はPDFの図面の他に、DWGの図面も一緒に渡していたのです。
DWGであれば具体的な値を拾うことが出来るので、
どれだけズレているかを正確に把握することが出来ます。
さぁこの場合、どちら側に問題有ると思いますか??
結論から申し上げると、7割方、板金屋さんの方がアウトなのです。
7割方と申し上げるのは、もちろん例外も有るからでして、
これから述べるのは、割と業界で一般的な解釈に基づく話です。
この問題の根っこを掘り下げると、図面とデーター、
どっちを優先するべき?という話になります。
データーを優先するべきならば、DWGファイル通りに作った板金屋が正しいことになります。
ところがですね、DWGは寸法が取れると言っても、基本的には図面を表すもの。
なので、記載内容を無視して別途採寸する使い方は誤りなのです。
では、DWGファイルではなく3次元CADのデーターだった場合は??
3次元CADデーター上で、上のように丸穴がズレていた場合、
その通りにズラすのが正解でしょう。
つまり図面が間違い(正確には寸法記載不足)と解釈することになります。
なのでその場合には板金屋ではなく、図面を出した客側がアウトという判断になります。
DWGファイルと3次元CADデーターの扱いの違い、ご理解頂けたでしょうか?
上のようなトラブルが起こりえるので、2次元図面は注意が必要なのです。
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