2022年5月16日月曜日

図面のトラブル

 先日請けた組配案件にて、支給された板金ケースでトラブルが有りました。
その内容というのが単なるポカではなく、改めて周知した方が良さそうだったもので、
あえて記載することにした次第。

もちろんオリジナルの図面は載せられないので、
以下の図面は要点だけ解るように、仮で私が書いたものです。

まず、1つ目の図面をご覧ください。










板材に各穴1つと丸穴2つが開いてる代物。
こんな図面自体はポピュラーなもので、特に珍しくはないですよね。

さてでは2つ目の図面をご覧ください。


 









何が違うか、お気づきでしょうか?
実は丸穴2つが、1mmだけ左にズレています。

とは言え、丸穴の横位置が寸法値で指定されているわけではないので、
これでも1つ目の図面と同解釈しなければなりません。

と・こ・ろ・が、今回のトラブルというのは、
板金屋が2つ目の図面を元に、穴を横にズラして加工してきたのです。
でも上の図面だけならば、具体的にズレ値が解らないわけで、
加工できないはずですよね。

実はPDFの図面の他に、DWGの図面も一緒に渡していたのです。
DWGであれば具体的な値を拾うことが出来るので、
どれだけズレているかを正確に把握することが出来ます。

さぁこの場合、どちら側に問題有ると思いますか??

結論から申し上げると、7割方、板金屋さんの方がアウトなのです。

7割方と申し上げるのは、もちろん例外も有るからでして、
これから述べるのは、割と業界で一般的な解釈に基づく話です。

この問題の根っこを掘り下げると、図面とデーター、
どっちを優先するべき?という話になります。
データーを優先するべきならば、DWGファイル通りに作った板金屋が正しいことになります。

ところがですね、DWGは寸法が取れると言っても、基本的には図面を表すもの
なので、記載内容を無視して別途採寸する使い方は誤りなのです。

では、DWGファイルではなく3次元CADのデーターだった場合は??

3次元CADデーター上で、上のように丸穴がズレていた場合、
その通りにズラすのが正解でしょう。
つまり図面が間違い(正確には寸法記載不足)と解釈することになります。

なのでその場合には板金屋ではなく、図面を出した客側がアウトという判断になります。

DWGファイルと3次元CADデーターの扱いの違い、ご理解頂けたでしょうか?

上のようなトラブルが起こりえるので、2次元図面は注意が必要なのです。

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