2021年2月12日金曜日

PX-335とコテペン40を比較

先日届いたgootのPX-335、別途注文している替えコテ先が届き次第、
そちらに交換して使用する予定なのですが、
せっかくなので標準装備のコテ先のまま、現在使用しているコテペン40と
使用感を比較してみることにしました。

使用するハンダは鉛フリータイプなので、
コテペン40の方は正確にはコテペン40NSという製品ですが、
ここではコテペン40と表記することにいたします。

 まず先に、各々の製品についてちょこっとだけ説明。
コテペン40は高千穂さんが出していた主にプロ業界で使用されていたハンダゴテ。
現在は高千穂さんが手を引いてしまった為、
関連会社であるセラコートさんがメーカーとして取扱いを継続中。
しかしコテペン最大の特徴である板状ヒーターの入手が困難になったことから、
コテペン本体も販売中止となってしまいました。

PX-335はgootさんが出している電子温度調節機能入りハンダゴテ。
設定温度は固定されており、ユーザーが変更することは出来ません。
以前はPX-338とPX-342という2機種が販売されていましたが、
最近新たにPX-335というタイプが追加されました。
このPX-335は設定温度が350℃と、
鉛フリーハンダに適した値となっております。

ではまず、今回使用する標準コテ先を見てみましょう。










右がPX-335で、左がコテペン40です。
コテペン40の先端が変形しているように見えるのはハンダのせいです。

一目で分かるように、コテペン40の方が先端が細いのです。
先端の細さだけで語るなら、PX-335等の替えコテ先にも細いものは有りますが、
コテペン40の様なきれいな円錐形になっていないため、
熱伝導が悪いという難点がありまして、私はほとんど使いません。

では実際にハンダ付けしてみた感触です。
ターゲットはセントロニクスコネクターとAWG24番線。
ちなみにハンダは日本スーペリアのSN100Cのφ0.8です。

結論から申し上げると、コテペン40の方が具合良いです。

まず、ターゲットにコテとハンダを当てた時の初動。
PX-335の方がハンダの溶け始めが遅いんです。
たぶんこの時点ではコテペン40の方がPX-335よりコテ先の温度が高いんでしょうね。
ではPX-335ではなくPX-338やPX-342を使えば良いという話にはなりません。
それは通常温度が高すぎて、鉛フリーハンダで使用しているコテ先が
あっという間に劣化してしまうのです。
ということで、作業のテンポという点でコテペン40に軍配。

次にハンダを流し込んでいる最中の状況。
これもコテペン40の方が良かったです。
PX-335だと、フラックスが飛んでしまう(=蒸発してしまう)のが早いようなんですね。
フラックスが飛んでしまうと濡れ性が悪くなりますから、ハンダの広がりが悪いですし、
ハンダの見た目も悪くなります。
この差は何なんのかと言いますと、コテ先の温度だと思われます。
PX-335の方は、コテ先の温度が高いんでしょうね。
対してコテペン40は、溶け始めの時点ではPX-335より高温だったものの、
ハンダを流し込んでる最中はPX-335より低めの温度になっている模様。
その為フラックスが飛ぶまで時間の余裕が有る為、
ハンダの広がりも良いし、仕上がりも綺麗な感じ。

昨今は鉛フリー用には温調付きハンダごて、というのが主流のようですが、
改めてコテペン40のバランスの良さを実感した次第。

余談ですが、コテペン40に相当する製品として、gootさんのCXR-41も持ってます。
当初はこちらを鉛フリー用に使用する予定だったのですが、
全く使い物にならず、コテペン40と交代させたという経緯。
単に温調無しのコテでいいという話ではなく、コテペン40の威力という話です。

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