2023年1月4日水曜日

差動信号線のパターン設計の話

 皆様、あけましておめでとうございます。
惰眠を貪っている間に新年が来ていたコナンです。

今年最初のネタは差動信号線のパターン設計について。

新年早々、USBが載った基板を設計することになったのですが、
USBの信号線は差動ラインでございます。
なので差動信号線としてインピーダンスマッチングしたパターンを引く必要があるわけですが・・・

そこで、文献やら各種計算サイトを調べてみると、各々で結構な差が有るんですね。
時間とお金が有るなら、実測用の基板を作って、実際のインピーダンスを測ってみる、
なんて手もありそうですが、さすがに私には無理。

そんな最中、これはアテになりそうと感じたのが、Kicad付属の計算ツール。








これが実際に先日設計した基板の値です。

この計算ツールで感心した点は、2本の信号線が同相か逆相かで、
それぞれの値を算出できること。

USBの信号線は差動信号なので逆相信号ということなります。
なのでこのツールだとZdiffの値になりますので、
Zodd×2という計算になるそうな。

上記の表だとZoddは 57.7662Ωなので、2倍すると115.5324Ω。
USB信号線インピーダンスは90Ωが規定値らしいので、まぁ許容値かと。
90Ωに対して約30%もプラスじゃないか!という指摘が出そうですが、
そもそも115.5324Ωという値が合ってるのか?という話もあるので、
あまり深く突き詰めても意味が無いと判断したわけです。

ちなみになぜ計算値に疑念が有るのかという話ですが、大きく2つ。

1つ目は計算式について。
どういう理論に基づくかによって計算式が変わるようなので、
こちらではその点に付いて追いかけられませぬ。

2つ目は与えるパラメーターについて
上記の表を見て頂ければ解るとおり、ツールに対して与えるパラメーターは結構多いです。
しかしほとんどはデフォルト値を使っています。
私の方で入力したのは基板厚、パターン厚、パターン間距離、パターン幅くらい。
これ以外の値を正確に出そうとすると、実物の基板解析が必要になるので現実的に無理。

というわけで、計算値は あくまで参考値という扱いにしかならないのです。

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