2024年8月12日月曜日

LP-168S用電源ユニットの製作 ラスト

 板金が届き、これで完成!と思われた電源ユニットですが、
予想外の事態が発生したのは前回書いた通り。
この問題は中々に根深く、プロジェクト自体が没案件になっておりました。

LP-168Sは2.1chアンプなので、スーパーウーハー用のアンプが存在します。
スーパーウーハー用ですから低音域を扱うわけですが、
そうは言っても通常はHPFを用意してある程度から下の周波数は切ってしまいます。

ところがLP-168SはこのHPFが無いようでして、
そのおかげで非常に綺麗な低音が出てくるのです。
と・こ・ろ・が、HPFが無いということは増幅域がDCにまで及ぶので、
電源の質に敏感になっちゃうんですね。

そんなこんなで、一般的にはオーディオアンプ向きのはずのトランス式電源が、
LP-168Sに対しては相性が悪いという結果になってしまった模様。

この電源を使用したいのなら、LP-168S本体に対して、
更なる大幅改造を加える必要が有る、という話です。

そこまでしなくても専用のACアダプターで十分満足する音が出てるので、
このトランス式電源は没でいいべと判断したのでした。

 

ところがここにきて1大事件発生!
なんとLP-168Sに不具合発生したのです。
症状としては不安定な雑音が混じるというもの。
最終のパワーアンプ段で発生している点までは絞りましたが、
それ以上は なかなか難しいところ。
どうも私の感覚では、パワーアンプIC自体に不具合発生してる模様。

ならばそのICを交換してみればハッキリするわけですが、
LP-168Sは変態実装なもんで、パワーアンプICの実装には専用治具が必要なのです。
(治具が無いと位置合わせが出来ないから)

ということで、LP-168Sについては これ以上お手上げと思い、
新しいアンプを購入することにしました。
それがこれ。








 

 

Nobsound製アンプで、購入はアマゾンから。

スーパーウーハーの音質についてはLP-168Sに及ばないものの、
実用にならないレベルではないので、今後はこれを使用することに。

このアンプ、入力電源がDC12~24Vという仕様。
つまりLP-168Sの電源がそのまま流用できるんですね。

最初、LP-168S用のACアダプターを使用していたのですが、
ふと、トランス式電源が使えるんじゃね?と気づいたのです。
早速試してみると・・・・・おおバッチリじゃん。

そんなわけで、今更ながら このトランス式電源ユニットが日の目を見る事になった次第。


そのまま流用しても使えないことはなかったのですが、
現状はLP-168Sに合わせる為、色々捻りを加えてます。

それらは新アンプにとって不要な内容なので、この際、改修することにしました。

その1・トランスの換装

元は豊澄のHT-1205を載せてました。
これは出力容量が12V 0.5Aです。
アンプ側の消費電流は0.1~0.2A程度なので、HT-1205でも足りるはすです。
しかしオーディオ用ならば電源には十分余裕が欲しいと感じるはず。
実はトランスの容量を そこそこに絞ることで、
出力電圧が上がり過ぎない様にという捻りを加えていたのでした。

しかし新アンプは上限24Vですので、無理に電圧を抑える必要がありません。
そこでHT-1205を止め、昔使用していたアンプユニットのジャンクから取り出した
トランスへ換装しました。
このトランスは中間タップ付きで26V 1.1Aという出力。
つまり13V 1.1A ×2本という使い方が出来ます。

その2・平滑回路部の変更

トランス後の回路も結構手を加えました。
以下が変更前の回路


 

 

 

 

 

 

それに対し変更後が以下


 

 

 

 

 

 

HT-1205ではブリッジ整流式でしたが、
今回のトランスでは中間タップが使えるので、
ダイオード2本による全波整流式としています。
これにより平滑電圧が少しアップしました。

電圧がアップした分、R1でドロップする電圧も大きくすることができます。
R1とC1でLPFを形成し、電源リップル分を低減しています。
なのでR1は大きい方がベターなのですが、
アンプの消費電流とアンプへの出力電圧も加味する必要があります。

一番大きな変更点は3端子レギュレーターを削除した点ですね。
LP-168Sでは実用電圧範囲が狭かったことも有り、
7812で定電圧出力する様にしていました。

しかし一般的にはこの手のパワーアンプ用電源は定電圧制御を行いません。
新アンプ用電源でも定電圧制御は不要でしたので、7812はバッサリカット。
これで電源出力には余裕が出来たはずです。

L1とC2によるLCフィルターも存在していますが、
この回路では上記RCフィルターの方がカット周波数が低いため、
あんまり効いていません(笑)


余談ですが、C2も換装しています。
新回路では出力電圧が実測13V程度なので、
16V耐圧の電解コンでも足りる様に思えます。

ところがこれはアンプの負荷電流が流れている前提の話。
何かしらの事情でアンプが切れて負荷電流がゼロになった場合、
16Vをオーバーしてしまう可能性が大です。

そこで念のため、25V耐圧の電解コンに換装することにした次第。
手持ち品の都合から3300μFに減ってしまいました。
実際、特にデメリットは感じていません。


最後に新アンプの電源部の合体です。

元々この電源はLP-168Sと合体させる様に設計していたわけですが、
新アンプはケース無しのほぼ基板という形状。
しかもLP-168Sより二回りくらい小さいです。
そこで平板のプレートを用意して、アンプと電源部を合体させることにします。

meviyでサクっと製作、と考えたものの、なんと今はお盆真っ最中。
meviyも長期休みの真っ只中。
早くても加工品が届くのは来週末というところなので、
とりあえず それまでの繋ぎとして3Dプリンター製のプレートを用意することに。









 

こんな状態になりました。
このプレートはABS製なので、シールド能力は皆無。
すぐ下のトランスの影響によるノイズが懸念されましたが、
全く問題ありませんでした。

とりあえずこれで様子見し、後日meviyで作製した鉄プレートに置き換えるつもりです。

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