2022年6月3日金曜日

設計のループ

 先日設計した基板にて、設計修正が続いたもんで、
なんとも効率悪いなぁと思ったことから、
相次いだ設計修正の様相について省みてみました。

まずそもそも今回設計した基板はデジタル・アナログの混載回路。
1系統の供給電源で全体を動かすわけですが、
この基板の出力はデジタル系とアナログ系で別々。

とりあえずざっくりと基板を引いてみたわけですが、
グランドループが気になります。
デジタル系は特に問題無いでしょうが、アナログ回路に影響出そう。

ってことで、ここで1回目の検討修正。

絶縁型DC/DCコンバーターを積んで、アナログ系の電源をアイソレートすることに。
これでグランドループは断ち切れます。

するとDC/DCコンバーターの選定というのが発生するわけですね。
今回の基板は試験用のプロト基板。
このまま量産する予定はありませんので、
手軽に入手できる部品を選ぶことにします。

そして選んだのが秋月電子で売ってるMinmax製のDC/DCコンバーター。
秋月さんですから値段も高くないし、在庫も問題無し。

ってことで、このDC/DCコンバーターを使う様に1回目の設計変更。

1回目の設計変更が完了し、発注の為の部品リストを作成開始。
すると、一部、Digi-Keyに発注しなければならない部品が出てきました。
価格面というより、在庫の点からの話。

すると、Digi-Keyに発注かける前提ならば、部品選定もちょっと話が変わってくる。
上記のDC/DCコンバーターも、他社製の同等品が秋月より安いんですね。
なので、DC/DCコンバーターを再選定。
秋月で売ってるMinmax製のDC/DCコンバーターは業界標準品なので、
そのままピン互換で置き換えできる製品がDigi-Keyで沢山見つかります。

最初はそのまま置き換えようかと思っていたわけですが、ここでハタと気付きました。
「小型タイプに変更した方がいいんじゃね?」

秋月で売ってるMinmax製は、Digi-Keyで言うところの7sip4ピンというタイプ。
入出力のピン間ピッチが5.08mmあるので、アイソレーションの観点でも有利なのですが、
今回の基板ではアイソレーション特性は それほど重要視されません。
むしろ部品を小型化してノイズ対策部品を増やしたいところです。

ということで、2回目の設計変更。
DC/DCコンバーターの形状を7sip4ピンタイプから、単なる4ピンsipタイプに変更です。

2回めの設計変更も無事終わり、ノイズ対策のインダクター等も追加できたんですが、
ここまで来て、電源周りの効率が気になりだした次第。

上記で追加したDC/DCコンバーターの1次電源というのは、
デジタル系統へ給電してる5Vから貰っています。
この5Vというのはこの基板への供給電源より、
3端子レギュレーター互換のDC/DCコンバーターで生成してるんですね。

基板への供給電源は大元が乾電池なもので、大幅に電圧変動します。
なので3端子レギュレーター互換のDC/DCコンバーターにて
電圧変動も吸収しつつ、高効率で5Vに変換しております。

追加したDC/DCコンバーターへの給電は安定化されているわけですが、
結果的にDC/DCコンバーターを2個噛ませてアナログ系統電源を作ってるわけで、
電源が電池という点を考えると、ちょっと気になるわけです。

なんで今更?と思われるかもしれませんが、
1回目の変更の時点で、秋月電子で売ってるDC/DCコンバーターを使う予定でしたが、
そのラインナップには供給電源が広電圧範囲品は無いんですね。
(3Wクラスならば存在するのですが、今回の基板には積めません)
なのでデジタル系統の5Vから貰うしかなかったわけです。

さて、ところがです。
Digi-keyで調達するとなると、選択の幅が一気に広がるわけですね。
改めて探してみると、絶縁型で広電圧範囲入力の製品が入手可能なんです。
となると、効率の観点から変更するべきですよね。

ということで3回目の設計変更。
DC/DCコンバーターを広電圧範囲入力品に変更し、
供給元をデジタル系の5Vから、基板への電源入力に変更します。

電源ラインの引き回しが変わるので、そこそこ手間も掛かりましたが、
DC/DCコンバーターの形状も変更です。
ちょこっとだけ長くなるんですね。
最初のMinmax製ほどではありませんが。

かくして、なんとか設計が落ち着いて発注も掛けました。

にしても、何でこんなに手間かかったかなぁと思い返すと、
Digi-keyへの発注有無の影響がデカイわけですね。

Digi-Keyは送料が高いので、極力避けるようにしてるんですが、
やはりある程度はキーにしておくべきなのかなぁ。
ちょっと悩みどころです。

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