2026年2月28日土曜日

東芝の74VHCシリーズ

 昨今、74シリーズのロジックICは出番が激減している印象ですが、
決して必要性が無くなっているわけではありません。

ただ、電源電圧の多様化により、シリーズバリエーションが増加している点が、
理解度向上を阻害する一因になっている気がします。 

 

前置きはさておき、今回は東芝製74VHCシリーズについて話をします。

そもそも74VHCシリーズとは、74HCシリーズの高速化を狙ったものです。
74HCより高速な石は これまた色々存在するのですが、
例えば74ACシリーズなんかも そうですね。

74ACシリーズは動作電源電圧こそ74HCと同等ですが、
出力ドライブ能力は遥かに上です。
これは多分、74Fシリーズや74ASシリーズの置き換え考慮した結果だと思われます。
その結果、74ACシリーズは74HCシリーズ対し、
とてつもなくノイズを出す石になってしまいました。 

 74VHCシリーズは電源電圧が74HC相当はもちろんの事、
出力ドライブ能力も74HC相当という石なのです。
従って、高速な74HCという意味では、74ACより74VHCの方が相応しいのです。

 

74VHCシリーズですが、似たようなシリーズとして74AHCシリーズが存在します。
こちらはTI社がオリジナルの模様。(74VHCシリーズは東芝がオリジナル)
実際、市場でも同様の使われ方がされてる様です。

 

ここからが本題なのですが、東芝の74VHCシリーズをお勧めする理由です。

74ACの例の様に、ロジックICの動作を単純に高速化するだけだと、
ノイズ発生源になってしまうんですね。
実際、東芝は74ACシリーズで少々頭を痛めた模様。

そこで東芝は74VHCに対し、出力段に手を加えたのです。 
具体的には出力波形の特性を制御し、74HCに近いレベルに収まる様、
頑張ったのでした。


 

 

 

出展
東芝 アプリケーションノート
VHCシリーズ 製品概要

 

 

 

  

 

 

この図は入力に対する出力波形のグラフです。 

74VHCの動作速度は74ACに近いのに、
出力のバタツキは74HCに近いことがお判りいただけるでしょうか?

これぞ正に、理想的な高速版74HCというわけです。

この特性により、74VHCは74HCの置き換えが可能と思われます。
(タイミングが早まるとマズいケースは除きますが) 

これは74AHCには無いアドバンテージですので、
どちらかを選べと言われたら、間違いなく74VHCを選びます。

 

現状の問題点

そんな、とても魅力的な74VHCシリーズですが、難点が無いわけではありません。

1.ラインナップ問題

パッケージの互換性問題にお気づきの方も多いと思います。
DIPパッケージでは全く発生しなかった問題なのですが、
1.27mmピッチのSOPパッケージにおいては、幅が2種類に分かれてしまいました。

TI社は互換性を考慮し、2種類のパッケージをリリースする方針を取りましたが、
現状に居たり、東芝が押してきたパッケージは主流から外れることになりました。

そこで東芝はもう1つのパッケージ幅の製品もリリースする様になったのですが、
既存製品とは別シリーズとしてリリースしています。
(ここが少々ややこしい点なのですが)

そして旧シリーズは順次ディスコン扱いにしていってます。

ディスコンにした旧シリーズが全て、
パッケージサイズが変わった新シリーズでリリースされているなら問題無いのですが、
実はそんな甘い話は無くて、新シリーズで作られていない石も存在します。

74VHCシリーズも旧シリーズでは それなりに品種が豊富だったのですが、
新シリーズでリリースされているものは需要が多そうなものばかり。
その為、パッケージサイズの観点から74VHCシリーズを断念せざるを得ないケースが
発生している現状です。 

2.互換品問題 

74ロジックICは余程特殊な代物でない限り、他社でも同等品がリリースされます。

ならばもろちん74VHCシリーズも・・・・・・・
と期待するわけですが、残念ながら もう厳しい状況です。

確かに一時期はサードパーティー製74VHCシリーズも存在していました。
探せば未だに市場在庫が見つかるかもしれません。

しかしこれらは東芝製の回路を模倣しているとは限らないので、
大きなアドバンテージであるノイズ抑制効果が無い可能性が強いです。

これが無ければ74AHCシリーズと同様という結果になってしまうわけでして、
実際のところサードハーティー製74VHCは74AHCと中身が同一の可能性が高いです。 

ですので、先に述べた優位性を期待するならば、
あくまでも東芝製の74VHCシリーズを使うべきでしょう。
入手性に難が出てくるわけですが・・・・・ 

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