2026年6月23日火曜日

製品検査作業

 電子機器の組み立て工程にて、完成品の検査という作業がありますね。

これ自体は別に珍しい話でもなんでもないのですが、
その後の話が曖昧になってるケースって、たまにあるのですよ。

具体的には「検査でNGが出た場合、どうするか?」って話です。 

 

完成品検査って、大雑把に2つに分けられるんです。

1つ目は基本的に不良品は出ない前提での検査。
製造工程での品質管理がしっかりしていると、
不具合要因が既にほとんど撲滅されている為に、
完成品にて不具合がほぼ発生しない、というケースが存在します。

このケースでの完成品検査というのは、不良品の洗い出しよりも、
「問題無しのお墨付きを与える」という性質の検査になります。 

ですので検査で不良が出る事は非常に稀なので、 
不良品が出た場合の対処も その際に検討すれば間に合うわけです。

 

2つ目は不良品が出る可能性がある前提の検査。 
普通、製品検査っていうと、こっちの方じゃないの?
と思われる方も多いかもしれませんが、
実はそんなことなくて、製品の内容にもよりますが、
私の周囲だと1つ目のケースの方が多いんですよね。

ここからが今回の本題なのですが、
1つ目のケースに慣れていると、2つ目のケースの検査作業も
安易に考えてしまう人が存在するのです。

2つ目のケースの場合、それなりの確率で不良品が出ることになりますから、
その不良品をどうするか、というルールが必要となります。
1つ目の様に都度検討なんてわけにはいかないのです。

不良品を破棄するのか修復するのか。
修復する場合、誰が修復するのか。
修復を協力会社に依頼する場合、その費用はどうするのか。
等々、考慮しなければならない内容が多々あるわけです。

ですが1つ目のケースのつもりで検査を受けていると、
それらが全く考慮されておらず、いざ不良品が出た場合に右往左往・・・
無駄な時間と労力が消費されるという悲しい状況が発生します。

 

皆様もご注意を。 

 

 

2026年6月8日月曜日

ノズル部の清掃出力

前の記事でノズル~エクストルーダー部の清掃出力、
いわゆるバージ作業について記載しましたが、
これについて少し触れておきます。

パージ作業自体は、ESD対策フィラメントのみならず、
一般的なフィラメントでも行われる場合がありますが、
それらのフィラメントでは さほど重要視されておりません。
せいぜい違う色のフィラメントに換えた際、色混ざりを無くしたいとかかな?

ESD対策フィラメントの場合は含有カーボン由来と思われる汚れが
ノズル部に蓄積するので、それをしっかり除去しなければなりません。
従って出力作業完了後のパージ作業は結構重要です。

 

パージ作業は以下の2段階で行います。

1.通常のABSフィラメントを手送りにて流し、ESD対策フィラメントを排出

  私が使用しているESD対策フィラメントはABSベースなので、
  パージにもABSフィラメントを使用していますが、
  もしPETGやPLAベースのESD対策品を使用いる場合は、 
  それぞれPETG、PLAのフィラメントを使用しましょう。

  色は白をお勧めします。(私は手持ちの関係で他色を使ってますが)

2.パージ用のモデルを3Dプリント 

  手送りだけで完全に綺麗にするのは結構手間なので、
  最後は3Dプリント出力にて残っている汚れを除去します。

  私の場合は30×30×5mmというパージ用の部品を設計し、
  それでパージを行っています。
  スライサーでのインフィル設定は100%です。

 

実際のパージ後の出力品の写真がこれ。 









 

下側約1/3が黒ずんでますね。
これくらい汚れが残っているというわけです。

手送りでのフィラメント排出を行っていない場合、
黒い部分は更に多くなるはずです。
もしかしたら高さ5mmでは足りなくなるかもしれません。 

 

ともあれ、ここまで行えばほぼ内部清掃は大丈夫かと。 

2026年6月7日日曜日

ESD対策フィラメントを購入

 某案件に向けにESD対策フィラメントを購入することに。

カーボン等の導電成分を配合する事で僅かな導電性を持たせることで
静電気の発生を抑えるという代物。
ベースの樹脂はPLAからABSまで各種存在するようです。 

私がお気に入りのPolymakerでもPETGベースの製品が存在しています。
ですが品切れ中!!
どうやら製品切替のタイミングだったもんで、一時的に在庫を無くしていた模様。

代替品を探したところ、PRINSFIL製のフィラメントを発見しました。
これはABSベースということで、更に私好み。 
汎用性を考えるとPETGよりABSの方が信頼できます。
ということで、さほど悩まずにポチりました。 

 

1Kg巻きリールが真空パックで到着。
一般的なABSフィラメントと同様ですね。

パックのビニール袋にはチャックが付いていない為、
開封してしまうと再密封が出来ません。
代替できるチャック袋を探してみたものの適当な代物が見つからなかった為、
ドライボックスを購入して保管用といたしました。
ドライボックスはチャック付き袋より密閉性は良いと思いますが、
嵩張るのが難点ですね。

 

では早速3Dプリントを開始。

フィラメントリールに推奨印刷条件は記載されているものの、
それ以外は何も説明がありません。
この辺はPolymaker等の1流メーカーとの差なんでしょうねぇ。

とりあえず、Polymaker製で使ってるABSの設定で印刷してみます。

まず、すぐに判ったのは、層間接着力が弱い!!

ヒートベッドへの定着力より層間接着が弱いもんだから、
ヒートベッドから剥がす際に積層が壊れます(笑)

ならばと、ノズル温度を上げてリトライ。
ノズル温度を上げると糸引きが起きやすくなるので、むやみに上げるのは要注意。
しかしこのフィラメント、260℃位まで上げても糸引きがほとんど起きません。

うちの3Dプリンターは古いもんで、260℃がノズル温度の限界。
なので、この設定でテスト続行。

 

ん~~、外層の積層面が荒れますねぇ。
これはどうやら印刷速度が速すぎの模様。 

色々触ってて気づいたのですが、このフィラメント、溶けた状態での粘度が高い模様。 
ノズル温度を上げた状態でエクストルーダーをフリーにして、
フィラメントを手で押し込むと、ノズル先から溶けたフィラメントが出てきますよね。
この時のフィラメントを押し込む力が、Polymaker製ABSフィラメントよりも
明らかに固い感じなんです。

フィラメントをセットした状態でノズル温度を上げてやると、
一般的なフィラメントだとノズル先から溶けたフィラメントが垂れてきます。
しかしこのフィラメント、少ししか垂れてこないんですよね。

以上からも、やはり粘度が高い様なんです。

 

そんなこんなで試していると、ノズル詰まりが発生!!
これが結構でして、詰まり発生から時間が経っていなければ、
ノズル掃除棒とかでも対処可能なのですが、
時間が経ってしまう すごく硬い代物になってしまうんです。

普通のフィラメントであれば加熱すれば柔らかくなるわけですけど、
この時間が経った塊は加熱してもほとんど柔らかくなりません!!

たぶん、含有物であるカーボンが悪さして炭化物と化しているのかと。
こうなると普通のノズル掃除棒なんか歯が立ちません。

ノズルを外して掘ったりして、なんとか復活できましたが、ほんとやっかいですね。

 

ここまで判ったのは、かなり印刷速度を下げる必要がある模様。
外層積層面の荒れはそこそこ速度を下げれば改善されましたが、
ノズル詰まりの問題は それ以上に大きいです。

ある程度推測になりますが、エクストルーダーがフィラメントを押す速度に対し、
ノズル部でのフィラメント融解速度が追い付いてない気がします。

それに対しては印刷速度を下げるのが一番簡単な対処法。
実際、かなり速度を下げて印刷してみたところ、感触は良くなったみたいですが、
それでもまだノズル詰まりは起きる様です。
どうも、印刷中に炭化物のカスがノズル内部に堆積していって、
ノズル吐出具合が悪化していってノズル詰まりに至る、という感じがしてます。

こうなると、ノズル径を太くするのがベストな気がしますが、
現状は標準のφ0.4ノズルしか持っていない為、試すことができません。
古い機種なもんで純正消耗パーツの供給も終わってる状況。 
互換品で太いノズルが入手出来たら、改めてテストしてみたいと思ってます。

それまではこのフィラメントは封印して、
Polymaker製ESD対策フィラメントの入手を検討することにします。 

 

2026/6/8 追記

その後も少々悪あがきしてまして、 1個だけまともに出力完了できました。

温度条件や印刷速度等は先に書いた通りなのですが、
エクストルーダーやノズル内をしっかりキレイにしてからスタートする点が
結構重要な模様。
出力完了後は通常のABSフィラメントを使って清掃用の出力を行います。
なので後片付けの手間も それなりに発生。

複数回の出力を続けて行う際も、1回出力する毎に上記の清掃出力を行った方が良さそう。 
それを考慮すると生産性は あまりよろしくない感じですね。

 

それともう1点、リール~エクストルーダー間に存在する
フィラメントが通るPTFEチューブを新品交換いたしました。 

今までは特に気にならなかったのですが、このチューブも長年使用していると
フィラメントの走りが悪くなってくる模様。 
それでも通常のABSやPLA等では問題無かったものの、
このESD対策フィラメントでは影響が大きいみたいです。

チューブ交換後はフィラメントの通りが若干軽くなりました。

ちと意外感があるのですが、ある程度使用すると定期的な交換が望ましい様です。