2019年5月1日水曜日

アナログ回路の抵抗定数

試作基板のテストを行っている話を前回書きましたが、
定数の変更が必要になったというところで話が終わってました。

その後、定数の検討を始めたわけですが、これがなかなか難儀な代物。

抵抗分圧で電圧を落とす際に、
その先のオペアンプの入力インピーダンスが無視できないんですね。











上記の図だと、10KΩの抵抗で分圧してからオペアンプに入力。
オペアンプの入力インピーダンスが100MΩだと仮定すると、
計算上0.0025%のズレが出ちゃうんですね。

え?その程度?と思われるかもしれませんが、
16bitのA/Dコンバーターなんか使うと、この値は決して大きくないんです。

16bitのA/Dコンバーターの分解能は65535ですから、1LSBは1/65535。
これを%に変換したら、1LSB= 約0.0015%なんです。
0.0025%って、1LSB以上のズレになっちゃうわけ。

ちなみに10bitのA/Dコンバーターだと分解能は1024なので、1LSB=約 0.1%。
16bitに比べたら全然楽ちんですね。

というわけで、オペアンプの入力インピーダンスを考えたら、
分圧抵抗を更に低抵抗可したいところですが、そうすると また別な問題が。
前段のオペアンプの出力能力がネックになっちゃうんです。

実は10KΩの抵抗ですら、ちょっと負担が大きい感じで、
できれば100KΩくらいに上げたいところ。










ところがこの状態だとズレが0.025%にもなっちゃうんです。
10bitのA/Dコンバーターだと問題にならない値ですが、
16bitのA/Dコンバーターだと、まずいレベルですね。

ただ、オペアンプの出力能力の点は、レールtoレールの振幅をどこまで使うか次第。
電源電圧5Vで、5V近くまでの出力振幅が必要な場合には、
負荷抵抗をできるだけ上げる必要があるわけですが、
出力振幅が4V程度で足りるのならば、10KΩくらいの負荷でも余裕。
この辺は、回路全体のレベルバランスの設定になりますね。

とまぁ。そんな感じで色々唸っている状況です。

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