2020年3月21日土曜日

KiCADで3Dビュー

KiCADは無料で利用できる割には、なかなか使える基板CADです。
その機能の1つとして、3Dビューがあります。

3Dビュー自体は最近の基板CADなら 軒並み備えているようなので、
特筆すべき機能ではありませんが。

今回、その3Dビューの使用方法を理解できたので、
自分向けのメモも兼ねて記載してみます。

まず必要な物は、各部品毎の3Dイメージ。
従来のKiCADではWRL形式のファイルが必要でした。
しかし最新のKiCAD Ver5ではWRL形式のみならず、
汎用形式であるSTEPファイルでもOKとなりました。

大抵の3D-CADではSTEPファイルは出力できるものの、
WRLファイルを出力できるものは限られてしまいます。
なので、STEPファイルを直接扱えるようになったのは非常に便利。

そしてもう1つ押さえておかねばならない点は、3Dイメージファイルの設定。
実はこれについて、私が当初勘違いしていた為に 失敗を重ねておりました。

基本的な作業の流れは以下のようになります。

~誤り(私の勘違い)~
①基板のアートワークを普通に設計
②PCBレイアウトエディター上で、基板に3Dファイルを割付け、
 基板全体の3Dイメージを完成。

~正解~
①基板のアートワークを普通に設計
②PCBレイアウトエディター上で、個々の部品のフットプリントエディターを起動。
③フットプリントエディター内で、フットプリントのプロパティを開く。
④3D設定のタブ内にて、3Dモデルを割り当てる。
 必要に応じ、フットプリントと3Dモデルの向きや位置を調整。
⑤フットプリントエディター上で、基板に変更を保存。

上記の例は個々の部品について、個別に設定していく場合ですが、
勘の良い方なら既にお気づきだと思いますが、
ライブラリー内の部品自体に3Dイメージを設定してしまうという方法もあります。
今後も同じパーツを利用され続けるならば、この方がよろしいかと。

具体的にはフットプリントエディターにて3Dモデルの設定を完了後、
フットプリントライブリーに上書き保存すればOKです。
この場合に要注意なのは、STEPファイル(もしくはWRLファイル)の場所で、
ライブラリーから随時読み込める場所にファイルが居ないと、
基板のアートワーク完成後、3Dイメージが出てこないというオチになります。

KiCADのフットプリントデーターであるmodファイルと同じ場所に
STEPファイルを入れておくのが1つの手だと思いますが、
ライブラリーデーターも含め、プロジェクトを丸ごと他人に引き渡す場合、
問題が起きる可能性あるので要注意かと。



―― 部品の3Dモデル作成時の注意点 ――
フットプリントに3Dモデルを割り当てる際、
それぞれの原点が同一になるように初期配置されます。

フットプリントの原点はXとYがそれぞれ0の位置。
3Dモデルの原点はXとYとZが全て0の位置です。

座標系もフットプリントのX/Yが、3DモデルのX/Yに合致します。
なので3Dモデル作成時はZ軸を高さ方向に使用すると楽です。

―― 3Dモデルデーターの調達 ――
3Dモデルを自分で作成せずとも、外部から調達できる場合もあります。
フリーの基板CADを利用されてる方ですと、
LibraryLoaderを使用されてる方も多いと思われます。
このLibraryLoaderではフットプリントのみならず、
3Dイメージファイルも入手できる場合があります。
しかし以下の2つの難点があります。
①入手できる3Dイメージファイルが少ない。
②3Dイメージが簡素すぎる。

①はともかく、②はちょっと痛いです。
単なる3辺の寸法値のみで製作されてる3Dイメージが多いもので、
これだと部品形状のイメージが解りづらいからです。

一番お勧めなのはメーカーがリリースしている3Dイメージファイルです。
最近は対応しているメーカーが多くなってきました。
メーカーが出してる3DイメージファイルはLibraryLoaderで手に入るものより、
遥かに精巧に作られてますので、形状の把握も楽です。

0 件のコメント:

コメントを投稿