配線作業ではお馴染みの圧着端子。
お手軽に高信頼の電線接続が出来るので、大変便利な代物ですね。
その圧着端子にも色々種類があるわけですが、
端子台等の接続に使う、丸端子やY端子などと呼ばれる端子の話。
基本となる圧着端子は裸端子と呼ばれる銅合金だけ代物。
これは圧着信頼性が非常に高く、安心して使えます。
しかしこれ、その名の通り金属部のみなので、露出部に触れれば感電するし、
電線自体が固定されない為、圧着部の根元から断線しやすいことになります。
その為 裸圧着端子には樹脂製の絶縁カバーを付けるわけです。
絶縁キャップやマークチューブと言った代物。
この絶縁キャップの機能を圧着端子と合体させてしまったのが、
被覆付き圧着端子というものです。
この被覆付き圧着端子、非常に便利な反面、
圧着作業はとてもクリティカルだということを理解していない人が多い!!
裸圧着端子の場合と異なり、樹脂という柔らかい物体を挟んで潰すわけですから、
圧着状態のコントロールが難しいというのが容易に想像できるかと。
にも関わらず、裸圧着端子のように安易に適当な圧着をする人が多いんですね。
大まかなポイントは以下の2つ。
1) 必ず被覆付き圧着端子用の圧着ペンチを使用する。
2) 圧着端子と電線サイズに注意する。
1)については ある意味当たり前の話なのですが、
適当に裸圧着端子の工具で圧着作業する人が多いんです。
以前購入した製品の中もこんな圧着されていて絶句したことが有りました。
当然のことながら、きちんと圧着されておりません。
具体的には圧着不足か、過圧着にて断線が発生します。
もちろんJIS規格を逸脱している状態ですから、不良品扱いとなるでしょう。
うちの元請けさんがこの素人配線をやらかして、
お客さんが線を引っ張ったらスッポ抜けてしまい、
赤っ恥をかいてしまったことが・・・・・ orz
2)については案外理解されてる方が少ないので、ちと要注意です。
皆さん、電線サイズに合わせて圧着端子を選定されるわけですが、
その際にメーカーの資料を参考にしているかと。
しかし被覆付き圧着端子については、メーカーの資料を表面だけ読むと失敗します。
例えば、1.25スケア用の被覆付き圧着端子は、
対応電線サイズが0.3スケア~1.6スケアという感じの表記になっているかと。
これをそのまま鵜呑みにしてはイカンと言う話です。
メーカーが提供している技術資料を読むと、この意味が理解できるのですが、
そこまできちんと目を通している方は少ない模様。
なので1.25スケア用の被覆付き圧着端子に0.3スケアの電線を指定してくる、
なんて事案が出てくるんですね。
ちなみに上記の組み合わせ、圧着端子メーカーとしては保証外なんです。
1.25スケア用の被覆付き圧着端子だと、最低0.75スケア位の太さが必要かな。
あと、余談ですが、圧着ペンチでも差異が発生します。
裸端子の場合はJIS規格で統一されているので、
圧着ペンチによる差というのは発生しないのですが、
被覆付き圧着端子の場合は純正ペンチで圧着するのが基本。
しかし純正ペンチは高価ですから、私も工具メーカー製のペンチを愛用してます。
すると、圧着端子との相性が出てくるわけですね。
この点も留意しておかないと、圧着不良を起こしてしまうことに・・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿