2023年2月22日水曜日

改修中の実験用電源の一部の話

 先の書き込みで出力4系統有る旨を書きましたが、
その内の-12V系統についての話です。

 こんなに出力系統が存在するにも関わらず、
単発品なので専用トランスが用意できなかった為、汎用トランスを使用してます。
その為、出力タップの制約を どうしても受けてしまうことになります。

その結果、-12V系統には22.5Vの出力タップを使う事になってしまいました。
普通に考えればDC12V出力用のトランスとなると、
15~18V位の出力品を選択されるかと思います。

それと比べれば22.5Vは数割電圧が高いわけですが、
これで致命的な不具合が起こるか?と言われると、そうとも限りません。
22.5Vに√2をかけると約31.8V。
実際には整流ダイオードの電圧降下も有るので、いいとこ30V位でしょう。

レギュレーターの最大入力電圧が30Vに耐えられるなら、壊れはしないわけです。
しかし当然のことながら発熱は凄いことになります。
特に今回の出力は最大2A。
大雑把に18V×2Aで36Wも発熱することになります。
相当放熱をしっかりしないと、オーバーヒートでレギュレーターが逝ってしまいます。

そんなわけで、なるべくレギュレーターへの入力電圧を下げたいところ。
そこで思いついたのが整流方式の変更。
メジャーなブリッジ整流を使用せず、半波整流を使うことにしました。

しかし、実際に思った通りになるのか、念の為に予備実験をしてみます。

6Ωの負荷をレギュレーターに繋ぎ、12V2Aが最終負荷とします。
トランスのタップは前述した通り22.5V。
整流後の平滑コンデンサーは10000μFを1個入れてます。
あとは整流方式等を変えつつ、レギュレーターの入力部の波形を見て行きます。

まずは比較参考用としてブリッジ整流の場合です。








 

これが入力部のDC波形。
大雑把に27~29V位の波形になってます。
平均で約28Vというところ。

ちなみにAC接続で波形を見たのが以下。








 

ピークtoピークで約1.7V位の波形ですね。

 

では次に、整流ダイオードを変えて 半波整流してみます。

まずはDC波形。








 

当然ながら、リップルの周波数が変わりましたね。
肝心の電圧を見てみると、平均値はほぼ一緒ですが、
リップル波形が大きくなりました。
これも予想通り。

これらの波形はレギュレーターの入力部で測定と前述しましたが、
要注意ポイントは15Vを下回らないか、という点。
12V出力のレギュレーターは入出力電位差が3V以上要求されています。
ということは最低15V入れてやらないと、安定して12Vが出せないんですね。

上の波形、-15V辺りにオシロ入力の0Vをシフトさせてます。
なので、15Vのラインは画面センターの辺りということになります。
波形を見る限り約10V位マージンがある感じ。

リップル波形の拡大が以下。









 

ピークtoピークで約3.8V位でしょうか。

変な高周波ノイズも載っていないので、
このくらいのリップルはレギュレーターがほぼ相殺してくれます。
(完全とは言いませんが)
精密電源ならともかく、一般のDC電源なら問題無いレベルです。

しかし、半波整流にしても僅かしか電圧落ちないのが ちょっと残念なところ。

そこで更に抵抗を挿入してみましょう。
仮に1Ωの抵抗を挿入した場合、2Aで2Vの電圧降下。
もしかしたら2Ωとかでもいけるか??

平滑コンデンサーが10000μですから、
1Ω抵抗と合わせた平滑フィルターの周波数は約16Hz。
リップル低減にも役立ちそうです。

というわけで1Ω抵抗を入れてみた波形がこれ。








 

オシロのSSを撮るのが早すぎで何やら横線1本入ってるのはご容赦を。
しっかり電圧ドロップしてますね。

波形拡大がこれ。








 

ピークtoピークで約3.3V位なので、フィルターの効果が出てる模様。
しかし予想以上に電圧ドロップしてますね。
平均電圧は約18V位のようなので、最低電圧のピーク約16.3Vという感じでしょうか。
一応15Vは上回っているので大丈夫に見えますが、
大元であるコンセントのAC100Vが電圧変動起こして95V位まで下がった場合、
たぶん15Vを切ってしまいそうな雰囲気です。
それを考えると、1Ωの挿入は厳しい模様。
いやぁ、まさかこんなに落ちるとは予想外でした。
やはり予備実験は行ってみるものですね。

ということで、挿入抵抗を0.5Ωに変更して、再度テスト。








 

ご覧通り、平均22V位まで上がりました。

波形を拡大してみると








 

ピークtoピークで約3.5V位でしょうか。
やはりフィルターの効きは甘くなってしまったようですが、致し方無し。

電圧最低値は約20Vなので、これならコンセントの電圧が落ちても大丈夫でしょう。

ということで、0.5Ωの抵抗挿入で確定とします。

まぁ上記は最大負荷の2Aを流した場合の話なので、
実は1Ωでも構わないんじゃないかという疑惑は有りますが・・・・・(笑)

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