2023年12月27日水曜日

トランスの取付固定穴の設計

 LP-168S用電源ユニットの図面を掲載してますが、
トランスを留める穴がオフセットしてる点にお気づきでしょうか?









 

トランスの開口は長穴になっており、センター位置が図面指示されています。
具体的な形状は下記の通り。








 

 

短径が4.2というから、M4ビスの使用を想定していると思われます。
では実際にこのトランスをM4ビスにて留めるとどうなるか?ですが、
これには複数のケースが存在します。
その1例としてフランジナットでトランスを留めるケースを考えてみます。

長穴のセンター位置にフランジナットを配置する様、設計してみると・・・




フランジナットを配置





 

普通にナットが配置出来てる様に見えますね。
では横から見てみると・・・・








 

 

ナットのフランジがトランス側壁に接触してますね。

先の寸法図にて、長穴のセンターとトランス側壁まで5mm。
フランジナットのフランジ径がφ10なので、寸法上は接触することになります。

アソビが無いのは気持ち悪いものの、
これでも収まるなら許容してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はそううまくは いかないのです。
下図のご覧ください。









 

注目は赤矢印の部位です。
ここには曲げRが存在しているのです。
しかしこの曲げRはトランスの外形図に存在していません。
なのでフランジナットが曲げRで浮いてしまうことになります。

フランジナットのみならず、外径10mmのワッシャーを併用したビス留めでも
同様の状態になります。

これを回避する一番簡単な方法としては、
取り付け穴を0.5mmほどオフセットさせることです。
その結果がLP-168S電源ユニットの板金ということです。

余談ですが、M4用のボックスドライバーは先端外径がφ10以上です。
その為、長穴センターにナットが配置されるとボックスドライバーが
トランス壁に干渉する可能性が出てきます。
0.5mmのオフセットは それを回避する効果も有ります。

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