2025年1月24日金曜日

3.3Vロジック信号から5Vロジック信号への変換

 昨今、マイコンを含む各種ICにて3.3V動作品が増えてきました。
しかしながら5V動作のICも健在です。
すると当然、3.3V信号で5V動作のICを押す必要も出てくるわけでして、
レベル変換の知識が必要となってきます。

今回はそれに関するお話。

3.3V動作のマイコンで5V系ロジックICを押す場合、
もっとも簡単なのは74HCT等のTTLレベル入力のICを使う方法。





上記のような構成で、簡単にレベル変換が可能ですね。

さて、ここからが本題。

何かしらの事情で、74HCTではなく74LS等のTTLロジックを繋ぐ必要が出た場合は??




 

 74HCTを74LSに置き換えたのが上記の図。
一見、これで問題無いに見えますが、実は注意すべき点が存在します。

それは、TTLロジックからの流出電流

74HCTの場合は入力インピータンスが高いので、
特に気にする必要ありませんでしたが、TTLロジックだとそうはいきません。

TTLロジックの入力部は以下の様な感じになっています。



 

 

 

入力がHの時はほとんど電流が流れませんが、
入力がLの時は、トランジスターのベースから電流が流れてくるのが解りますね。

この図を最初の方の全体図と合体させると こんな感じに。






 


これだと、マイコン出力がHの際、
この信号線の電圧が3.3Vをオーバーしてしまうのが、お解りいただけますね?

僅かに3.3Vをオーバーする位ならば 大した問題にはならないと思いますが、
仮に4V近くまで上昇したりすると、看過できない問題になってきます。

ちなみにどの位 上昇するかは、TTLロジックからの流出電流量と、
3.3Vプルアップ抵抗値次第です。
抵抗値が低ければ、上昇量を抑える事ができますが、
それでも3.3Vを超えてしまうのは間違いないわけで、
あまり好ましい状態ではありません。

 

そこで、お勧めしたい方法がこれ。


 

 

 

 

3.3Vプルアップの代わりに、プルダウンする方法です。 

プルダウン抵抗値が高いと効き目が悪いので、4.7KΩ位がいいでしょう。
74F等の高速ロジックICの場合には もっと抵抗値を下げたいところですが、
するとマイコンの出力段に対する負荷が大きくなってしまい、
消費電流も増えてしまう点に留意が必要でしょう。

ちなみに74F等の高速ロジックICは、74LS等に比べて流出電流が多い傾向です。



まぁ専用のレベル変換ICを使えば、こんな面倒な事を考えずに済むのですが(笑)

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