昨今、マイコンを含む各種ICにて3.3V動作品が増えてきました。
しかしながら5V動作のICも健在です。
すると当然、3.3V信号で5V動作のICを押す必要も出てくるわけでして、
レベル変換の知識が必要となってきます。
今回はそれに関するお話。
3.3V動作のマイコンで5V系ロジックICを押す場合、
もっとも簡単なのは74HCT等のTTLレベル入力のICを使う方法。
上記のような構成で、簡単にレベル変換が可能ですね。
さて、ここからが本題。
何かしらの事情で、74HCTではなく74LS等のTTLロジックを繋ぐ必要が出た場合は??
74HCTを74LSに置き換えたのが上記の図。
一見、これで問題無いに見えますが、実は注意すべき点が存在します。
それは、TTLロジックからの流出電流。
74HCTの場合は入力インピータンスが高いので、
特に気にする必要ありませんでしたが、TTLロジックだとそうはいきません。
TTLロジックの入力部は以下の様な感じになっています。
入力がHの時はほとんど電流が流れませんが、
入力がLの時は、トランジスターのベースから電流が流れてくるのが解りますね。
この図を最初の方の全体図と合体させると こんな感じに。
これだと、マイコン出力がHの際、
この信号線の電圧が3.3Vをオーバーしてしまうのが、お解りいただけますね?
僅かに3.3Vをオーバーする位ならば 大した問題にはならないと思いますが、
仮に4V近くまで上昇したりすると、看過できない問題になってきます。
ちなみにどの位 上昇するかは、TTLロジックからの流出電流量と、
3.3Vプルアップ抵抗値次第です。
抵抗値が低ければ、上昇量を抑える事ができますが、
それでも3.3Vを超えてしまうのは間違いないわけで、
あまり好ましい状態ではありません。
そこで、お勧めしたい方法がこれ。
3.3Vプルアップの代わりに、プルダウンする方法です。
プルダウン抵抗値が高いと効き目が悪いので、4.7KΩ位がいいでしょう。
74F等の高速ロジックICの場合には もっと抵抗値を下げたいところですが、
するとマイコンの出力段に対する負荷が大きくなってしまい、
消費電流も増えてしまう点に留意が必要でしょう。
ちなみに74F等の高速ロジックICは、74LS等に比べて流出電流が多い傾向です。
まぁ専用のレベル変換ICを使えば、こんな面倒な事を考えずに済むのですが(笑)
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