2025年2月19日水曜日

X68K 底基板のバックアップ電池

 X68KではRTCとSRAMへ、常時電源供給する為に電池が載っています。
昨今ならばフラッシュメモリーが有るのでSRAMなんか使わないわけですが、
当時はフラッシュメモリーが登場する前だったので、SRAM一択だったんですね。

さてこの電池ですが、X68K ACEまでは2次電池であるニッカド電池が使われてました。
この辺りも時代を感じますね。

それ以後の機種では1次電池であるリチウム電池が使用されています。
最近のPCであればリチウム電池には電池ホルダーが使用されてて、
ユーザーが自分で交換出来るようになっていますが、
当時はユーザーがPCを開封することは想定されておらず、
当然ながらセルフ電池交換は考慮されていませんでした。

その為、X68Kのリチウム電池はタブ付きのハンダ付け用が使用されており、
電池交換作業は基板に手を加える必要があります。

 

交換作業自体の難易度は さほど高くありません。
3ヵ所のスルーホールのハンダを除去し、電池を交換して再ハンダするだけです。

一番の問題はリチウム電池の入手性。
タブ付きのリチウム電池は一般人が使う代物ではないので、
そこらにポンポン売ってる代物ではありません。

製品製造の際に消費される事がほとんどですから、
大抵はトレー単位で流通してるので、数個だけ買うのは至難の業だったのです。

 

そんな状況下、ケースで有名なタカチ電機さんが やってくれました!!
タブ付きリチウム電池の個別品を出してくれたのです。

そんなバンバン売れるようなモンではないので、
置いてるお店は少ないかもしれませんが、
ともかくも入手可能なメドが立ったのは事実。
タカチ電機さん、ありがとうございます。

 

X68K Expert等のマンハッタンシェイプ品の底基板に載ってるのは、
タカチさんのCRH2450Nと同等です。
実はタカチさんでは更に容量の多いCRH2477Nという製品も出してまして、
電池の厚みが違うだけなのでX68Kに実装可能だったりします。
もちろん値段も差が有るので、どちらを選ぶかは好みの問題かと。

要確認なのはCompactシリーズです。
わざわざ電池の種類を変えるとは思えないので、
たぶんマンハッタンシェイプ品と同じ電池を使ってると思うのですが、
もし交換される際は現物を確認してから電池を手配される方がよろしいかと。

 

 

最後に1つだけご注意頂きたいお話を。

タカチさんのタブ付きリチウム電池ですが、
初期ロット品は導電スポンジで梱包されて出荷されてる事が判明してます。

当然ながら、これだと保管中にガンガン放電してしまうわけでして、
例えばCRH2450Nとかだと せいぜい5年位で電池が空になってしまいます。

タカチさんもこの問題には気づいたようで、
次のロットからは絶縁スポンジに変わってるそうなのですが、
問題は初期ロットがそのまま流通してる事です。

普通に考えたら問題ある製品は回収すると思うのですが、
それをやっていない様なんですね。
なのでもし、買った電池が黒いスポンジに刺さってた場合、
電池が消耗してる可能性有るので交換対応依頼を検討した方がいいでしょう。

幸い、このタブ付き電池をタカチさんが出したのは割と最近なので、
初期ロットの保管期間も1年経っていないのでは?と思われます。
これならばCRH2450Nでも半分以上は容量残ってると思うので、
交換対応の手間を惜しんで そのまま実装してしまうのも有りかもしれません。

余談ですが、タカチさんのラインナップの内、一番小型のCRH1220なんかは、
半年程度で電池が空になってしまうので、導電スポンジ品は交換対応必須です。
たぶん、初期ロット品は全て電池が空になってしまってるかと・・・・・

 

2025/2/20 追記

 タカチ電機様に交換をお願いしたCRH2477Nが届きました。
スポンジが交換前と同じ物の様に見えたので、開封して確認。
すると、確かに導通の無い、絶縁タイプのスポンジでした。
しかし色味が やっかい。
真っ黒ではなく、ダークグレー色なので、
各々のスポンジを並べてみれば、色の差は明確なのですが、
袋に入ったまま単体で見ると、どっちなのかが判りづらいかも。










梱包のどこかに、ロットが判別できる記載があると良かったのですが・・・・

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