先日からPWNファンを動かす為の実験を行ってます。
動かす実験と言っても、PWMファンの実物が手元に無いので、
サーミスターとPICのPWM機能を調べるのが主内容ですが。
PWMファンはパソコン用ファンでは4ピンタイプと呼ばれている代物。
電源の2ピンと、回転数検知のパルス出力の1ピン、
そしてPWM制御の為の1ピンという構成です。
このPWM制御ピンの具体的なドライブ方法を改めて調べてみました。
以前、WEBで簡単にググってみたところでは、
ファン内部でプルアップ処理されているので、
PWM制御側からはオープンコレクタでドライブすればOK、
みたいな感じで書いてあったんですね。
そこで以下のような回路で考えていました。
オープンコレクタドライブ
(※実際の回路で必要となる抵抗等は省略しています)
ファンの大手メーカーである山洋電気さんのカタログに
この辺の技術資料が掲載されていました。
それで詳細が確認できた次第。
もしかしたら山洋電気さんのファンだけに適用される規格で、
他メーカーでは違うという可能性はゼロではないかも?
山洋電気さん の資料によると、
PWM入力端子はプルアップ&プルダウンされた、
トランジスター受けの入力端子だそうな。
ファン内部
こういう回路という事ですね。
オープンコレクタにてドライブも可能だけど、
トーテムポール出力でのドライブも可能だそうです。
(PWMのパルスは5V振幅と謳われているので、TTLロジックだと厳しいかも)
入出力電流値は約1mAとの規定。
この値ならばPICマイコンのI/Oでも余裕ですね。
PIC直結
非常にシンプルで良いと思ったのですが、
1つ気になる点が出てきました。
それはコールドブート直後の話です。
コールドブート直後はPICの全I/Oが入力ピンになります。
するとPWM信号線がPWMファン内のプルアップ抵抗の影響でHレベルとなり、
PWMファンがMAX速度で回転することになるんですね。
確かにそんな場面を見かけたことがある気がします。
機械的に何か問題があるか?と問われると問題は無いと思うのですが、
個人的にブート後はMIN速度から起動して欲しいと思いませんか?(笑)
そこで いくつかの回路を考えてみました。
要は、PIC側がフローティング状態の時に、
ファンのPWM端子がローレベルになれば良いわけです。
単純に上記のPIC直結式回路にプルダウン抵抗を追加するだけでは厳しいです。
流れ出てくる1mAの電流を吸収して、ローレベルの閾値である0.5V以下に抑える為には、
大きくても500Ωの抵抗でプルダウンする必要があります。
余裕を見るなら330Ωくらいでしょうか。
330Ωのプルダウン抵抗が付いた状態でPICのPWM出力が動作開始すると、
Hレベル時にPICからの出力電流が15mAくらいになってしまうわけです。
PICのI/Oポート自体は25mAくらいまでドライブできるので、
PICが焼けてしまうことはありません。
問題はそこではなくて、15mAものパルス動作を続けているデバイスがあると、
同じ電源下で動作するサーミスターの値に影響が出てしまう可能性があります。
それを避けるためにはサーミスターへの供給電源を分離する、
なんて事になると余計な部品が増えてしまいますね。
私が思いつく もっともベターな方法はCMOSロジックでのドライブです。
この図では一例として、トーテムポール出力のバッファータイプである、
74HC17を使ってみました。
74HCシリーズならば電圧レベル的にも入出力電流値的にもPWMファンに直結可能です。
74HCの入力は高インピーダンスなので、ローレベルに引っ張る場合でも、
せいぜい10K~47KΩくらいのプルダウン抵抗で十分です。
この程度のプルダウン抵抗ならば流れる電流は微々たるものなので、
+5Vの電源系統への影響も無視できるでしょう。
ではこの回路で・・・・・・と言いたいところですが、
74HCロジックだと最低でも14ピンパッケージになってしまいます。
ロジック1つしか使わないのに、これは邪魔ですよね。
かと言ってワンゲートロジックICは表面実装タイプしか存在しません。
ユニバーサル基板での実験には不向きなわけです。
そこで思いつきました。
ワンゲートロジックICの変換基板が有れば便利なのでは??
表面実装部品をDIPタイプに変換する基板というのは既に存在していますが、
パスコンも考慮すると専用の方が使い易いでしょう。
電源と入出力ですから全部で4ピン。
DIPタイプのダイオードブリッジみたいな感じになるでしょうか。
それはそれで有りなのですが、変換基板を立ててしまった方がスマートじゃね?
と閃きました。
そのアイディアに基づき、早速基板設計。
すると、だいたい8.5×10mmくらいのサイズに収まりました。
この高さなら十分に実用的ですよね。
厚みは基板と部品の分ですので、2~3mm程度。
想定しているワンゲートロジックICはSOT23-5パッケージで、
2番ピン ロジック入力
3番ピン GND
4番ピン ロジック出力
5番ピン VDD
というタイプです。
バッファー及びインバーターとしては一般的なスタイルなので、汎用性は高いと思います。
PWMファンの話に使用するなら、東芝のTC7SH17Fなんかが使えます。
この変換基板は結構重宝しそうなので、近日中に製作予定です。
例の如く同人ハード扱いにするので機会が有れば頒布も考えますが、
現時点では具体的には不明。
気になる方は私まで直接問合せください。
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