手が空いたので、私物のX68000のオーバーホールに着手。
とは言っても、電源部の消耗部品交換だけなのですが。
とりあえず部品交換は終了したので、次は動作確認ですが、
電源ユニットを本体に接続して電源投入というのは いささか乱暴。
そこで疑似負荷装置、いわゆるダミーロードを作ろうと思い立ちました。
ちなみに、単に動作するかどうかだけならば簡単に確認可能です。
本体に繋がずに電源ユニットにAC100Vを投入すれば、
電源ユニットが起動する仕様だからです。
空冷ファンの動作で、電源が起動しているか否かも目視できます。
しかし+12V系統以外は無負荷状態。
ハンダ不良等の接触不良については ある程度の電流を流さないと見極めできないので、
この状態では動作チェック完了とは言えないわけです。
ターゲットとなるX68000は5インチFDDを内蔵している、
マンハッタンシェイプ型の内蔵電源といたします。
他には3.5インチFDDを内蔵しているcompact型が存在しており、
こちらは電源の出力容量が異なります。
しかし当方ではcompact型の電源ユニットを触ることがほぼ無い為、
今回はスルーする事にいたします。
上記の電源ユニットの出力容量ですが、定格値は不明です。
しかし回路からある程度の推測は可能。
常時出力の5VであるVCC2は、出力レギュレーターが78M05なので最大0.5A、
+12V出力ぱSI-3122Vの容量より、最大2A、
-12V出力は78M12の容量より最大0.5A、となります。
最後に+5V出力ですが、整流ダイオードの容量が12Aなので、
これを超える事はありえません。
X68000本体記載の消費電力を加味して考慮すると、
+5V出力の容量は約10Aと推測されます。
ではダミーロードの方の仕様ですが、
さすがに100%の負荷を掛ける必要は無いと思われます。
耐久試験を行うわけではありませんので。(笑)
ですので目安としては50%前後の負荷をかける感じにします。
正確な値は入手可能な抵抗器との兼ね合いで決定。
ということで、以下が全体回路。
X68Kの電源ユニットから出ている出力コネクター2つを接続します。
回路中の冷却ファンというのは、X68K電源ユニットの冷却ファンではなく、
このダミーロードのヒートシンクに付ける冷却ファンです。
さすがに約50Wの発熱となると強制空冷した方が安全です。
電源ユニットを繋いでAC100Vを投入すると、VCC2に5Vが出てきます。
VCC2はベース基板上のR5が負荷になっており、ここに約0.2A流してます。
同時にLEDであるD2を点灯させ、VCC2出力中を目視できます。
SW1が電源ユニットの起動スイッチです。
SW1をオープンにすると電源ユニットが起動します。
X68Kの電源ユニットは内部動作にVCC2が必要なので、
VCC2が正常出力されていないと、SW1を操作しても電源ユニットは起動しません。
電源ユニットが正常起動したならば、
+5V、+12V、-12Vの各系統に電圧が出てきます。
+5V系統にはLEDのD3を繋いであるので、出力が視認できます。
また、+12Vが出てきていればヒートシンクの冷却ファンも動作します。
この時点では+5Vが5A、+12Vが約1A、-12Vが約0.24Aの負荷が掛かっています。
この負荷はヒートシンク上のメタルクラッド抵抗が負担します。
+5V系統には負荷ブーストの機能を入れてあります。
通常状態時にSW2を押すとRL1がONし、負荷ブースト状態となります。
ブースト中は+5V負荷が2.5A増加し、トータル7.5Aの負荷となります。
RL1がONすると自己保持状態となる為、SW2を離してもブースト状態のままです。
ブースト状態を解除するには電源ユニットを停止させる必要があります。
電子負荷装置のような高度な機能はありませんが、
とりあえずの確認としては これで十分かと思います。
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