2023年12月19日火曜日

LP-168Sの改造

 LepyのLP-168Sとの格闘が続いてましたが、
とりあえず目途が付いたっぽいので、一旦記載してます。

問題点はセンターウーハーの音質の悪さと発振問題。

メインスピーカー出力については 特に音が変な感じはしないのですが、
センサーウーハーを鳴らすと、何か音のバランスがおかしくなります。
更にツマミ調整によっては用意に低音発振を起こしてしまうと やっかいな状態。

このままでは使い物にならないので、
捨てるくらいなら手を加えるのが上等d

ということで改造してみることに。

まず、手を加えるにあたり、回路図を起こしてみました。








 

全て解析するのが面倒だったので、一部だけです。(笑)
ライン入力からパワーアンプICへ行くまでの間の、
センターウーハー信号経路を起こしてみました。
もしかしたらロットによって一部異なっている可能性もあります。

電解コンと積層フィルムコン?以外はチップ部品なので、
コンデンサーは容量不明です。
(外して測るわけにもいきませんし・・・・・)

上記の回路図には明記されてませんが、オペアンプにはパスコンが付いてません。
これもビックリですね。


このLP-168SはDC12~15Vの単電源で動作します。
なので、GND基準ではなく電源電圧の半分の位置を基準点として動作してます。
R33とR34で生成している電圧が それですね。

デュアルのオペアンプ1個で入力信号の増幅とアクティブフィルター回路を構成し、
TDA7377Aのパワーアンプに信号を送ってます。

ボリュームは2個存在していて、V4はセンターウーハーの音量で、
V5はカットオフ周波数の調整用です。
ちなみにV1はメインスピーカーの音量調整用なのですが、
V1の前からセンターウーハーの信号を取っている為、
メインスピーカーとセンターウーハーの音量は全く連動していません。
人によっては使いづらいと感じるかも・・・・・


さて、ではこれに手を加えたのが以下の回路。







 

大きな変更点はアクティブフィルター回路の修正です。
後段のオペアンプにてサレンキー型アクティブフィルターを構成しているわけですが、
フィルター回路への入力先頭となる抵抗が存在していません。
実際には前段のオペアンプの出力抵抗や基板パターンの銅抵抗によって、
0Ωということにはならないものの、かなり変なフィルター回路になっちゃってます。

これをシミュレーターで見てみると、Qが凄いことになってました。
音質が変だと感じたのは、間違いなくこれが原因ですね。
V5のツマミ位置で変化するものの、Qが凄く高い為に周波数特性がいびつだったのです。

更に前段のオペアンプ出力がC12に直結する形になっちゃってます。
これ、大丈夫なのか???
もしやこれが低音発振の原因?

そんなわけで、アクティブフィルターのQを改善する為、2KΩの抵抗を挿入。
更に5.1KΩと0.1μFのパッシブフィルターも挿入しました。
サレンキー型アクティブフィルターにはこのパッシブフィルターも付けるのが
一般的らしい。
あくまでおまけ的にフィルターなので、カットオフ周波数は
さほど低く設定しておりません。

0.1μFのコンデンサーですが、今回はOSコンを使用してます。
基板パターンの関係で、基板の表面で追加回路を構成するのが難しく、
基板の裏面に部品を追加しました。
基板の裏側は4mmくらいしか高さの余裕が無いのです。
本来ならば0.1μのコンデンサーにはマイラーコンを使いたいところですが、
4mmだとマイラーコンが入りません。
積層セラコンなら余裕で入りますが、ちょっと避けたい感じ。
ということで、手持ち品でこのスペースに収まる物を物色したら、
OSコンになってしまったという経緯です。
もし皆さんが同じ改造を施すとしたら、積層セラコンを使うしかないかもしれませんね。


そしてフィルター部へのもう1つの改造がR35の除去。
この抵抗は ちょっと謎。
アンプの動作点(基準電圧)をシフトさせる為なのかな?とも思いますが、
R32にて前段のアンプの動作点がシフトしていますから、
後段のLPF部の動作点も それにつられてシフトしています。
なのでこのR35は動作点シフトには全く無用。
前段のアンプと後段のLPFがコンデンサー結合していたら話は別ですが・・・・

むしろこのR35のせいでLPFの特性がおかしくなっいる可能性があります。
ということでR35をバッサリ削除しました。


その他は重要度が低い細かい変更です。

C13はOSコンに置き換えました。
手持ち品の都合上、耐圧が低い物になってますが、これで十分足ります。

C5の容量を4.7μFに増量しました。
低周波信号を通すので、容量は多い方が良いわけですが、
容量を増やすと低音発振が起きやすくなるというジレンマで・・・・
今回は手持ちの都合で無極性のミューズESを使っていますが、
常に6~7V位かかっている箇所なので有極性品で構いません。

C21を交換しました。
C21はチップ部品なので容量が不明でした。
容量不明だと、ここのLPFの特性が計算できないので、
交換して容量を明確にしたという次第。
最初に付いていた物はセラコンでしたが、新しく付けたのは積層フィルムコンです。
もちろんオーディオ的には こちらの方が好ましいですね。
パナソニックのECPU1C104MA5は2012サイズなので、
今回の置き換えにはバッチリでした。

 

改造内容は以上ですが効果はバッチリで、まず、低音発振が無くなりました。
そして音に違和感が無くなりました。
これでLP-168Sが十分実用できることに。
いやほんと、最初の回路の酷さが 嘘のようです。(笑)

可能ならばR33とR34を1KΩ位に変更したかったのですが、
ちと面倒な場所に実装されているもので見送りました。
現回路ではR32にしか繋がっていないので、実害は少ないと思いますが、
オリジナル回路だと抵抗値が高すぎて、動作点電圧が揺れるかもしれませんね。

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