9/3に壊れた3Dプリンター、散々悩みましたが、
結局今回だけは修理することに決めまして、部品を手配しておりました。
それらが13日に揃いましたので、昨日から手を付け始めました。
idBOXのZ軸の昇降動作は、ステッピングモーターに直結されたリードスクリューと、
造形テーブルに固定された受けナットによる構造。
今回の故障というのは、この受けナットのメネジが磨耗してしまった事によるもの。
確かに造形テーブルの重量を受けつつ、リードスクリューとの摩擦が発生するので、
磨耗は避けられない箇所ではあります。
しかし、それなりにグリスも塗っていたので、
わずか数年でネジが効かなくなるほど磨耗するというのは ちと疑問。
今回、修理するために分解して解ったのですが、
この寿命の短さは設計上の問題かと思われます。
受けナット自体の長さは15mmくらい有るので、
これが全部磨耗するって 凄いなぁと思いきや、
リードスクリューと噛み合うメネジは3山くらいしか切られていないのでした。
たぶん、リードスクリューが受けナットに対して、
斜めになってしまうことも想定して、こんな設計にしたのかもしれませんが、
ともかく この3山で造形テーブルの重量を支える結果になるわけです。
そして、各部品の材質。
リードスクリューはステンレスの模様。
受けナットは たぶん真鍮。
加工性の点から、受けナットを真鍮で作るのは、まぁ納得できないこともありません。
しかし、ステンレスと真鍮を擦り合わせたら、当然真鍮の方が磨耗するわけです。
それに加え、真鍮の方の接触面は たったの3山!!
これはもう、メネジが磨り減らない方が おかしいレベル。
なのでこれは、設計上の問題と記載した次第。
もし今後も長期に渡ってidBOXを使用するならば、
この受けナットをオリジナルで製作するしかないかもしれません。
とは言え、切削加工品だから、そんなに安くないよなぁ・・・・・・・・(;;
まぁともあれ、今回は純正パーツを入手したので、それに交換します。
リードスクリューも新品を手配しちゃったので、同時に交換。
磨耗は無いようなのですが、せっかく購入したのでね。
他にも不具合の起きてるパーツを交換。
それは「Z軸天板」です。
使用しているうちに、亀裂が入ったんですね。
↓全景
パーツ左側に亀裂が入っております。
↓アップ
これ、メーカーに問合せしたものの、その事例は確認されていないとの返答。
初の事例ならば仕方無いなぁと思ったら、そんなことありませんでした。
公式のユーザー掲示場に事例が報告されていて、原因まで載ってました。
メーカー、無責任すぎやろ!! (;;
これ、部品の図面寸法に問題が有るんですね。
idBOX背面のエクストルーダーを、idBOX筺体に取り付ける為の足が、
筺体のアクリルパネルを通り越して、筺体内部にハミ出してしまってるんですね。
その為、Z軸天板に当り、Z軸天板が やや斜めに取り付けられてしまうのが、
今回のヒビ割れの原因なのでした。
なんともトホホな話。
Z軸天板の純正品を入手したので、交換。
そのまま取り付けると 同様にヒビ割れ起こしてしまうので、
エクストルーダーの問題の足を少しだけ削り、筺体内にハミ出ないように修正。
これでヒビ割れ問題については解決したはず。
不良箇所については、以上なのですが、今回は更に1ヵ所改良も加えます。
それはZ軸のリニアブッシュの変更。
標準のリニアブッシュはTHK製のLMJK8UUという製品。
これ自体、特に悪い代物ではありません。
しかしこのリニアブッシュをロングタイプに変更すると、
Z軸のブレが減少することにより造形品質が向上するんですね。
リニアブッシュ交換にはZ軸駆動部をバラす必要があるので、
作業するなら今回一緒に行うのがベター。
交換するリニアブッシュですが、LMJK8UUのロングタイプはLMJK8LUUという製品。
早速これを手配することに・・・・・・・・・
あれれ?どこを見ても手配不能になっています。
どうやらメーカーの生産が追いつかず、納期未定になってる模様。
これはまずいですね。
そこで今回手配したのは、LMIK8LUUという製品。
LMJKシリーズは軽量フランジシリーズというタイプでして、
フランジ部にプラスチックが併用されているんですね。
おかげで若干の軽量とともに、価格も少し安くなっているんです。
それに対しLMIKシリーズはプラスチックは使われず、フル金属仕様。
スペック上は数グラム重くなりますが、誤差範囲ですね。
価格も思ったほど差がありません。
何より すぐに入手できるのが大きいです。
ちなみに似たような製品でLMK8LUUというタイプも存在します。
むしろこちらが標準品なので、入手性は良いのかもしれませんが、
LMJK8LUUとの置き換えとしてはNGなので要注意。
フランジ部の形状が異なる為、取り付け後の位置寸法が異なってきまして、
LMJK8LUU使用時と比べ、下側に5mm長くなってしまうんですね。
なのでidBOXに使用すると、この5mmの差で下に当たってしまうことに。
なお、今回使用したLMIK8LUUはインロータイプという代物でして、
本来は下側からビスを打つ構造。
しかしidBOXに使用する際は、純正品と同様に上からビスを打つようにして取り付けます。
こうすることで、LMJK8LUUと同等の寸法に納めることが出来るんですね。
ということで、これが取り付け後の写真。
純正品より長いのが お解かり頂けるかと。
これで部品交換は完了。
あとはLSベルハンマーグリスの到着待ちです。
LSベルハンマーのスプレータイプは近所のホームセンターで入手できたので、
ロッド部にはスプレーを使用してみました。
たぶんグリスを使わずとも、このスプレータイプで十分な感じがします。
しかしリードスクリューと受けナットについてはグリスを使いたいところ。
できれば硬めのグリスを使いたいところなのですが、
ベルハンマーグリスは そんなに種類も無く、
硬いタイプはベルハンマー原液の配合量が少なくなるので、
硬さの点では妥協することにしました。
ということで、ベルハンマーグリスが到着しましたら、
リードスクリュー部に塗って試運転を行います。
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