2017年1月9日月曜日

TG-5021モジュールの続き

今度はTG-5021関連の話の続きです。

前回はTG-5021の出力レベルの低さが問題で話が終わりました。
それをどうやって持ち上げるか・・・・・・・・

ざっと考え付くのはこんな感じ。

①低電圧ロジックICで、順次レベルを上げていく。
②プルアップ抵抗を噛ませて、Hレベル時の電圧を上に引っ張る。
③トランジスターもしくはFETでとプルアップ抵抗でHレベルの電圧を上げる。
④トランジスターもしくはFETでアナログ増幅回路を組んで、TCXO出力を増幅。
⑤オペアンプによる増幅。

①については、最終的に欲しい出力が方形波であることを考えると一番妥当なところ。
 この方法で行ければベストだと思うのですが、低電圧ロジックで一番電圧が低いのは1.8V品。
 例として、ワンゲートロジックの東芝TC7SZ14で話を進めます。
 この石、電源電圧は1.65VからOKとなっておりますが、ネックは入力の しきい値。
 入力のしきい値は電源電圧に依存するわけですが、
 1.65V電源の際、Hレベルのしきい値は0.6V~1.4Vとなっています。
 これだと、ワーストケースでTG-5021のHレベル電圧が足りません。(;;

②はTG-5021の出力にプルアップ抵抗を噛ませて、電源電圧(2.85V)まで釣る方法です。
 TG-5021のデーターシートには、プルアップ抵抗の可否が記載されていません。
 単なるロジック出力ならば問題無いはずですが、
 そもそももしそういう出力回路ならば、もっと出力電圧が高いはず。
 なので、この方式も避けた方が良さそう。

③はTG-5021にトランジスターかFETを繋ぎ、
 その出力のプルアップ抵抗で釣り、出力を取り出すというもの。
 図にするとこんな代物。












 トランジスターのベース抵抗は記載を省いています。
 FETの場合は、単純にトランジスターと置き換えるだけです。

 トランジスターもしくはFETを単純にスイッチとして動作させるので、

 飽和に近い動作までもっていく必要があるわけですが、
 TG-5021の出力電圧で足りるかが懸念点ですね。

④は技術的には問題は無いと思いますが、めちゃくちゃ回路が複雑になります。
 たかがクロック出力の為に、ここまでやるのは どうかと思うわけでして・・・・・・

⑤も④と似たコンセプトですね。
 ディスクリートで回路を組むか、オペアンプで回路を組むかの違い。
  ただこの場合ネックになるのは以下の点。
    ・高速オペアンプが必要。
    ・電源電圧に制約を受ける。
    ・入力にレールtoレールの性能が必要。
 これを勘案すると、お手軽ではないかもしれませんね。


で、この中からまず選んだのが③の方法。
トランジスターだと、TG-5021に出力電流の負担をかけることになるので、
まずはFETで行ってみることにしました。
ちなみにTG-5021の出力は10KΩの抵抗負荷までOKとのことなので、
約1V÷10KΩで、約0.1mAまで取り出せるようですが、
この電流値でトランジスターを飽和動作させるのは ちょっと際どいところ。

FETの場合、ON-OFFのしきい値が石固有のデーターになってしまうので、
ゲート電圧が約1VでONする石がみつかるかどうかが 最初のネック。
とりあえず東芝で探してみると、確かに存在してました。
SSM3K62TU辺りが そうですね。
しかし次に問題になるのは入手性。
石が存在してても手に入らなければ絵に描いた餅なわけですが・・・・・
うーーん、やはり在庫が見つかりません。(;;

近い石で探してみると、SSM3K36TUをRSコンポーネンツで発見。
まぁこれだけでも見つかればラッキーかな?

しかし3連休に突入しちゃってますから、RSはお休み中。
秋葉で手に入るものは無いかなと物色してみたら、
秋月でRUE002N02を発見!!
うーーん、秋月恐るべしですねぇ・・・・・・・(笑)

データー上はSSM3K62の方が優秀。
SSM3K36とは ほぼ同等な感じ。
これならばSSM3S36の出番はないですねぇ。
ということで、TS-130の部品と共に購入してきました。

IC用のパターンを利用して、無理やりRUE002N02を実装しました。
外付け基板にすれば もっと簡単だったのですが、
10MHzの信号線を引き回すのは負荷容量の点から好ましくないもので・・・・

FETの後ろのプルアップ抵抗の値をどうしましょうかねぇ。
とりあえず、まずは4.7KΩで始めてみます。
電源電圧が5Vとすると、FETのドレイン電流が1mAになる計算。


早速電源を繋いでテスト開始。
FETの出力(ドレイン)の波形を見てみると・・・・・・・・
















FET自体は ちゃんとスイッチング動作していますね。
しかし、電圧振幅が1Vくらいしかありません。
これじゃ、TG-5021の出力と大差無いですね。orz

これは単純にプルアップ抵抗が大きいという結論。
そのせいで、FETがOFFした後の立ち上がりに時間がかかってしまい、
十分電圧が上がらないうちにまたFETがONしてしまっているわけですね。

ではプルアップ抵抗を一気に1KΩにしてみましょう。
FETのドレイン電流が5mAになってしまいますが、やむをえません。
で、その結果がこれ。















みごとに立ち上がっていますね。
電圧振幅が約4Vですから、十分な値。

立下りよりも立ち上がりに時間かかってる感じですから、
更にプルアップ抵抗を減らしてもいいかもしれませんが、
今回は これでOKとしましょう。

実は話はここで終わらないのでありまして、
実はこの信号を更にワンゲートロジックに入れて、方形波に整形しているのです。
使っているのは東芝のTC7SET04FU。
その出力がこれ。
















しっかり5V近い振幅になりましたが、デューティー比が50%じゃないですね。

このTC7SET04は、本番ではTC7SH14に変わる予定。
それでもデューティー比は あまり変化無いんじゃないかな。
デューティー比が問題になるようなシステムの場合だと、
20MHzのTCXOを2分周かければ解決しますが、
FET出力が追いつくのかなぁ・・・・・・・・・・
やっぱ、SSM3K62が欲しい感じです。

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