最近、たまに話題に上げていた周波数カウンター、
部品のオーバーホールは完了させたわけですが、
肝心要であるOCXOが手付かずでした。
OCXOの精度=周波数カウンターの精度なので、
これの周波数校正は非常に重要なわけですが、
アマチュアが安価に校正するのは大変なのでございます。
いよいよになったら専門業者に依頼することも検討しますが、
やはり数万円かかってしまうので、なかなかね・・・・・・・(笑)
そんな状況下、秋月のホームページを見てて、GPS受信機キットが目に留まりました。
GPSから1秒の信号が取り出せるという話は、薄々耳にしていましたが、
周波数カウンターに必要なのは10MHzなので、無縁だと思っていたのです。
でも、以前書いた超低周波測定の方法を使えば、
1秒パルスでOCXOの校正も可能なのでは?と思いついたのです。
早速、必要な部品を手配し、ユニットを組みました。
回路図は こんな感じ。
秋月のGPS受信機キットに5Vを繋ぐだけで、1PPSのパルスは出てくるものの、
100msのパルスが1秒間隔で出てくるという仕様のため、
今回目的とする周波数カウンター測定には使えません。
デューティー比が正確に50%じゃないと無理だからです。
そこで、受信機キットから出てくる1PPS信号を2分周しています。
このユニットは衛星電波受信の為、窓際に置く必要があることから、
出力信号をケーブルでダラダラと引っ張ってこなければなりません。
その為、75Ωの同軸ケーブルを繋ぐように47Ωの抵抗を挟んでピンジャックで出力してます。
47Ωの抵抗は もっと大きくしたいところですが、丁度いい手持ちが無かったでした。
2分周はお約束のDフリップフロップ回路です。
今回は74ACT74を使っています。
これは以下の3つの理由から。
①GYSFDMAXBの出力が3.3Vレベルであることから、
余裕を見てTTLレベル入力にしておきたい。
②75Ω出力ドライバーを兼ねたい。
③パルスのばらつき精度を向上させたいので、なるべく高速なデバイスにしたい。
ということで、ストックも有ることから、74ACT74にしたのでした。
②については、出力電流がデバイスの規定をオーバーしております。
今回の場合だと、5V ÷ (47Ω+75Ω) で約40mという計算になりますが
パルス出力であることと、1チップ内で1本しか出力してないことから、
実力的には 行けてしまいます。
余談ですが、今回使ったのは東芝製の74ACT74です。
東芝製の74ロジックは高速動作向けなので、ノイズには要注意なのですよ。
今回は扱うクロックが めっさ低速なので ほぼ問題にはなりませんが、
高速クロック回路だと しっかりノイズ対策しておかないと 痛い目に遭うのです。
話は戻りまして、上記の回路図を基に組んだ基板がこれです。
写真では わからないかと思いますが、秋月のGPS受信機キットの基板のビス穴、
M3ビス用の穴が開いてるくせに、ベタパターンがビスを避ける分だけ空いていません。
なので、樹脂のビスを使うか樹脂のワッシャーを挟むか、という対策が必要になります。
(今回は樹脂ワッシャーで対応してます)
このGPS受信機キットですが、裏面にCR2032の電池ホルダーが付けられるようになっています。
電池を繋ぐことでセンテンス情報を保持できるのだそうな。
しかし今回のユニットではGPS受信機キットを外せるようにしていないので、
電池交換ができないことから、CR2032は付けておりません。
その為、電源投入時に初期設定からのコールドスタートとなりまして、
起動に若干時間がかかりますが、実用上は支障ありません。
では早速試してみることにしましょう。
このユニットを窓際に置き、秋月のACアダプターで5Vを供給。
AV用映像信号ケーブルを出力端子に接続し、周波数カウンターまで引っ張ってきます。
今回繋いでるケーブルは5m長のもの。
精度が うんぬんとか言ってる割に、AV用信号ケーブルとかピンジャックとか使ってて、
BNCコネクターじゃないんかよツッコミを受けそうですが、
この程度の低周波信号だと、この方が色々と便利なんですよね。
最近はピンジャックとBNCコネクターの変換アダプターも安価で手に入りますから、
周波数カウンター等の接続も問題になりませんし。
周波数カウンター部では、75Ωの終端抵抗で信号を受けつつ、
パラレルにカウンターを接続。
の予定でしたが(笑)、75Ωの抵抗が無かったので100Ωの抵抗で代用。
75Ωの終端抵抗で、真っ先に頭に浮かんだのがアンテナシステム用の終端抵抗器。
丁度、DXアンテナのDFD-75Sのストックが有ったので、これを使おうと思ったら、
これ、電流カット型なのでした。
電流カット型ということは、低周波~直流領域ではハイインピーダンスになっちゃいますので、
今回のように超低周波信号の終端抵抗としては使用不可なのです。(;;
なので今回は普通の金被抵抗を使ってます。
その終端抵抗の両端電圧波形がこれ。
予定通り0.5Hzの方形波になっていますね。
タイムレンジを変更してエッジ部を確認してみましたが、
オーバーシュートもアンダーシュートも無く、いい感じでございます。
いざ、肝心のカウンター値は・・・・・・・・・・・・
あっれーーー??
なんか、変な値になってますねぇ。
どうやら、カウンターの取り込みエッジの問題っぽい。
このカウンターの泣き所は、取り込みトリガーについて、
何も設定をいじれない点なんですね。
そもそもの仕様として、ゲート長測定の場合、測定可能範囲が100ms以下となっているので、
1秒というのは 正しく処理できなくても 仕方ないのかもしれませんが・・・・・・
でも以前、32.768KHzと格闘した際は1秒のパルスも測れてたので、
入力信号の微小なノイズが悪さをしている可能性もありえますね。
ということで、次回は波形のノイズ除去を試してみようと思います。
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